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給油取扱所のポンプ室ピット・油庫の空地・はりの耐火構造はどう判断する?政令の特例適用を解説

給油取扱所のポンプ室のピット構造、油庫の空地の奥行き、屋根のない貸駐車場の開口部措置、はりの耐火構造適合性など、政令の基準そのままでは判断しづらい「特例を適用してよいか」という論点がいくつもあります。この記事では、実際の質疑応答をもとに、これらの特例適用の考え方を解説します。

整備室にピットを作りたいんですけど、どんな形でも大丈夫ですか?

漏えいした危険物がすべてピットに流入する構造でないと認められません。ピットの外に漏れが広がる形はNGです。

屋上の貸駐車場、屋根がないから開口部の対策なんていらないですよね?

駐車する車両の高さ以上の壁を設ければ、開口部の措置を講じない特例が使えますよ。壁は必要です。

この記事の結論
  • ポンプ室等(整備室)のピットは、漏えいした危険物がすべてピットに流入する構造の場合のみ認められる
  • 屋根のない貸駐車場は、駐車車両の高さ以上の壁を設ければ開口部の措置を講じないことができる
  • 油庫の出入口が自動閉鎖のものであれば、空地の奥行きに危険物の規制に関する政令第23条を適用できる
  • 建設省告示に適合しているはりは、耐火構造として認められる

ピット・貸駐車場・油庫・耐火はりの図解

ポンプ室のピットは漏えいがすべて流入する構造でなければ認められない

ポンプ室ピットアイコン

給油取扱所のポンプ室等(整備室)にピットがある場合の取り扱いについて、照会がありました。

構造判定
ポンプ室等で漏えいした危険物がすべてピットに流入する構造認められる
ピット外で漏えいした危険物がピット内に流入する構造となっていないもの認められない
ピットがあること自体が問題なのではなく、漏えいした危険物を確実にピットへ導けるかどうかが判断のポイントです。ピットの縁の外側に危険物が流出してしまう構造では、危険物の規制に関する規則第25条の10の趣旨(漏えい局限化)を満たさないため認められません。

屋根のない貸駐車場は車両高さ以上の壁で開口部措置の特例を適用できる

屋根なし貸駐車場アイコン

屋内給油取扱所の上階に屋根のない貸駐車場を設ける場合の、開口部の措置についても照会がありました。

建築物の危険物の規制に関する規則第25条の4第1項第1号の用途に供する部分の開口部の上部に、駐車する車両の高さ以上の高さの壁を設けることにより、規則第25条の10第4号の規定について基準の特例を適用し、同号の措置を講じないこととして差しつかえないとされています。壁で車両からの延焼リスクを遮断できるのであれば、条文が本来求める開口部の個別の措置までは要求されない、という整理です。

油庫の空地は自動閉鎖の出入口があれば政令第23条を適用できる

油庫の空地アイコン

危険物の規制に関する規則第25条の4第1項第1号の用途である油庫の位置と、空地の奥行きの規定についても照会がありました。

油庫の空地に面する側の壁に設ける出入口が、随時開けることができる自動閉鎖のものであるときは、空地について規則第25条の8第2号の奥行きに係る規定に危険物の規制に関する政令第23条を適用して差しつかえないとされています。図の例では空地の奥行きが6メートル以上確保されていますが、出入口が自動閉鎖式であれば、通常の奥行き規定をそのまま当てはめずに特例を適用できるという整理です。

建設省告示に適合しているはりは耐火構造と認められる

はりの耐火構造アイコン

屋内給油取扱所の用に供する部分の構造基準についても、具体的な照会がありました。

危険物の規制に関する政令第17条第2項第5号において、建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分は壁・柱・床・はり及び屋根を耐火構造とすることとされていますが、昭和39年建設省告示第1675号第3の5のハに適合しているはりは、耐火構造と認められます。耐火構造の判定にあたっては、告示が定める仕様に適合しているかどうかを個別に確認すればよい、という整理です。

よくある質問

よくある質問アイコン

Q. ポンプ室のピットはどんな形でも認められますか?
認められません。漏えいした危険物がすべてピットに流入する構造であることが条件です。ピット外に漏れが広がる可能性がある構造は認められません。
Q. 屋根のない貸駐車場には開口部の措置が一切不要ですか?
完全に不要になるわけではありません。駐車する車両の高さ以上の壁を設けることで、規則第25条の10第4号に規定する措置を講じないこととする特例が適用できる、という関係です。
Q. はりの耐火構造はどのように確認すればよいですか?
昭和39年建設省告示第1675号第3の5のハに適合しているかどうかで判断します。適合していれば耐火構造として認められます。

まとめ

  • ポンプ室等のピットは漏えいがすべてピットに流入する構造の場合のみ認められる
  • 屋根のない貸駐車場は車両高さ以上の壁で開口部措置の特例を適用できる
  • 油庫の出入口が自動閉鎖のものであれば空地の奥行きに政令第23条を適用できる
  • 建設省告示に適合しているはりは耐火構造と認められる

油庫の空地も普通の奥行き基準がそのまま適用されるんですよね…

出入口が自動閉鎖式なら、危険物の規制に関する政令第23条を適用して緩和できますよ。

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第17条、第23条 危険物の規制に関する規則第25条の4、第25条の8、第25条の10 e-Gov法令検索
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所のポンプ室ピット・油庫の空地・はりの耐火構造に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。

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