自動火災報知設備の配線を確認していると、接地はしているのに「接地電極へ常時直流を流す回路方式は使えない」と指摘されることがあります。
接地線があることと、接地電極を電流の経路に使うことは同じではありません。
消防法施行規則第24条は、自動火災報知設備について常時直流電流を流す回路方式を用いないことを定めています。
図面の回路構成と現地の配線を分けて照合し、接地と回路共用の条件を混同しないことが大切です。
接地線がつながっていれば、配線は問題ないと思っていました。
常時直流を流す回路方式とは何が違うのでしょうか。
接地そのものを禁じる規定ではありません。
接地電極へ常時直流を流す方式を使わない、という配線方式の条件です。
ほかの設備と配線を共用できる例外とは、同じ話ですか。
どこを分けて確認すればよいですか。
別の条件として読みます。
接地電極の回路方式と、信号伝達に影響しない配線共用の例外を切り分けましょう。
- 消防法施行規則第24条は、自動火災報知設備で接地電極に常時直流電流を流す回路方式を用いないことを定めています。
- これは接地を不要とする趣旨ではなく、回路方式についての禁止です。
- 感知器・発信機・中継器の回路を他設備と共用できるかは、火災信号の伝達への影響で別に判断します。
- 60V以下の弱電流回路に関する管・ダクト等の取扱いも、直流を流す回路方式の禁止とは別の規定です。
- 改修や点検では、配線図・端子・接地線を照合し、所轄消防署と有資格者に個別条件を確認します。
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目次
なぜ接地電極に常時直流を流す回路方式を使えないのか

消防法施行規則第24条第1号ハは、配線について用いない回路方式を掲げ、その一つを「接地電極に常時直流電流を流す回路方式」としています。
(イ)接地電極に常時直流電流を流す回路方式
この方式そのものを用いない、と定める形です。
したがって、設計図や改修図で確認する対象は、接地線の有無だけではありません。
接地電極が常時直流の経路になっていないかを、回路構成として確認します。
接地をしている設備なら、接地電極に電流が関わる場面もありますよね。
どの状態を確認すればよいですか。
接地の役割と常時直流の経路は区別します。
図面と端子接続を見て回路方式を確認してください。
どの配線が第24条の確認対象になるのか

同条は感知器の信号回路を送り配線にし、末端に発信機・押しボタン又は終端器を設ける原則も定めています。
これは送り配線の例外であり、同号ハの常時直流を流す方式の禁止を外すものではありません。
同じ条文の中でも、どの号の条件かを分けて読む必要があります。
設備の型式、回路監視の仕様、既設部分との接続条件は設計図書と機器仕様で確かめます。
断線を自動で知らせる受信機なら、送り配線でなくてもよいのですね。
常時直流の扱いも変わりますか。
変わりません。
送り配線のただし書と、接地電極へ常時直流を流さない条件は別です。
他設備との回路共用はどこまで別に判断するのか

ただし、火災信号の伝達に影響を及ぼさないものは例外として書かれています。
共用の可否と接地電極に流す常時直流の禁止は、別々に満たす条件です。
改修では「共用しているから接地の条件も満たす」と短絡せず、信号伝達と回路経路をそれぞれ追います。
火災信号に影響しないなら、他設備と同じ配線でもよい場合があるのですね。
接地の条件まで省けるわけではないのですね。
そのとおりです。
共用の例外と接地電極の禁止を同じ例外として扱わないでください。
60V以下の弱電流回路と混同しやすい点は何か

一方で、60V以下の弱電流回路に使用する電線には、同号ニのただし書があります。
接地電極に常時直流を流す回路方式を認めるただし書ではありません。
条文の後半だけを読んで、別の号の条件まで外れたと判断しないことが重要です。
60V以下なら、配線に関する条件は全部緩くなると思っていました。
どの範囲だけのただし書ですか。
管やダクト等に収める電線の取扱いです。
第24条第1号ニのただし書として読みます。
改修前後にどんな順番で確認すればよいか

次に、接地線と接地電極の接続、直流電源の経路、他設備との共用箇所を現地で照合します。
消防設備士・電気工事士等の有資格者と所轄消防署に、図面を示して確認する順番が安全です。
記録には、確認した図面、対象回路、改修箇所、所轄への相談内容を残しておくと次回点検にもつながります。
図面と現地が違って見えたら、まず何を残せばよいですか。
次の点検でも判断できるようにしたいです。
対象回路と確認した資料を残しましょう。
個別の適否は、所轄消防署と有資格者に確認してください。
よくある質問
まとめ
改修前は、回路図と現地の配線を照合してから相談します!
自動火災報知設備の改修や点検で迷うときは、図面をご用意ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
監修:㈱防災屋
参考・出典
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。個別の設備構成や所轄消防署の運用により判断が異なる場合があります。改修・点検は所轄消防署と有資格者にご確認ください。






