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二酸化炭素消火設備の消火剤量は点検でどう確かめるのか|秤と液面計と内圧の三つの方法と充てん量10%以内の判定を解説

二酸化炭素消火設備の消火剤量は点検でどう確かめるのか|秤と液面計と内圧の三つの方法と充てん量10%以内の判定を解説

二酸化炭素消火設備の点検で、貯蔵容器を見て「本数は合っている」で済ませていませんか。
ところが点検要領には、消火剤の量そのものを測って設計図書と比べるという項目があります。
容器は重い高圧ガス容器なので、測り方の手順と注意を知らないと、作業も判定もぶれます。
この記事では、高圧式の貯蔵容器の消火剤量を、秤と液面計と内圧の三つでどう確かめ、何をもって合格とするのかを整理します。

貯蔵容器は本数と外観を見れば、量の点検も終わりではないのですか。

点検の基準は、消火剤が規定量以上貯蔵されていることを確かめるよう求めています。
量を測る方法が、点検要領に定められています。

測る方法は、どれか一つに決まっているのでしょうか。

点検要領には三つの方法が並んでいます。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 告示は、高圧式(常温で貯蔵するもの)の消火剤量について、規定量以上貯蔵されていることを確かめると定めています。
  • 点検要領は、測定結果を設計図書と照合し、その差が充てん量の10%以内であることを判定にしています。
  • 測り方は秤・液面計・容器内圧力の三つで、秤なら容器弁開放装置・連結管・操作管・容器押さえを外して量ります。
  • 液面計はコバルト60を取り外さず、有効使用期間は約3年で、過ぎていたら取扱店等に連絡します。
  • 起動用ガス容器は記載質量と計量質量の差が充てん量の10%以内で見て、結果は質量票や点検票に容器番号と充てん量で残します。

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消火剤量を確かめる方法を、秤で量る、液面計で量る、内圧から求めるの三つに分け、設計図書と照合する流れで整理した図解

二酸化炭素の消火剤量は点検で何と比べて確かめるのか

二酸化炭素の高圧ガス容器が鋼製の棚に並び、机に設計図書とクリップボードが置かれたイラスト
消火剤量の点検は、告示の短い一文から始まります。
それを実際の数字で判定できるようにしたのが、点検要領です。
消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号) 別表第6 不活性ガス消火設備の点検の基準
1 機器点検 (1)消火剤貯蔵容器等 イ 高圧式(常温で貯蔵するものに限る。) (ア)消火剤量
規定量以上貯蔵されていること。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 消火剤貯蔵容器等 高圧式(常温で貯蔵するものに限る。) 消火剤量
消火剤量の測定結果を設計図書と照合し、その差が充てん量の10%以内であること。
告示は「規定量以上」、点検要領は「設計図書との差が充てん量の10%以内」で見ます。
比べる相手は、設計図書に書かれた量です。
たとえば充てん量が45kgの容器なら、10%は4.5kgです。
この範囲に測定結果が収まっているかが、判定のものさしになります。
低圧式の貯蔵容器は、液面計で規定量以上かを確認する別の項目になっていて、計器のことは低圧式の計器の記事で扱っています。

10%も差があってよいなら、かなり大ざっぱな点検に見えます。

差の上限は、充てん量を基準にした割合です。
だから、容器ごとの充てん量をあらかじめ把握しておきます。

秤で量るときは容器弁のまわりの何を先に外すのか

レバー式のつり秤にガス容器が下がり、外した容器弁開放装置や連結管が机に並ぶイラスト
秤で量る方法は、容器の質量を量って、そこから中身の量を求める作業です。
量る前に、容器弁のまわりの付属品を外す決まりになっています。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 消火剤量 (1)秤を用いて行う方法
① 容器弁に装着されている容器弁開放装置、連結管、操作管及び容器押さえを取り外して計量する。
② 消火剤量は測定値から、容器弁(サイフォン管を含む。)及び容器の質量を差し引いた値とする。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 1 一般的留意事項
(6)二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備にあっては、点検作業実施前に制御回路の電源を「断」にし、起動ガス導入部の操作導管(貯蔵容器側)を取り外した後、電気式容器弁開放装置を取り外すこと。
付属品を外して量り、容器弁と容器の質量を差し引いた値が消火剤量です。
差し引くのは、容器弁(サイフォン管を含む)と容器の質量です。
秤は校正されたものを使うことが、留意事項に挙がっています。
点検要領の図には、棹秤式の秤量計を使った測定例が載っています。
取り外した機器は、点検の後に接続部の緩みや脱落、封印を再確認します。
容器は重量物なので、手荒な扱いや転倒にも注意が必要です。

制御回路の電源は入れたままで、容器だけ外して量ってもよいのですか。

点検要領は、作業の前に制御回路の電源を「断」にし、操作導管を外してから電気式容器弁開放装置を取り外すよう定めています。
この順序を守って作業します。

液面計で量るときはコバルト60をどう扱うのか

ガス容器が放射線源の箱と検出用のプローブの間に立ち、メーターにつながるイラスト
液面計を使う方法は、容器を通常の状態のまま量るものです。
放射線源を使う機器なので、扱いに決まりがあります。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 消火剤量 (2)液面計(液化ガスレベルメータ)を用いて行う方法
① 液面計の電源スイッチを入れ、電圧値のチェックを行う。
② 容器は通常の状態のままで、液面計のプローブと放射線源間に容器をはさみ込むようにして挿入する。
③ 液面計検出部を静かに上下方向に移動させ、メーター指針の振れが大きく異なる部分について、その位置の容器の底部からの高さを測定する。
④ 液面の高さと消火剤量との換算は、専用の換算表を用いて行う。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 消火剤量 留意事項
※(イ)測定が液面計による場合
a 放射線源(コバルト60)は、取り外さないこと。万一、紛失した場合は取扱店等に連絡すること。
b コバルト60の有効使用期間は約3年であり、経過しているものにあっては取扱店等に連絡すること。
液面の高さを測り、専用の換算表で消火剤量に直します。
量る前に、電源スイッチを入れて電圧値を確かめる手順があります。
容器の底部からの高さは、メーター指針の振れが大きく変わる位置で測ります。
コバルト60は取り外さず、有効使用期間は約3年です。
期間を過ぎているものや紛失したものは、取扱店等に連絡します。

放射線源と聞くと、点検のたびに取り出すのかと不安になります。

点検要領は、コバルト60を取り外さないことと定めています。
気になるときは、機器の取扱店等に相談してください。

容器内圧力で量るときは何に気をつければよいのか

ガス容器の弁に圧力計が付き、温度計と換算表が並ぶイラスト
三つ目は、容器の内圧から求める方法です。
圧力だけでなく、貯蔵容器の温度も測ります。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 消火剤量 (3)容器内圧力による方法
貯蔵容器の温度を計測し、次の方法で計測した値を温度換算表等を用いて内容量を確認する。
① 容器弁に圧力計又は指示圧力計が取り付けられている場合は、その指示値を読み取る。
② 容器弁に検圧口が設けられている場合は、検圧治具を用いて圧力を測定する。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 消火剤量 留意事項
※(ウ)測定が容器内圧力による場合
a 圧力計の指針の読みとりの際は、視差に留意し、正しい方向から測定すること。
b 検圧治具を用いて測定した場合は、圧力計の取り付け、取り外しの際、漏洩の原因とならないよう留意すること。
容器の温度と圧力を測り、温度換算表等で内容量に直します。
圧力計が付いていれば指示値を読み取り、検圧口があれば検圧治具で圧力を測ります。
指針は視差に注意して、正しい方向から読みます。
検圧治具を付け外しするときは、漏洩の原因にならないよう扱います。
この項目は、常温で貯蔵する高圧式の消火剤量の中に置かれています。

圧力が読めれば、温度は測らなくても内容量は分かるのですか。

点検要領は、貯蔵容器の温度を計測したうえで温度換算表等を使うと書いています。
圧力だけで済ませない点が大切です。

起動用ガス容器の量と充てん比はどこまで確かめるのか

起動用ガス容器が収納箱に入り、質量票の付いた容器とバネ秤と大きな容器が並ぶイラスト
貯蔵容器のほかに、起動用ガス容器の量も点検の対象です。
量の判定の言い方が、貯蔵容器と少し違います。
消防法施行規則 第19条第5項第13号
ハ 起動用ガス容器の内容積は、1リットル以上とし、当該容器に貯蔵する二酸化炭素の量は、0.6キログラム以上で、かつ、充てん比は、1.5以上であること。
消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備 2 機器点検 起動用ガス容器等 起動用ガス容器 ガス量
(2) 適切な秤量及び精度をもつバネ秤又は秤量計を用いて起動用ガス容器の質量を測定する。
(3) 容器に取り付けの銘板又は刻印質量若しくは質量票により確認する。
二酸化炭素の量は、記載質量と計量質量の差が充てん量の10%以内であること。
※(ア) 結果は質量票、点検票等に容器番号、充てん量を記録しておくこと。
(イ) 二酸化炭素の充てん比は1.5以上であること。
起動用ガス容器は、記載質量と計量質量の差が充てん量の10%以内かで判定します。
記載質量は、容器の銘板か刻印、または質量票で確認します。
量る道具は、適切な秤量と精度をもつバネ秤又は秤量計です。
結果は、質量票、点検票等に容器番号と充てん量を記録しておきます。
充てん比は、容器の内容積の数値と消火剤の重量の数値との比で、高圧式の貯蔵容器は1.5以上1.9以下、起動用ガス容器は1.5以上です。
起動用ガス容器の設置基準は起動用ガス容器の設置基準の記事で、窒素やIG-55との違いは不活性ガス消火剤の圧力管理の記事で解説しています。

貯蔵容器と起動用ガス容器で、10%の見方は同じなのですか。

点検要領の文面では、貯蔵容器は設計図書との差、起動用ガス容器は記載質量との差を、充てん量の10%以内で見ます。
比べる相手の違いを押さえておくと、記録の取り違えを防げます。

よくある質問

Q消火剤量の点検は、容器の本数と外観を見れば足りますか?
A足りません。告示は規定量以上貯蔵されていることを求め、点検要領は測定結果を設計図書と照合して、その差が充てん量の10%以内かで判定します。
Q秤と液面計と内圧のうち、どの方法で量ればよいですか?
A点検要領は三つの方法を示しています。どれを選ぶかは、機器の状況や手元の測定器に合わせて、消防設備士に確認してください。
Q液面計のコバルト60は、点検のたびに取り外しますか?
A取り外しません。有効使用期間は約3年で、経過しているものや紛失したものは、取扱店等に連絡します。
Q起動用ガス容器の質量は、どのように確かめますか?
A銘板や刻印、質量票の記載質量と、バネ秤又は秤量計で測った計量質量の差が、充てん量の10%以内かで判定します。結果は質量票や点検票に、容器番号と充てん量で残します。

まとめ

✔消火剤量の点検は、告示が規定量以上貯蔵されていることを確かめるもの
✔点検要領は、測定結果を設計図書と照合し、差が充てん量の10%以内で判定する
✔測り方は、秤・液面計・容器内圧力の三つ
✔秤では、容器弁開放装置・連結管・操作管・容器押さえを外し、容器弁と容器の質量を差し引く
✔液面計では、コバルト60を取り外さず、有効使用期間は約3年
✔容器内圧力では、容器の温度を計測し、温度換算表等で内容量に直す
✔起動用ガス容器は、記載質量と計量質量の差が充てん量の10%以内で判定し、結果を質量票や点検票に記録する

まず貯蔵容器の充てん量と測り方を、点検票と見比べてみます!

その手順なら、測り間違いが減ります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第19条第5項第5号・第13号(不活性ガス消火設備に関する基準)
  • 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第6
  • 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第6 不活性ガス消火設備

※本記事は公表されている法令、告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。

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