ハロゲン化物消火設備の点検で、加圧用ガス容器のガス量を確かめる項目があるのをご存じでしょうか。
消火剤の量を確かめる点検は想像しやすいですが、押し出すためのガスにも点検項目があります。
点検要領を見ると、圧力計で確かめる方法と、封板式のものだけ質量などで確かめる方法に分かれています。
この記事では、点検要領と規則をもとに、加圧用ガス容器のガス量の確かめ方と、点検後に元へ戻す順番を整理します。
加圧用ガス容器のガス量って、いったい何を確かめるのですか。
確かめるのは、規定量以上のガスが入っていることです。
まず全体像から確認しましょう。
圧力計を読むだけで済むのでしょうか。
封板式のものは、質量測定又は検圧治具で確かめます。
順番に見ていきましょう。
- 加圧式のハロゲン化物消火設備では、加圧用ガス容器のガス量も機器点検の項目です。
- 通常は、圧力試験弁を閉止して加圧手動弁を開き、一次側の圧力計で確かめます。
- 封板式のものは、質量測定又は検圧治具で確かめます。
- 判定は、規定量以上であること、一次側の圧力計の指針が所定圧力範囲を示すことです。
- 点検後は、加圧手動弁を閉じ、貯蔵タンクの圧抜弁と圧力試験弁を開いて加圧用ガスの放出を確認してから元に戻します。
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目次
加圧用ガス容器は加圧式のハロゲン化物消火設備でどう位置づけられているのか

規則は、加圧式のものに設ける加圧用ガス容器について、充てんするガスと付属品を定めています。
六 加圧用ガス容器は、窒素ガスが充てんされたものであること。
六の二 加圧用ガス容器には、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置及び容器弁を設けること。
加圧式のものには、2メガパスカル以下の圧力に調整できる圧力調整装置を設けることも、同じ項に定められています。
だから点検でも、容器だけでなく容器弁や圧力調整器までが項目に並んでいるのです。
加圧式と蓄圧式では、点検の項目も分かれているのですか。
点検要領は、蓄圧式と加圧式の貯蔵容器等を別の欄に分けて並べています。
加圧用ガス容器は、加圧式の欄にあります。
点検要領は加圧用ガス容器等でどんな項目を並べているのか

容器そのものは、周囲の状況、外形、表示、ガス量の順に並んでいます。
(表示・点検方法)目視により確認する。
(判定方法)ア 加圧用ガス容器の設置場所には、「窒素ガス貯蔵容器置場」等の表示が適正にされており、損傷、脱落、汚損等がないこと。
表示の欄には、窒素ガス貯蔵容器置場等の表示のほか、高圧ガス保安法で高圧ガス貯蔵所に当たるものは、同法令の標識等も確認する項目があります。
付属機器は、容器弁、安全装置、容器弁開放装置、バルブ類、圧力調整器、連結管及び集合管の順に続きます。
加圧用ガス容器の容器弁も、点検の対象なのですか。
容器弁は、外形と安全性の項目があります。
安全性は、平成26年の消防予第138号別添2に従って確かめます。
圧力計でガス量を確かめるときは弁をどの順に操作するのか

点検方法と判定方法は、次のとおり並んでいます。
(点検方法)圧力試験弁を閉止した後、加圧手動弁を開き、圧力調整器の一次側圧力計に取り付けられている圧力計により確認する。
(判定方法)ア 規定量以上であること。
イ 一次側の圧力計の指針が所定圧力範囲を示すこと。
判定は、規定量以上であることと、指針が所定圧力範囲を示すことの二つです。
ハロゲン化物消火設備の一般的留意事項には、誤放出事故を防ぐため強い衝撃等を与えないことも書かれています。
弁の順番を間違えたら、どうなってしまうのでしょうか。
点検要領は順番を示しているので、その順に操作するのが基本です。
実際の手順は、機器の取扱説明書でも確認してください。
封板式のものは圧力計ではなく何で確かめるのか

点検方法の後半が、その部分です。
(点検方法)…封板式のものにあっては、質量測定又は検圧治具により確認する。
点検要領は封板式の構造や理由までは書いていません。
どちらの方法で行うかは、設備の仕様書や取扱説明書で確認するのが確実です。
質量を量る場合の心構えとして、同じ第7の消火剤量の欄には、秤は校正されたものを使うこと、容器は重量物なので手荒な扱いや転倒に注意することが書かれています。
消火剤量を秤で量る手順は二酸化炭素消火設備の消火剤量の点検の記事で整理しています。
質量測定と検圧治具は、どちらを選んでもよいのですか。
点検要領は、質量測定又は検圧治具と書いています。
設備の仕様に合う方法を選んでください。
点検が終わったら加圧用ガスを抜いてから復元するのはなぜか

復元の手順が、順番まで具体的に書かれています。
※ 点検終了後は、加圧手動弁を閉じた後、貯蔵タンクの圧抜弁及び圧力試験弁を開いて、加圧用ガスの放出を確認した後、復元させること。
点検要領は理由を書いていませんが、点検のためにかけた圧を残したまま戻さないための手順と読み取れます。
貯蔵タンクや加圧用ガス容器の弁を含め、バルブ類は元の開閉状態に復元させておきます。
加圧用ガス容器の耐震や固定の考え方は加圧ガス容器の耐震義務の記事にまとめています。
点検終了後は、電源電圧、スイッチ類の位置及び収納状態等を再度確認することにより必ず元の状態に復旧しておくこと。
復旧のとき、ほかに確認することはありますか。
機器を取り外した場合は、接続部の緩み、脱落及び封印等を再確認します。
ハロゲン化物消火設備の一般的留意事項に書かれています。
よくある質問
まとめ
まず加圧手動弁と圧力試験弁の位置を、点検の前に確認しておきます!
その一手間が、誤放出の防止につながります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等の点検及び報告)、第20条第4項第6号・第6号の2・第9号
- 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第7 ハロゲン化物消火設備
- 消防用設備等の点検要領の一部改正について(平成26年3月31日消防予第138号)
- 消防用設備等の点検に係る運用について(平成14年6月11日消防予第173号)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





