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鴻巣市で誘導灯を省略できる階に倉庫や更衣室も数えるのか|埼玉県央広域の居室の範囲を6市と比較

事務室の奥に屋外へ出るガラス扉があり廊下の脇に倉庫と更衣室の扉が並ぶ事務所の写真と鴻巣市の誘導灯は倉庫や更衣室も居室に数えるのかという見出し

鴻巣市で事務所や店舗の誘導灯を省略できないか考えるとき、国の基準は居室の各部分から避難口が見とおせる階かどうかで判断します。
この「居室」にどこまでの部屋を数えるかで、見とおしを確かめる範囲は大きく変わります。
鴻巣市・桶川市・北本市を所管する埼玉県央広域消防本部の審査基準は、居室に当たらない室も居室として扱う行政指導を置いています。
この記事では国の条文から県央広域の審査基準までをたどり、四日市市・大阪市・堺市など6市の書き方と比べます。

鴻巣市の事務所で、誘導灯を付けずに済む階がないか考えています。
倉庫や更衣室も見とおしを確かめる対象になるのでしょうか。

県央広域の審査基準は、居室でない室も居室として扱うと書いています。
まず国の条文から確かめましょう。

大阪や三重の市でも同じ扱いなのですか。

居室に含める部屋の書き方は市ごとに違います。
並べて見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防法施行規則第28条の2は、居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし識別できる階で、歩行距離が一定以下なら誘導灯を設けなくてよいとしています
  • 埼玉県央広域消防本部は、建築基準法の居室に当たらない室も「居室」と扱うとし、行政指導の印▲を付けています
  • 同本部は、死角があってもおおむね5m以内の移動で主要な避難口が見えれば見とおせるものとし、判定は階ごと・テナントごとに行います
  • 四日市市・大阪市・東大阪市・堺市も、機械室や倉庫などを居室に含めて誘導灯を判定すると書いています
  • 鈴鹿市と津市の誘導灯の基準には、機械室などを居室に名指しで加える記述は見当たりませんでした

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消防法施行令第26条から消防法施行規則第28条の2を経て埼玉県央広域消防本部と四日市市と大阪市が誘導灯の判定で居室に含める室を示す図解

国の基準では誘導灯を省略できる階はどう決まるのか

屋根を外した平屋の事務所の大部屋に机が並び奥の壁に外へ出る扉があるイラスト
誘導灯を置く防火対象物は消防法施行令第26条第1項が定め、ただし書きで省令に定めるものは設置しなくてよいとしています。
その省令が消防法施行規則第28条の2で、避難口誘導灯は第1項、通路誘導灯は第2項に条件が並んでいます。
消防法施行規則 第28条の2第1項第1号 令別表第一(一)項から(十六)項までに掲げる防火対象物の階のうち、居室の各部分から主要な避難口(略)を容易に見とおし、かつ、識別することができる階で、当該避難口に至る歩行距離が避難階にあつては二十メートル以下、避難階以外の階にあつては十メートル以下であるもの
建築基準法 第2条第4号 居室 居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
第1項第1号と第2項第1号の条件を並べると次のとおりです。
区分居室の各部分から見とおす先避難階避難階以外の階
避難口誘導灯(第1項第1号)主要な避難口20m以下10m以下
通路誘導灯(第2項第1号)主要な避難口又はこれに設ける避難口誘導灯40m以下30m以下
判定の起点は居室です。
主要な避難口は、避難階なら屋内から直接地上へ通ずる出入口、それ以外の階なら直通階段の出入口です(第28条の3第3項第1号イ・ロ)。
避難階は無窓階を除き、避難階以外の階は地階と無窓階を除くので、地階と無窓階はこの号では省略できません。
第28条の2の条文の中に居室の定義は置かれておらず、どの室を居室に数えるかは各消防本部の基準の書き方を見ることになります。
省略を考えるなら、まずその階が地階か無窓階に当たらないかを先に確かめます。

事務所の大部屋から出口が見えていれば、それで足りるのでしょうか。

条文は居室の各部分からと書いています。
どの部屋を居室に数えるかが次の分かれ目です。

埼玉県央広域消防本部は居室の範囲をどう広げているのか

屋根を外した平屋の中に事務室と段ボール箱の並ぶ倉庫とロッカーの並ぶ更衣室が並んだイラスト
埼玉県央広域消防本部は「埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準」を公開しています。
誘導灯の省略は第3章第13「誘導灯の設置を要しない部分の取り扱い」にあり、冒頭で居室を定義しています。
埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第3章 第13 1⑴ 「居室」とは、建基法第2条第4号に定める執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のため継続的に使用する室をいう。
なお、これに該当しない室も「居室」と扱う。▲
同 第1章 第3 運用上の留意事項(抜粋) これらの行政指導事項は(略)防火対象物の関係者(略)に義務を課すものではなく、あくまでも相手方の任意の協力により実現されるものであることを前提としなければならない。
建築基準法の居室より広く数えます。
前半は建築基準法第2条第4号と同じ定義ですが、後半の一文で、これに当たらない室まで居室として扱うとしています。
倉庫や更衣室のように継続的には使わない室も、各部分から主要な避難口が見とおせるかを確かめる対象に入る読み方です。
文末の▲は第1章の凡例で行政指導基準を示す印で、第1章第3は行政指導を任意の協力で実現されるものと位置づけています。
指導どおりに数えると、扉の閉まった小部屋から避難口が見えない階は省略の条件を満たしにくくなるので、図面から小部屋を拾い出しておきます。

倉庫まで数えるのは、法令の義務ではなく指導なのですね。

そのとおりです。
ただ事前相談ではこの扱いで見られるので、室ごとの見とおしを図面で示せるようにしておきましょう。

埼玉県央広域消防本部は見とおしと識別をどう判断するのか

屋根を外した事務室の中央に背の高い本棚の間仕切りがあり数歩横へ動くと奥の扉が見える位置まで点線が延びたイラスト
同じ第13は、条文の「容易に見とおし、かつ、識別することができる」の意味と、判定の単位も書いています。
どちらも行政指導の印は付いていない項目です。
第3章 第13 1⑶ 「容易に見とおし、かつ、識別することができる」とは、建築物の構造、什器等の設置による主要な避難口の視認の障害がないことをいう。
なお、吹き抜け等がある場合は、避難経路を含めて視認できることが必要であること。ただし、避難施設又は誘導灯が障害物により視認できない場合であっても、人が若干移動(おおむね5m以内)することにより主要な避難口を視認できる場合は、この限りでない。
同 2⑵ 誘導灯の設置を要しない防火対象物又はその部分の単位は「階」であり、当該要件への適合性も階ごとに判断するものであること。
⑶ 主要な避難口の視認性については、居室の出入口からだけでなく、居室の各部分から避難口であることが直接判別できることが必要であること。
死角は少しの移動まで許されます。
棚や柱で避難口が隠れても、おおむね5m以内動けば見える位置なら、視認の障害がないものとして扱われます。
一方で、居室の出入口から見えるだけでは足りず、居室の各部分から避難口だと分かる必要があります。
第13-5図は、同じ階でもテナントごとに視認性を判断し、全ての居室の各部分から避難口が判別できないテナントには避難口誘導灯が要る例を示しています。
通路誘導灯を第2項で省略するときは、居室の各部分が主要な避難口の避難口誘導灯の有効範囲内にあることも求めています。

つまり棚の陰になる席があっても、少し歩いて見えればよいのですね。

おおむね5m以内ならそう扱われます。
テナントが分かれている階は、区画ごとに確かめてください。

他の市では誘導灯の判定で居室に何を含めているのか

屋根の色が違う低い建物が4棟横一列に並んだイラスト
同じ論点を、三重の3市と大阪府内の3市が公開している基準の誘導灯の節で当たりました。
居室をどう定義しているかと、死角を移動で補う書き方があるかを並べます。
四日市市消防同意事務審査基準 第2章 第16 誘導灯及び誘導標識 1(1)(抜粋) 防火対象物の居室(建基法第2条第4号に規定する執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のため継続的に使用する室のほか、駐車場、機械室、電気室、更衣室その他これらに相当する室を含めて取扱う。以下同じ。)
大阪市消防局 消防用設備等の設置に係る運用基準 第3章 第2節 誘導灯及び誘導標識 第1 3 居室とは、建基法第2条第4号に規定する室並びに機械室、ポンプ室、倉庫、電気機械室、駐車場及びこれらに類する室をいう。ただし、第5の基準における居室とは建基法第2条第4号に規定する室をいう。
消防本部誘導灯の判定で居室に含めるもの行政指導の印死角を移動で補う記述
埼玉県央広域(鴻巣市・桶川市・北本市)建築基準法の居室+これに該当しない室▲おおむね5m以内
四日市市建築基準法の居室+駐車場・機械室・電気室・更衣室その他相当する室下線なしおおむね5m以内
大阪市建築基準法の居室+機械室・ポンプ室・倉庫・電気機械室・駐車場など(誘導標識の第5を除く)印なし記載なし
東大阪市建築基準法の居室+機械室・ポンプ室・倉庫・電気機械室・駐車場など印なし記載なし
堺市建築基準法の居室+駐車場・車庫・機械室・ポンプ室等印なし概ね5mの移動
鈴鹿市名指しで加える記述なし(避難階の居室の特例では地階・無窓階の居室も対象と明記)-おおむね5m以内
津市継続的に使用する室及びこれらに類する室凡例の記号なし記載なし
表の「記載なし」は、公開されている基準の誘導灯の節に同じ趣旨の記述が見当たらなかったものです。行田市と羽生市は消防用設備等の審査基準を市のサイトで公開しておらず、今回は確かめられませんでした。 機械室や倉庫を含める市が多数派です。
四日市市は駐車場・機械室・電気室・更衣室を名指しし、大阪市と東大阪市は機械室・ポンプ室・倉庫・電気機械室・駐車場を挙げています。
大阪市は誘導標識の基準(第5)だけ建築基準法の居室に戻すと書き分け、堺市は駐車場・車庫・機械室・ポンプ室等を挙げています。
県央広域は室の名前を挙げずに「該当しない室も」と書き、しかも▲付きの行政指導という位置づけです。
同じ間取りでも管轄によって数える室の書き方が違うので、複数の市に拠点がある会社は市ごとに基準を開いて確かめます。

大阪の支店と鴻巣の事務所で、同じ間取りでも数える部屋が変わるのですか。

書き方が違うので、管轄ごとに確かめる必要があります。
名前を挙げる市でも倉庫や機械室は入る点に注意してください。

鴻巣市で誘導灯を省略したいときは何から確かめるのか

机の上に広げた平面図とファイルとオレンジ色のメジャーと平屋の建物模型が置かれたイラスト
ここまでの条文と審査基準をつなぐと、確かめる順番が決まります。
県央広域の第13は主要な避難口や最終避難口の例も図で示しているので、手元の平面図と照らしながら進めます。
  1. その階が地階か無窓階に当たらないかを確かめます。当たれば第28条の2第1項第1号では省略できません
  2. 避難階かどうかに応じて、主要な避難口(屋内から直接地上へ通ずる出入口か、直通階段の出入口)を図面に書き込みます
  3. 階の室を全部書き出し、建築基準法の居室と、倉庫・更衣室・機械室などそれ以外の室に分けます
  4. 県央広域の▲の指導に沿って、それ以外の室も含めた各部分から主要な避難口が見とおせるかを確かめます。死角はおおむね5m以内の移動で見えるかで判断します
  5. 歩行距離が避難階で20m以下、それ以外の階で10m以下か(通路誘導灯は40m・30m以下か)を測ります
  6. テナントが分かれている階は、区画ごとに1から5を繰り返します
小部屋の扱いが分かれ目です。
倉庫や更衣室を居室に数えない前提で省略を考えていても、県央広域では指導としてそれらの室からの見とおしも求められます。
見とおせない室が残るときは、その階に避難口誘導灯を付けるか、室の配置を見直すかを事前相談で決めます。
行政指導は任意の協力が前提なので、対応が難しい事情があるときは、その理由を図面と一緒に示して相談します。

まず図面に室の一覧と避難口を書き込んでから相談に行きます。

その準備があれば話が早いです。
死角になる位置は写真も添えると伝わりやすくなります。

よくある質問

Q倉庫を居室に数えずに誘導灯を省略したら違反になりますか?
A「該当しない室も居室と扱う」は▲の付いた行政指導で、第1章は関係者に義務を課すものではないとしています。ただ審査ではこの扱いで見られるので、省略を考える段階で事前相談をしておきます。
Q桶川市や北本市でも同じ扱いですか?
A埼玉県央広域消防本部は鴻巣市・桶川市・北本市の3市を所管しているので、同じ審査基準が使われます。
Q避難階にある小さな店舗にも同じ考え方を使いますか?
A避難階の居室には消防法施行規則第28条の2第1項第3号の別の条件があり、主にその室の人が使う屋外への出入口があり、室内の各部分からそこまで30メートル以下で見とおせることと、蓄光式誘導標識を設けることが求められます。県央広域は第13の3で「小規模な路面店等」として扱いを示しています。
Q行田市や羽生市ではどうなっていますか?
A行田市と羽生市は消防用設備等の審査基準を市のサイトで公開していないため、今回は確かめられませんでした。計画の前に管轄の消防本部へ確かめます。

まとめ

✔消防法施行規則第28条の2は、居室の各部分から主要な避難口を見とおせる階で誘導灯の省略を認めています
✔歩行距離は避難口誘導灯が避難階20m・それ以外10m以下、通路誘導灯が40m・30m以下です
✔埼玉県央広域消防本部は、建築基準法の居室に当たらない室も居室と扱う行政指導▲を置いています
✔死角はおおむね5m以内の移動で避難口が見えればよく、判定は階ごと・テナントごとです
✔四日市市・大阪市・東大阪市・堺市も、機械室や倉庫などを居室に含めて判定すると書いています
✔鈴鹿市と津市には、機械室などを居室に名指しで加える記述は見当たりませんでした
✔室の一覧と主要な避難口を図面に書き込み、管轄の審査基準で居室の範囲を確かめてから省略を考えます

倉庫と更衣室からの見とおしを図面で確かめてみます!

室ごとに確かめておけば、事前相談もスムーズです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は各消防本部が公開している審査基準・運用基準と法令に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防本部で確認してください。誘導灯を設けなくてよいかどうかは、階の用途・無窓階の判定・室の配置によって変わるため、計画の前に所轄の消防署にご確認ください。

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