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屋内給油取扱所の避難口は何か所必要?防火塀の防火戸は避難口として認められる?を解説

屋内給油取扱所を計画する際、「避難口はどこにどれだけ必要なのか」「防火塀に設けた防火戸は避難口として使えるのか」といった、避難動線に関わる疑問が出てきます。
また、規則が定める「事務所等」という言葉の範囲や、シャッターで区画された整備室の扱いも、条文だけでは判断が難しい部分です。
この記事では、これらの論点を実際の質疑応答をもとに解説します。

敷地の防火塀に扉つけたから、それを避難口ってことにしていいですよね?

残念ながら、防火塀に設けた防火戸は避難口とは解されないんです。
作業場から10メートル以内に別途設ける必要がありますよ。

じゃあ避難口ってたくさん作ればいいんですかね?

設置数に上限はないですが、延焼防止の観点から必要最小限度にとどめるのがポイントです。

この記事の結論
  • 避難口は、給油又は灯油の詰替えのための作業場の用途に供する部分の各部分から10メートル以内に設ける必要がある
  • 防火塀に設けた自動閉鎖式の甲種防火戸は避難口とは解されない
  • 避難口の設置数に上限はないが、延焼防止等の観点から必要最小限度とする必要がある
  • 「事務所等」とは、規則第25条の4第1項第1号の2から第4号までの用途に供する部分を指す
  • シャッターで区画された整備室は、1面・2面いずれの区画でも「建築物の第25条の4第1項第3号の用途に供する部分で床又は壁で区画されたもの」に該当する

避難口と事務所等の区画の図解

避難口は作業場の各部分から10メートル以内に設ける必要がある

避難口の距離基準アイコン

屋内給油取扱所の避難口の設置基準について、防火塀に避難口を設けることで要件を満たせるか、という照会がありました。

危険物の規制に関する規則第25条の9第1号の規定により、避難口は、給油又は灯油の詰替えのための作業場の用途に供する部分の各部分から10メートル以内になければならないとされています。この照会では「防火塀に避難口(自動閉鎖式の甲種防火戸)を設けることで、当該要件が満たされたと言えるか」が問われましたが、防火塀に設けた自動閉鎖式の甲種防火戸は避難口とは解されません。10メートル以内の距離を必要とするのは、規則第25条の9第1号イ又はロのいずれかの場所までであり、防火塀という敷地境界の構造物は、この条文が想定する避難口には当たらないという整理です。

避難口の設置数に上限はないが必要最小限度にする

避難口の設置数アイコン

避難口の設置数について、1か所に限定されるのかという照会もありました。

照会内容回答
規則第25条の9第1号イに規定する避難口の設置数は1か所に限定されるか1か所に限定されるものではない
複数設置する場合の考え方延焼防止等の観点から、必要最小限度にする必要がある
避難口は「多ければ多いほどよい」というものではありません。避難口は壁面の開口部でもあるため、数を増やせば延焼防止上の弱点も増えることになります。設置数の下限は「10メートル以内」という距離基準から実質的に決まりますが、上限については法令上の明記はなく、防火安全上の観点から必要最小限度に抑えることが求められます。

事務所等とは規則第25条の4第1項第1号の2から第4号までの用途部分を指す

事務所等の定義アイコン

規則第25条の9第1号イに規定する「事務所等」とは、どういう用途の部分をいうのか、という照会がありました。

  • 「事務所等」とは、規則第25条の4第1項第1号の2から第4号までの用途に供する部分をいう
  • 給油取扱所の事務所、点検・整備を行う作業場、給油等のために出入りする者を対象とした店舗・飲食店・展示場等が、この範囲に含まれる
「事務所等」という言葉は日常用語としても使われますが、法令上は規則第25条の4第1項に列挙された用途区分のうち、第1号の2から第4号までに該当する部分を指す、という明確な範囲があります。避難口や消火設備の設置基準を検討する際は、この条文上の定義に基づいて対象範囲を確認する必要があります。

シャッターで区画された整備室も事務所等に含まれる

シャッター区画整備室アイコン

規則第25条の9第4号に規定する「建築物の第25条の4第1項第3号の用途に供する部分で床又は壁で区画されたもの」には、1面がシャッターで区画された整備室も該当するのか、2面がシャッターで区画されている場合はどうか、という照会がありました。

この照会に対しては、いずれも該当すると回答されています。1面のみシャッターで区画された整備室はもちろん、2面がシャッターで区画されている場合であっても、「床又は壁で区画されたもの」という要件を満たすものとして扱われます。シャッターは開閉可能な建具ではありますが、区画としての機能を有していれば、固定壁と同様に扱われるという整理です。

よくある質問

よくある質問アイコン

Q. 防火塀に設けた防火戸を避難口として扱うことはできませんか?
できません。防火塀に設けた自動閉鎖式の甲種防火戸は避難口とは解されないため、規則第25条の9第1号に規定する避難口として別途、作業場の各部分から10メートル以内の位置に設ける必要があります。
Q. 避難口は何か所まで設置できますか?
設置数の上限は法令上定められていません。ただし避難口は延焼防止上の弱点にもなり得るため、必要最小限度の数にとどめることが求められます。
Q. シャッターで区画された整備室は事務所等に該当しますか?
該当します。1面のみシャッターで区画されている場合でも、2面がシャッターで区画されている場合でも、規則第25条の9第4号に規定する区画部分として扱われます。

まとめ

  • 避難口は作業場の各部分から10メートル以内に設ける必要があり、防火塀の防火戸は避難口として認められない
  • 避難口の設置数に上限はないが、延焼防止の観点から必要最小限度とする
  • 事務所等とは規則第25条の4第1項第1号の2から第4号までの用途に供する部分を指す
  • シャッターで区画された整備室も、1面・2面いずれの区画でも事務所等の区画部分に該当する

事務所等の範囲もいまいち分かってなかったです…

規則第25条の4第1項第1号の2から第4号までの用途に供する部分を指します。
シャッター区画の整備室も含まれますよ。

参考・出典

  • 危険物の規制に関する規則第25条の9 e-Gov法令検索
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)屋内給油取扱所の避難口・事務所等の定義に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。

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