消防法が定める届出義務は、消防署に出す消防計画や検査の届出だけではありません。
動力消防ポンプや消防用ホースなど、一部の消防用の機械器具等を造る会社・輸入する会社にも、総務大臣への届出義務があります。
表示を付ける前の届出を怠っただけで、過料という罰則が科される仕組みになっています。
どんな届出が必要なのか、条文で確認していきます。
うちの工場も届出の対象になるかもしれません。
はい、動力消防ポンプや消防用ホースなど6品目を造る会社・輸入する会社が対象です。
消防法第21条の16の4という条文を見ていきましょう。
届出をしないまま表示を付けたらどうなりますか。
はい、5万円以下の過料という罰則が設けられています。
どんな仕組みか、順番に確認していきます。
- 動力消防ポンプ・消防用ホース・消防用吸管・結合金具・エアゾール式簡易消火具・漏電火災警報器の6品目が自主表示対象機械器具等に指定されている(消防法施行令第41条)
- 製造又は輸入を業とする者は、表示を付そうとするときはあらかじめ氏名又は名称・住所等を総務大臣に届け出なければなりません(消防法第21条の16の4第1項)
- 届け出た事項に変更があったとき、又は製造若しくは輸入の事業を廃止したときは、遅滞なくその旨を届け出なければなりません(同条第2項)
- これらの届出を怠った者は、5万円以下の過料に処せられます(消防法第46条の5)
- この過料は秩序罰であり、消防法第45条の両罰規定の対象には含まれません
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目次
自主表示対象機械器具等になぜ届出が必要なのか

まず、どんな機械器具等が対象になるのかを確認します。
消防法施行令第41条は、動力消防ポンプ・消防用ホース・消防用吸管・結合金具・エアゾール式簡易消火具・漏電火災警報器の6品目をこれに指定しています。
日本消防検定協会や登録検定機関が試験を行う検定とは異なり、自主表示は製造又は輸入を業とする者が自ら検査して表示を付ける仕組みです。
次は、その検査と表示の中身を確認します。
検定と自主表示はどう違うんですか。
検定は総務大臣や登録検定機関が試験しますが、自主表示は製造・輸入業者自身が検査します。
その検査のしくみを次で見ていきます。
表示を付ける前にどんな事項を届け出るのか

その検査を行う者には、表示を付ける前の届出義務が定められています。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 当該自主表示対象機械器具等の種類その他の総務省令で定める事項(消防法第21条の16の4第1項)
届け出る事項は、氏名又は名称及び住所、法人であれば代表者の氏名、そして当該自主表示対象機械器具等の種類その他総務省令で定める事項です。
ポイントは「あらかじめ」という順序で、表示を付けた後に届け出ても要件を満たしません。
次は、届け出た後に事情が変わったときの扱いを確認します。
届出をしないまま表示を付けることはできないんですか。
はい、届出が表示を付けるより前という順序が条文で決まっています。
次は届出後の変更について見ていきます。
届け出た事項に変更や廃止があったときはどうするのか

条文は変更と廃止のどちらにも届出を求めています。
「遅滞なく」とは正当な理由のない遅れが許されないという意味で、届出までの猶予期間は条文上定められていません。
住所を移転した場合や、法人の代表者が交代した場合も、この変更届出の対象になります。
次は、これらの届出を怠った場合の罰則を確認します。
事業をやめるときも届出が必要なんですね。
はい、廃止したときも遅滞なく届出が必要です。
怠った場合の罰則を次で確認します。
届出を怠るとどうなるのか

条文で定められた過料の仕組みを見ていきます。
消防法第46条の5は、実は3つの異なる届出義務をまとめて同じ過料の対象にしており、特例認定を受けた防火対象物の管理権原者変更届出(第8条の2の3第5項)や特殊消防用設備等の軽微な変更届出(第17条の2の3第4項)も同じ条文で規定されています。
消防法第45条の両罰規定が列挙する対象に第46条の5は含まれておらず、製造・輸入業者という法人自体が罰せられることはありません。
条文上「者」とだけ定められており、役員や担当者に限らず違反行為をした個人が対象になります。
会社ではなく個人が処罰されるんですね。
はい、過料は秩序罰で両罰規定の対象外だからです。
確認するときの手順を次で整理します。
届出が必要かどうか確認するときはどう進めるか

落ち着いて次の順で確認します。
- 自社の製品が消防法施行令第41条の6品目に該当するか確認する
- 表示を付ける前に総務大臣への届出が済んでいるか確認する
- 氏名・住所・品目等に変更があれば遅滞なく届け出る
まず自社の製品が消防法施行令第41条の6品目に該当するかを確認します。
該当する場合は、表示を付ける前に届出が済んでいるかを確認します。
届出後に氏名・住所・品目等が変わった場合は、遅滞なく届け出ることを忘れないようにします。
自分で判断できないときはどうすればいいですか。
はい、不明な点は所轄の消防署に確認するのが確実です。
最後によくある質問をまとめます。
よくある質問
まとめ
表示を付ける前の届出がこんなに大事だとは知りませんでした。
早速自社の製品を確認してみます。
消防法第21条の16の4は届出の時期と事項を定める規定です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第21条の16の2・第21条の16の3・第21条の16の4
- 消防法第45条・第46条の5
- 消防法施行令第41条
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





