自家発電設備の点検は、発電機が動けば終わりというわけではありません。
点検要領では、始動性能を停電発生と同じ状態で再現し、始動時間が何秒以内かまでストップウォッチで測ります。
停止性能や耐震措置も同じく細かく定められていて、可とう式管継手の長さまで目安が示されています。
この記事では、自家発電設備の機器点検を、始動性能から排気筒や接地の確認方法まで整理します。
自家発電設備の点検って、ちゃんと動くかどうかを見るだけですよね。
いいえ、始動時間や停止動作まで点検要領で秒単位に定められています。
まずは始動性能から見ていきましょう。
可とう式管継手の長さまで点検対象になるのは意外です。
はい、耐震措置という項目で寸法まで確認します。
順番に見ていきましょう。
- 始動性能は、試験スイッチ等で停電発生と同じ状態にして自動始動させ、始動時間が40秒以内であることを確認します(蓄電池設備から電力が供給される場合は除く)。
- 運転性能は無負荷で5〜10分運転し、漏油・異臭・不規則音・異常な振動等がないかを測定します。
- 停止性能は、試験スイッチ等で復電と同じ状態にして自動停止させ、再始動しないことまで確認します。
- 耐震措置は防振ゴムやアンカーボルトに加え、可とう式管継手の寸法が管の呼びごとの目安に適合しているかまで見ます。
- 排気筒の貫通部・配管・結線接続・接地は、断熱材の脱落やケーブルの端末処理部の異常がないかまで個別に確認します。
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目次
自家発電設備の始動性能は機器点検でどう確かめるのか

実際に停電と同じ状態を作り出して、何秒で立ち上がるかを測定します。
蓄電池設備の基準に準ずる蓄電池設備から電圧確立までの間電力が供給される場合は、この40秒の基準は適用されません。
始動前には自動始動盤のスイッチや燃料容器出口弁、冷却水タンク出入口弁が「開」になっているかなど、設備全般の確認事項も点検要領に並んでいます。
前回点検時の時間と比較して大差がないかも、始動性能を見るときの目安です。
停電と同じ状態を作って時間を測るんですね。
はい、40秒以内という具体的な基準があります。
次は実際に動かしたあとの運転性能を見ましょう。
運転性能の無負荷運転では何を確かめるのか

実際に無負荷で一定時間動かして、音や振動、電圧まで測定します。
回転速度は定格回転速度の0〜+5%の範囲内、無負荷時の電圧は定格電圧の±2.5%以内という具体的な数値まで決められています。
発電機にブラシがあるものはブラシ部の火花、オイルリングがあるものは潤滑の状態も見ます。
電力を常時供給するもので運用上運転が停止できないものは、実負荷での点検や項目の省略が認められています。
回転速度や電圧まで数値で決まっているんですね。
はい、無負荷時の電圧まで許容範囲が決まっています。
次は止めるときの停止性能を見ましょう。
停止性能は手動と自動でどう確かめるのか

手動と自動の両方について、復電と同じ状態を作って確認します。
自動停止ができない構造のものは手動停止装置を操作して停止させ、動作時間もストップウォッチで確認します。
手動停止装置による停止動作で再始動しないこと、非常時の手動停止装置が赤色で操作方法が明示されていることも判定項目です。
ガスタービンの場合は、回転低下中の回転変化が滑らかで異常音が発生しないことまで見ます。
自動で止まらないと、手動停止装置を使うんですね。
はい、再始動しないことまで確認する項目です。
次は耐震措置を見てみましょう。
耐震措置は可とう式管継手の長さまで確かめるのか

防振装置の緩みだけでなく、配管をつなぐ継手の長さまで目安が示されています。
可とう式管継手等は、変形・損傷・著しい腐食・漏れ・ゴム状のもののひび割れ等がなく、寸法が適正であることまで見ます。
寸法の目安は管の呼びで変わり、25未満は300cm、25以上50未満は500cm、50以上は800cmとされています。
ナットの緩みは放置すると、地震時に本体の転倒や配管の損傷につながる項目です。
継手の長さまで管の太さで決まっているんですね。
はい、管の呼びごとに目安の長さが変わります。
最後に排気筒や配管の点検を見ましょう。
排気筒と配管や結線接続や接地はどう確かめるのか

排気筒の貫通部や配管の支持金具まで、個別に点検基準が示されています。
配管は燃料系統・冷却水系統・潤滑油系統・始動空気系統の4種類それぞれに、支持金具の緩みまで見ます。
結線接続はケーブル等の端末処理部の異常、接地は接地線の断線や端子の緩み、著しい腐食の有無を確認します。
排気筒の周囲に可燃物が置かれていないかも、機器点検で欠かさず見る項目です。
配管は4種類それぞれ分けて見るんですね。
はい、燃料系統から始動空気系統まで分けて確認します。
最後に整理しましょう。
よくある質問
まとめ
自家発電設備の点検ポイントがこれで整理できました!
はい、始動時間と可とう式管継手は日常点検でも気づけます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第24
- 消防用設備等の点検要領(消防庁通知)第24 非常電源(自家発電設備)
- 消防法施行規則第12条第1項第4号(自家発電設備に関する基準)
- 自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)・蓄電池設備の基準(昭和48年消防庁告示第2号)
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
※本記事は公表されている告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





