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堺市でオフィスの個室ブースに感知器やスプリンクラーはいらないのか|大阪市とも比較

堺市でオフィスの個室ブースに感知器やスプリンクラーがいらないのかを堺市消防局の審査基準から大阪市とも比べて解説する記事のアイキャッチ

オフィスや共同住宅の共用部に、1人で使う箱型の個室ブースを置く例があります。
床や壁に固定されず、人が入って使うこうしたブースは、消防の基準では「可動式ブース」と呼ばれます。
ブースを置くと、その中にも感知器やスプリンクラーヘッドが必要になる場合があります。
堺市消防局の審査基準には、可動式ブースだけを扱う独立した節があり、国の通知に堺市の注意書きが加わっています。
この記事では、国の通知と堺市の基準を分けて条件の借り方をたどり、大阪市や東大阪市とも比べます。

堺市の事務所に、1人用の個室ブースを入れる計画があります。
ブースの中にも感知器が必要ですか。

ブースの中も消防用設備等の対象になり得ますが、条件を満たせば設置しないことができます。
堺市は審査基準に専用の節を設けています。

国の決まりと堺市の決まりは、どう違うのですか。

中身の多くは国の通知と同じですが、堺市は点検や音の測り方に注意書きを足しています。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 堺市の審査基準は「第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い」で、令和6年8月23日付け消防予第404号を基にしたと明記しています
  • ブース内の感知器やスプリンクラーヘッドを省ける条件は、仮眠を伴わないものと仮眠を伴うものの2つに分かれ、どちらも床面積6平方メートル以下が前提です
  • スピーカー、排煙口と散水ヘッド、特定共同住宅等の規定は、前の項目の条件を借りる書き方です
  • 堺市は、点検結果を消防署長へ報告するよう指導することや、音圧65デシベルは現地で測ることなど、国の通知にない注意書きを加えています
  • 大阪市はスプリンクラー、放送設備、特定共同住宅等の節に分けて書き、東大阪市の公開資料には可動式ブースの記載が見当たりません

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国の通知を基にした堺市の可動式ブースの感知器とヘッドの条件からスピーカーと排煙口と散水ヘッドと特定共同住宅の規定が条件を借りてつながる順番を示す図解

堺市は可動式ブースを審査基準のどこで扱っているのか

机が並ぶオフィスの床にガラス張りの一人用の小さな作業ブースが三つ置かれ天井に煙感知器とスプリンクラーヘッドがあるイラスト
堺市の審査基準は、第2章 第1節の総論の中に、可動式ブースだけを扱う第13を置いています。
冒頭の「適用」で、どの国の通知を基にしたかを書いています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅰ 1 本基準における可動式ブースの取扱いについては、「可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて(通知)の一部改正について」(令和6 年8 月23 日付け消防予第404 号)を基にしたものであること。
なお、当該取扱いは、消防用設備等の設置が義務付けられている防火対象物の一部に可動式ブースが設置される場合を想定しているものであり、 防火対象物の部分の過半を可動式ブースが占めるような活用をしている場合は想定していないこと。
国の通知は令和5年3月30日付け消防予第211号で、令和6年8月23日付け消防予第404号で一部改正されました。
堺市の基準は、この改正後の内容を基にしています。
また、フロアの過半をブースが占めるような使い方は、この取扱いの想定外です。
ブースの定義と、仮眠の有無による2つの区分は次のとおりです。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅰ 2(1) 可動式ブースとは、天井及び壁により囲われたブースで、防火対象物の床や壁に固定(工具等で簡単に取り外すことができるものを除く。)されておらず、人が出入りして利用するものをいう。
区分次のどれにも当てはまらないもの(堺市 Ⅰ 2(7)(8))
仮眠を伴わない可動式ブース火気設備等の使用を行うもの、宿泊を目的とするもの、仮眠を伴うおそれがあるもの
仮眠を伴う可動式ブース火気設備等の使用を行うもの、宿泊を目的とするもの、喫煙その他の火気の使用を行うもの
火気設備等は、消防法施行令第5条第1項と第5条の2第1項の対象火気設備等と対象火気器具等のことです。
つまり、宿泊用のブースや、火気設備等を使うブースは、どちらの区分にも入りません。
仮眠を伴うブースでも、喫煙などの火気を使わなければ、条件つきで対象になります。

休憩用に仮眠ができるブースでも、対象から外れるわけではないのですね。

はい、仮眠を伴うブースには別の条件が用意されています。
次はブースの中の感知器とヘッドの条件を見ます。

堺市でブース内の感知器やスプリンクラーヘッドを省ける条件は何か

一人用の作業ブースの前面を外した断面で机と椅子があり天井の中央に下向きの丸い自動消火装置が付いているイラスト
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅱ 1 柱書 スプリンクラー設備又は自動火災報知設備の設置が義務付けられている防火対象物において、可動式ブースを設けることにより、当該可動式ブース内にスプリンクラーヘッド又は感知器の設置が必要と認められる場合であっても、次の要件を満たすものについては政令第32 条の規定を適用し、これらを設置しないことができる。
消防法施行令 第三十二条 この節の規定は、消防用設備等について、消防長又は消防署長が、防火対象物の位置、構造又は設備の状況から判断して、この節の規定による消防用設備等の基準によらなくとも、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認めるときにおいては、適用しない。
ブースの省略は、法令の基準そのものではなく、消防長又は消防署長が認める第32条の特例として扱われます。
まず、仮眠を伴わないブースの条件を表にまとめます。
項目仮眠を伴わない可動式ブース(堺市 Ⅱ 1(1))
ア 床面積6平方メートル以下
イ 消火の性能次の(ア)か(イ)のどちらか
(ア) 自動消火装置で満たす天井と壁を不燃材料で仕上げ、住宅用下方放出型自動消火装置を設け、パッケージ型自動消火設備Ⅱ型の点検基準の例で点検する。消火が難しい易燃性の可燃物がある場合や、床から2.5メートルを超える高さに放出口を設ける場合などは使えない
(イ) 消火実験で満たす消火実験で確実に消火できることと、ブースから1メートル離れた場所で熱量3キロワット毎平方メートル未満、一酸化炭素1,000ppm以下を確かめ、大学などの第三者機関の検証結果がある。(ア)の不燃仕上げ・自動消火装置・点検を満たすブースは熱量と一酸化炭素の確認が不要
ウ 目視ブースの外から中の火災を目視できる。ブースの内部と外部直近に連動型住宅用防災警報器を置き、互いに早く知らせる措置をとる場合は目視でなくてよい
仮眠を伴うブースは、このアとイを借りたうえで、警報と避難の条件が加わります。
項目仮眠を伴う可動式ブース(堺市 Ⅱ 1(2))
ア(1)のアとイを満たす(床面積と消火の性能)
イブースの内部と外部直近に煙を感知する連動型住宅用防災警報器を設けて連動させる。仮眠中の人に知らせる性能が警報器の警報音と同等以上であること
ウブースの内外の火災を、従業員などの常駐場所でも覚知できるようにする
エ出入口扉に施錠装置を設けない(非常の際に外から容易に開けられる場合を除く)
オブース内の見やすい場所に、喫煙その他の火気の使用を禁止する表示を設ける
ここまでは、国の通知とほぼ同じ内容です。
堺市は、自動消火装置の点検に次の一文を足しています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅱ 1(1)イ(ア)c bの住宅用下方放出型自動消火装置について、パッケージ型自動消火設備Ⅱ型の点検基準(該当する点検項目に限る。)の例により点検が実施され、適切に維持管理されていること。
なお、点検した結果は、消防法第17 条の3の3の規定に準じて消防署長あて報告するよう指導すること。
消防法 第十七条の三の三(抜粋) 第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、(略)点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
国の通知は、点検して適切に維持管理することまでを求めています。
堺市は、その点検結果を消防署長あてに報告するよう指導すると書いています。
また、堺市は「易燃性の可燃物」の意味も定義しています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅰ 2(6) 易燃性の可燃物とは、危険物、指定可燃物のほか、ウレタンフォーム、綿糸、マッチ類、化学繊維等着火性が高く、延焼速度の速いもの又はそういう状態にあるものをいう。ただし、高密度に積み重ねてある紙及び布又は書物及び書類の形のものは着火性が低く、延焼速度が遅いため、易燃性の可燃物には該当しない。なお、素材が易燃性の可燃物を用いているものであっても、防炎物品又は防炎製品の表示が付されているものにあっては、易燃性の可燃物には該当しないものとする。
ブースに積んだ書類は、易燃性の可燃物には当たりません。
一方、表面が合成皮革でクッション材が主にポリウレタンのソファは、自動消火装置では消火が難しい例として挙がっています。
ブースに置く家具を決めるときは、素材と防炎表示を確かめるとよいでしょう。

自動消火装置の点検結果まで、消防署に出すのですね。

はい、堺市では報告するよう指導すると書かれています。
次はスピーカーなどの規定が条件を借りる流れです。

スピーカーや排煙口や共同住宅の規定はどの条件を借りているのか

広いオフィスの天井の左側に丸いスピーカーがあり右側の遠い場所に置かれた閉じた作業ブースにオレンジ色に光る小さな警報機器が付いているイラスト
堺市の第13のⅡは、1の後に2から4が続きます。
2から4は、1の条件を番号で借りる書き方です。順にたどると次のようになります。
  1. 出発点は、Ⅱ1の(1)仮眠を伴わないブースと(2)仮眠を伴うブースの条件です
  2. Ⅱ2のスピーカーは、仮眠を伴わないブースなら1(1)のアとウだけを借ります。消火の性能のイは借りていません
  3. 仮眠を伴うブースなら、1(1)のアと、1(2)のイからオまでを借ります
  4. そのうえで、ブース内の音圧65デシベル以上か、警報音と光で知らせる機器かのどちらかを満たします
  5. Ⅱ3の排煙口と散水ヘッドは、1(1)か1(2)の条件を満たすブースをそのまま借ります
  6. Ⅱ4の特定共同住宅等は、感知器やヘッドは1を、音声警報装置は2を借ります
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅱ 2 柱書 放送設備の設置が義務付けられている防火対象物において、スピーカーから8m を超える場所に可動式ブース(カラオケボックスその他これに類する遊興の用に供することを目的とするものを除く。)を設けることにより、当該可動式ブース内にスピーカーの設置が必要と認められる場合であっても、次に掲げる要件を満たすものについては、政令第32 条の規定を適用し、これらの設置を要しないこととして、差し支えないこと。
8メートルという数字は、消防法施行規則のスピーカーの設置基準にも出てきます。
消防法施行規則 第二十五条の二第二項第三号ロ(ロ)ただし書 ただし、居室及び居室から地上に通じる主たる廊下その他の通路にあつては六平方メートル以下、その他の部分にあつては三十平方メートル以下の放送区域については、当該放送区域の各部分から隣接する他の放送区域に設置されたスピーカーまでの水平距離が八メートル以下となるように設けられているときは、スピーカーを設けないことができるものとする。
小さな放送区域は、隣のスピーカーまで8メートル以下なら、規則の上でもスピーカーを設けないことができます。
通知と堺市の基準が「8メートルを超える場所」のブースを取り上げているのは、このただし書で外せない範囲を扱うためと読めます。
堺市は、音圧の確かめ方にも注意書きを足しています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅱ 2(2)ア 当該可動式ブースの外に設置されたスピーカーによる放送について、当該可動式ブース内における音圧が65db 以上となることが確認できること。
なお、可動式ブース内における音圧が65db 以上とは、製品出荷前に工場等で実施した試験データではなく、当該可動式ブースを設置する現地で測定した結果であること(以下同じ。)。
65デシベルは、工場の出荷前の試験データではなく、設置する現地で測った結果で確かめます。
警報音と光で知らせる機器を使う場合も、堺市は起動の仕方と音楽などの扱いを書き足しています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅱ 2(2)イ(ア) なお書 その起動にあっては、省令第25 条の2 第2 項第3 号チに規定する放送設備の鳴動方式に合わせて起動するものであること。
また、当該可動式ブース内において暗騒音(BGM等の音響(ヘッドホン等から流れる音を含む。))を有する場合であっても、当該可動式ブース内の警報音以外の音の停止等を必ずしも必要とするものではないこと。
共同住宅については、堺市は国の通知にない(4)も置いています。
堺市「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅱ 4(4) 40 号省令が適用される以前に政令第32 条の適用を受けている共同住宅についても(3)と同様とすることができる。
40号省令は、特定共同住宅等の設備の代替を定めた総務省令です。
その前から第32条の特例を受けている共同住宅も、共用部分にブースを置いた場合は(3)と同じように扱えるとしています。

スピーカーの条件には、自動消火装置の条件が入っていないのですね。

はい、借りる番号が項目ごとに違います。
次は大阪市の書き方と比べます。

大阪市では可動式ブースの規定はどこに書かれているのか

閉じた作業ブースの中の天井と扉の外の天井に丸い煙警報器があり近くの受付カウンターの警報器とオレンジ色の点線で結ばれているイラスト
大阪市の運用基準には、可動式ブースだけの節はありません。
規定は、設備ごとの特例基準の3か所に分かれています。
大阪市の運用基準の場所設置しないことができるもの
第1章 第3節 閉鎖型スプリンクラー 第14 特例基準 15スプリンクラーヘッド
第2章 第6節 放送設備 第6 特例基準 1(3)スピーカー
第8章 第7節 特定共同住宅等 第8 特例基準 5・6共用部分などのブース内の共同住宅用スプリンクラー設備のヘッド、共同住宅用自動火災報知設備の感知器、住戸用自動火災報知設備の感知器、連結散水設備の散水ヘッド、音声警報装置など
大阪市の自動火災報知設備、排煙設備、連結散水設備の節には、一般の建物のブースを扱う項目が見当たりません。
スプリンクラーの特例15は、目視の条件に大阪市の書き足しがあります。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第1章 第3節 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備 第14 特例基準 15(1)カ 可動式ブース外部から当該可動式ブース内で発生した火災を目視できること。なお、「火災を目視できること」には、次のいずれかの措置が講じられているものを含む。
(ア) 可動式ブースの内部及び外部直近に煙を感知する連動型住宅用防災警報器(特定小規模施設用自動火災報知設備が設置されている防火対象物にあっては、当該設備の煙感知器を含む。)が有効に設置され、火災を感知した際に相互に連動させる等の方法により、可動式ブース内部で発生した火災及び可動式ブース外部直近で発生した火災をそれぞれ当該可動式ブース外部直近及び当該可動式ブース内部において早期に覚知できるよう措置されていること
(イ) 自動火災報知設備が設置されている防火対象物にあっては、可動式ブースの内部に当該設備の煙感知器が設置され、当該ブースの外部に火災を有効に報知することができること
大阪市は、目視の代わりに自動火災報知設備の煙感知器をブース内に置く方法を明記しています。
仮眠を伴うブースの(3)にも、65デシベル以上の警報音で同等以上とみなす注や、感知器でブースごとに火災の場所を見分ける注があります。
特定共同住宅等の節は、このスプリンクラーの特例15を借りています。
大阪市「消防用設備等の設置に係る運用基準」第8章 第7節 特定共同住宅等 第8 特例基準 5(2) 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備の基準(第14.15((1).カ.(イ)及び(3).イ(煙を感知する連動型住宅用防災警報器を自動火災報知設備の煙感知器とした場合に限る。)を除く。))に適合するものについては、共同住宅用スプリンクラー設備のスプリンクラーヘッド、共同住宅用自動火災報知設備の感知器、住戸用自動火災報知設備の感知器又は連結散水設備の散水ヘッド(以下「共同住宅用スプリンクラーヘッド等」という。)を当該ブース内に設置しないことができる。
  1. 出発点は、第1章 第3節 第14のスプリンクラーの特例15です
  2. 特定共同住宅等の5(2)は、その15に適合するブースなら、ブース内の共同住宅用スプリンクラーヘッド等を設置しないことができるとしています
  3. ただし、15のうち(1)カ(イ)と、(3)イを自動火災報知設備の煙感知器にした場合は除いて借ります
  4. つまり特定共同住宅等の共用部分のブースでは、自動火災報知設備の煙感知器で代える方法は使わず、15の残りの条件で判断します
音声警報装置を外す5(3)も、放送設備の特例1(3)を同じように一部を除いて借りています。

大阪市は設備ごとの特例に分けて書いているのですね。

はい、そのため読む節を設備ごとに探す必要があります。
最後に3市を表で比べます。

堺市と大阪市と東大阪市で可動式ブースの扱いは何が違うのか

左にオフィスの床の上に小さなブースを置いた青い模型と右に共同住宅の共用ロビーの床に小さなブースを置いたベージュの模型を並べたイラスト
3市の公開資料で確認できた違いを、表にまとめます。
項目堺市大阪市東大阪市
規定の置き場所第2章 第1節 第13の独立した節スプリンクラー、放送設備、特定共同住宅等の特例基準に分散公開6資料に記載なし
一般の建物のブース内の感知器Ⅱ1で設置しないことができる自動火災報知設備の節に項目なし(特例15はスプリンクラーヘッドのみ)公開6資料に記載なし
スピーカーを外せるブースの場所スピーカーから8メートルを超える場所特例1(3)の文面に8メートルの前置きなし公開6資料に記載なし
65デシベルの確かめ方設置する現地で測定した結果注記なし公開6資料に記載なし
自動消火装置の点検結果消防署長あて報告するよう指導記載なし公開6資料に記載なし
自動火災報知設備の煙感知器による代替記載なし目視の代わりなどに使えると明記(特定共同住宅等の共用部分では除く)公開6資料に記載なし
排煙口と散水ヘッドⅡ3で設置しないことができる一般の建物の節に項目なし(特定共同住宅等の散水ヘッドは5・6)公開6資料に記載なし
東大阪市が公開している運用基準は、消火器具、自動火災報知設備、避難器具、誘導灯、連結送水管、非常コンセントの6つです。
その中に、可動式ブースを取り上げた記載は見当たりませんでした。
大阪市で記載が見当たらない設備や東大阪市のブースは、国の通知を基に管轄の消防署と協議することになると考えられます。
国の通知の全体像は可動式ブースの通知を全国向けに解説した記事、自動消火装置は住宅用下方放出型自動消火装置の記事で取り上げています。

同じ大阪府内でも、書いてある場所や注意書きが違うのですね。

はい、市ごとに基準の書き方が違います。
ブースを置く前に、所轄の消防署で確かめましょう。

よくある質問

Q堺市で、仮眠ができる休憩用のブースも感知器を設置しないことができますか?
A堺市のⅡ1(2)では、仮眠を伴う可動式ブースにも条件が用意されています。ただし、宿泊を目的とするものや、喫煙その他の火気を使うものは対象外です。
Q床面積が6平方メートルを超えるブースはどうなりますか?
A堺市のⅡ1とⅡ2の条件は、どれも床面積6平方メートル以下が前提です。超える場合は、この取扱いでは省略できないため、所轄の消防署に相談してください。
Qブースの中で音楽を流していても、警報音と光の機器の条件を満たせますか?
A堺市のⅡ2(2)イ(ア)のなお書では、BGMなどの暗騒音がある場合でも、警報音以外の音の停止等を必ずしも必要としないとされています。
Q自動消火装置の点検結果は、どこへ出せばよいですか?
A堺市のⅡ1(1)イ(ア)cでは、消防法第17条の3の3に準じて消防署長あてに報告するよう指導するとされています。提出の方法は、管轄の消防署で確かめてください。

まとめ

✔堺市は、審査基準の第2章 第1節 第13で可動式ブースの取扱いを定めています
✔基になったのは、令和6年8月23日付け消防予第404号で改正された国の通知です
✔ブース内の感知器やスプリンクラーヘッドは、床面積6平方メートル以下などの条件を満たせば消防法施行令第32条の特例で設置しないことができます
✔スピーカー、排煙口と散水ヘッド、特定共同住宅等の規定は、1の条件を番号で借りています
✔堺市は、点検結果の報告の指導や65デシベルの現地測定など、国の通知にない注意書きを加えています
✔大阪市は設備ごとの特例基準に分けて書き、東大阪市の公開資料には記載が見当たりません
✔運用基準は改正されることがあるので、ブースを置く前に管轄の消防署・消防局で確かめましょう

ブースの床面積と家具の素材、点検の段取りを先に確かめます。
図面と製品資料も消防署に持っていきます!

先に整理しておけば、消防署との協議が早く進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第2章 第1節 第13 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱い Ⅰ 1・2、Ⅱ 1〜4、Ⅲ https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shokai/reiki/kijyun/index.html
  • 大阪市消防局「消防用設備等の設置に係る運用基準」第1章 第3節 第14 特例基準 15、第2章 第6節 第6 特例基準 1(3)、第8章 第7節 第8 特例基準 5・6 https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000350878.html
  • 東大阪市消防局 公開の運用基準(消火器具・自動火災報知設備・避難器具・誘導灯・連結送水管・非常コンセント) https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000041303.html
  • 消防庁予防課長通知「可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて(通知)」(令和5年3月30日付け消防予第211号)、「『可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて(通知)』の一部改正について」(令和6年8月23日付け消防予第404号) https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/240823_yobou_404.pdf
  • 消防法 第17条の3の3、消防法施行令 第5条第1項、第5条の2第1項、第32条、消防法施行規則 第25条の2第2項第3号

※本記事は公表されている法令および堺市・大阪市・東大阪市の公開資料、消防庁の通知に基づく一般的な解説です。運用基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。個々のブースや建物の扱いは、所轄の消防署にご確認ください。

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