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高知市のデイサービス施設で火災|入浴中も想定した避難誘導と人数確認

2026年9月30日午前11時ごろ、高知市若草南町の通所介護施設「デイサービスわがや」で火災が起きました。高知さんさんテレビとRKC高知放送によると、施設にいた利用者5人と職員5人は全員避難し、けが人はいませんでした。木造2階建ての施設が焼け、隣接する住宅にも被害が出ています。出火原因は調査中で、設備不良や法令違反が判明したわけではありません。

㈱防災屋が着目するのは、利用者の歩行能力や入浴中などの状況が異なる施設で、煙の発見から避難完了までをどうつなぐかです。火災時の対応を「通報する人」「各室を確認する人」「付き添う人」「屋外で人数を数える人」に分け、入浴介助中でも動ける避難手順を訓練で確かめる必要があります。

この火災から読み取れること
煙を見つけた職員が、周知・119番・避難開始を同時に動かす
入浴中・移動介助中の利用者ごとに付き添い方法を決める
在館者名簿と避難先での人数確認を一組にする
隣家への影響を消防へ伝え、施設の再開は安全確認後に判断する

高知市のデイサービス火災で確認できたこと

高知市若草南町のデイサービス火災現場。高知さんさんテレビの報道画像
画像引用:高知さんさんテレビ「高知市のデイサービスで火事」(2026年9月30日公開、当該火災現場)

入浴中の利用者も無事に避難できたのですか。

報道では利用者と職員の計10人全員が避難し、けが人はいません。
入浴中の対応は、職員体制と避難経路に合わせて平時に決めておきます。

高知さんさんテレビは、職員が「2階から煙がかなり出ています」と通報し、約3時間半後に消し止められたと伝えています。報道された近隣住民の証言では、入浴中の人もタオルなどを巻いて外へ出たとされています。RKC高知放送も、施設内にいた利用者と職員の計10人が避難し、けが人がいなかったと報じました。焼損範囲の細部について報道間に表現差があるため、ここでは施設が焼け、隣接住宅にも被害が出たという共通事実にとどめます。警察と消防が原因を調べています。

煙の発見から全員避難までの役割をつなぐ

通所介護施設で職員が利用者を屋外へ誘導するイメージ図

最初に煙を見た職員が全部対応するのでしょうか。

近くの人に火災を知らせ、通報と誘導を分担します。
出火箇所の確認にこだわって避難を遅らせないでください。

防火管理者は、日中の最少職員数を前提に初動を割り振ります。煙を発見した職員は周囲へ声を出し、ほかの職員が119番、各室・浴室の確認、利用者の付き添い、屋外の人数確認に移ります。階段や廊下に煙がある場合は、その経路へ利用者を誘導せず、消防へ現在位置と人数を伝えます。初期消火は避難路を確保でき、訓練を受けた人が安全に対応できる初期段階に限ります。

入浴中の利用者をどう避難させるか

入浴介助中の利用者を職員が安全な出口へ付き添う図

入浴中は着替えを済ませてから避難させますか。

煙の状況が差し迫るなら着替えより退避を優先します。
タオルや羽織る物を取りやすい位置に置き、付き添いを決めておきます。

浴室担当者は毎朝、浴室から屋外までの通路に物がないか、段差や濡れた床で介助が必要な場所はどこかを確認します。入浴中の利用者については、歩行可能、歩行介助、車いす利用などを当日の職員間で共有します。訓練では、着替えを待たずタオルや防寒用の羽織り物を使い、転倒させずに出口へ誘導できるかを確かめます。裸足での移動や気温の影響にも、屋外の一時避難場所で対応できる備品を備えます。

通報と在館者名簿を同時に動かす

火災通報と屋外の在館者確認を分担する図

全員が外へ出たか、どう確かめますか。

当日の利用者名簿と職員の出勤表を屋外で照合します。
未確認者の名前と最後にいた場所を消防へ渡します。

受付担当は利用者の到着・帰宅をその都度名簿に反映し、避難時に持ち出す担当と保管場所を決めます。119番では所在地、煙の出ている階、在館者数、避難できていない人の有無を伝えます。屋外の集合場所では、利用者・職員・来訪者を分けて点呼し、車で送迎中の人を施設内人数に混ぜないようにします。消防到着時には「確認済み」と「未確認」を区別し、職員が再び建物へ入って探さないようにします。

隣家への影響と施設再開を分けて判断する

隣家に接する施設を火災後に立入り停止として点検する図

火が消えたらすぐに通所サービスを再開できますか。

建物、電気設備、避難経路、利用者の受入体制を別々に確認します。
原因調査を妨げず、専門家と関係機関の確認後に判断します。

今回の報道では隣接住宅にも被害が出ています。施設責任者は消防へ隣家との位置関係や敷地の出入口を伝え、職員が消防活動の動線をふさがないようにします。鎮火後は危険区域へ立ち入らず、被熱・放水を受けた分電盤、警報設備、扉、階段、浴室設備を専門家と点検します。サービス再開の判断では、建物の使用可否だけでなく、利用者の移送先、送迎、介護記録の引継ぎ、近隣への連絡を確認します。この図は再開前点検の一般例であり、今回の火災原因や損傷設備を示すものではありません。

まとめ

煙の発見時は通報・周知・避難誘導を分担する
入浴中や歩行介助が必要な利用者を想定して訓練する
当日の名簿と屋外での人数確認を一組にする
隣家への影響を伝え、施設再開は安全確認後に判断する

通所施設の避難体制を点検しませんか

浴室を含む避難経路、職員の役割分担、点呼と消防への引継ぎを確認します。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

本文図版:実際の火災現場を再現したものではないイメージ
執筆:㈱防災屋
監修・編集:青木俊輔

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