建物の1階部分などに給油設備を設ける屋内給油取扱所では「他の部分で火災が起きたことを給油取扱所側にも知らせる必要があるのか」「逆に給油取扱所の火災を他の部分にも知らせる必要があるのか」「受信機は共用してもよいのか」といった疑問が実務でよく出てきます。
この記事では、屋内給油取扱所の自動火災報知設備について、報知の方向性と受信機の兼用可否を、実際の質疑応答をもとに解説します。
屋内給油取扱所の自動火災報知設備は、建物の他の部分とお互いに知らせ合う必要があるのでしょうか。
必要なのは給油取扱所で発生した火災を他の部分に報知する側だけです。
逆方向は必要ありません。
受信機は給油取扱所専用に別で用意しなければならないのでしょうか。
いえ、他の部分の受信機と兼用してさしつかえありません。
給油取扱所側にのみ設けて兼用することも差しつかえないとされています。
この記事でまとめて解説します!
- 屋内給油取扱所で発生した火災を他の部分に報知する設備は自動火災報知設備を指すと解してよい
- 逆に他の部分で発生した火災を屋内給油取扱所側に報知する設備は必要ない(一方向でよい)
- 受信機は、屋内給油取扱所の用に供する部分以外の受信機と兼用してさしつかえない
- 受信機を屋内給油取扱所側にのみ設けて他の部分と兼用することも差しつかえない
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目次
屋内給油取扱所の火災を他の部分に報知する設備とは、自動火災報知設備を指す
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危険物の規制に関する規則第25条の7は、屋内給油取扱所で発生した火災を、建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分以外の部分に自動的に、かつ有効に報知できる自動火災報知設備その他の設備を設けることを求めています。
この「自動火災報知設備その他の設備」とは、一般的には自動火災報知設備をいうものと解してよいか、という照会がありました。
給油取扱所の火災を知らせる設備は、自動火災報知設備を指すのですね。
一般的にはそう解されています。
いまの設備がその機能を持っているか、点検票で確かめてください。
他の部分の火災を屋内給油取扱所に報知する設備は必要ない
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ここで注意したいのが、報知の「方向」です。
危険物の規制に関する政令第17条第2項第1号に規定する「自治省令で定める設備」は、建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分以外の部分で発生した火災を、屋内給油取扱所の部分に報知できるものでなければならないか、という照会もありました。
- 屋内給油取扱所以外の部分で発生した火災を、屋内給油取扱所側に報知する機能は必要ない
- つまり、法令が求めているのは「給油取扱所→他の部分」への一方向の報知であり、その逆方向は義務ではない
逆向きの報知は求められていないのですね。
危険物施設側から建物側へ知らせることが目的だからです。
更新の見積りを取るときは、この点を条件に入れておきましょう。
受信機は屋内給油取扱所以外の部分と兼用できる
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自動火災報知設備の受信機についても、実務上の疑問が示されています。屋内給油取扱所以外の部分に自動火災報知設備が設置されていない場合の設置方法や、受信機の共用可否について照会がありました。
| 照会内容 | 回答 |
|---|---|
| 屋内給油取扱所の受信機を、建築物の屋内給油取扱所以外の部分の受信機と兼用し、屋内給油取扱所側には受信機を設けないこととしてよいか | 差しつかえない |
| 逆に、受信機を屋内給油取扱所以外の部分に設けず、屋内給油取扱所側に設けて兼用する場合はどうか | 危険物の規制に関する政令第17条第2項及び第21条の規定上、差しつかえない |
受信機は他の部分と兼用できるのですね。
兼用して差しつかえありません。
警報が鳴ったとき誰がどこで気づくかを、運用として決めておいてください。
よくある質問
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まとめ
- 屋内給油取扱所の火災を他の部分に報知する設備は、一般的な自動火災報知設備でよい
- 他の部分の火災を屋内給油取扱所に報知する機能は法令上必要ない(一方向でよい)
- 受信機は屋内給油取扱所側・他の部分側のどちらに設置して兼用してもさしつかえない
- 建物の管理体制やスペースに応じて、受信機の設置場所を合理的に決められる
一方向だけで済むなら、費用もだいぶ変わりますね。
すっきりしました。
そのとおりです。
危険物施設側から建物側へ知らせるという目的から整理されています。
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第17条第2項第1号・第21条 e-Gov法令検索
- 危険物の規制に関する規則第25条の7・第38条第2項 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)屋内給油取扱所の自動火災報知設備に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設備計画については所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




