消防機関へ通報する火災報知設備では、配線の不具合や機器の揺れまで火災として表示されると、正しい通報判断を妨げます。
消防法施行規則第25条は、火災通報装置以外の設備について、受信機が火災表示をしない条件を定めています。
対象となる現象は、断線・地絡、非信号回路の短絡、開閉器による変化、振動又は衝撃です。
火災信号と誤表示を分けて確認することが大切です。
配線が切れたり揺れたりしただけで、火災表示になることはないのでしょうか。
受信機が火災表示をしない条件を、設備の種別と条文で確認します。
火災通報装置と、ほかの消防機関へ通報する設備は分けて見るのですね。
はい。
まず第25条第4項の対象を図面と照合します。
- 対象は火災通報装置を除く消防機関へ通報する火災報知設備です。
- 配線は自動火災報知設備の例により設けます。
- 一線の断線又は地絡では火災表示にしません。
- 信号回路以外の二線の短絡も火災表示にしない条件です。
- 開閉器の変化や振動又は衝撃も、火災表示に結び付けないことが求められます。
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目次
どの設備で誤った火災表示を防ぐのか

この項の火災通報装置を除くという条件を外すと、電源・電話回線に関する第3項の話と混同します。
改修図面では、受信機、発信機、信号回路がこの第4項の設備に当たるかを確認します。
防火管理者は、消防用設備等の点検結果で設備名と不良内容を対応させ、所轄消防署への相談時に設備の種別を伝えます。
まず、設備名が火災通報装置なのかを点検票で確認します。
設備の種別を特定してから、該当する配線基準を確認します。
配線は何を基準に設けるのか

ここでいう参照先は、自動火災報知設備の配線です。
送り配線や回路の末端に関する要件と、回路方式の条件は別々に読みます。
工事前には、回路図と現地の端子・配線経路を照合し、消防用設備等として必要な確認を行います。
自火報の配線の例で見る、と図面にメモしておきます。
参照する条文まで含め、改修前に有資格者と確認します。
断線や短絡ではどこまで火災表示にしないのか

イは一線の断線又は地絡、ロは信号回路以外の二線の短絡です。
どちらも不具合の有無を見ないという意味ではなく、その事態を火災発生の表示に結び付けない条件です。
点検時は、どの線でどの状態が生じたかを記録し、火災表示との関係を点検基準に沿って確認します。
断線と短絡では、条文で見る場所が違うのですね。
はい。
発生した回路を分けて点検結果を読みます。
開閉器や振動で表示を出してはいけないのはなぜか

ここでの火災表示にしないという条件は、火災信号の信頼性を確保するための確認点です。
振動・衝撃を受ける改修工事や周辺工事の前後は、受信機の表示状態と復旧後の作動を確認します。
防火管理者は、工事日程と消防用設備等の停止・復旧の連絡を消防計画と照らして整理します。
工事で揺れた後は、火災表示ではないことも確認します。
表示の理由を火災と区別して、点検記録へ残します。
点検と改修で何を順番に確認するのか

配線と受信機の状態に加え、発信機の位置と標識も同じ第4項の確認事項です。
表示の異常や工事後の変更があれば、点検業者・工事業者と内容を共有し、消防用設備等の機能が保たれるよう確認します。
個別の設置・改修判断は、設備図書と所轄消防署の運用を確認して進めてください。
図面、現地、点検記録を同じ順番で確認します。
確認順を決めると、見落としを減らせます。
よくある質問
まとめ
火災と誤表示を分けて、点検記録を確認します。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。






