地震のあと、火災ベルが鳴り続けている。煙や炎は見えないので、とりあえず止めてもよいのでしょうか。
受信機の音が大きいほど、現場では操作を急ぎたくなります。
結論は、受信機の地区表示と警戒区域を確認し、現場で火災がないと確かめるまで警報を止めないことです。
音響停止後も原因の除去・受信機の復旧・連動設備の確認まで行い、次の火災を検知できる状態へ戻します。
煙が見えなければ止めてもええですか?
現場確認が済むまで止めません。
止めたあとは何を戻すんですか?
音響停止の解除と受信機の復旧まで確認します。
- ベルが鳴ったら、受信機の地区表示と警戒区域図で確認場所を特定します。
- 担当者を現場へ向かわせ、火災がないと確認できるまで音響を止めません。
- 火災なら安全を確保して119番通報・避難誘導・初期消火へ移ります。
- 非火災と確認した場合だけ、音響停止、原因除去、受信機復旧の順に進めます。
- 復旧後は音響停止を解除し、再鳴動と放送・排煙・消防ポンプなどの連動状態を確認します。
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目次
地震後に火災ベルをすぐ止めてよいのか

火災表示灯、地区表示灯、液晶表示などから作動した警戒区域を読み取り、警戒区域図と照合します。
地震の直後は、停電復旧、粉じん、感知器の損傷などが重なりますが、鳴動原因を見ないまま非火災報とは決められません。
受信機を担当する人と現場へ行く人を分け、無線や電話で結果を返すまで警報状態を維持します。
火災が疑われる場合は無理に近づかず119番通報し、消防計画に沿って避難誘導へ移ります。
地震やから誤作動やと思ってしまいます。
原因より先に火災の有無を確かめましょう。
どの表示と警戒区域を確認するのか

地区表示は必ずしも部屋名そのものではありません。表示番号と警戒区域図を照らし、階、区画、感知器や発信機の位置を絞ります。
地震後は複数の表示が出ることもあるため、最初の作動区画と後から増えた表示を時刻とともに記録します。
表示を消す前に写真を撮ると、点検業者への説明やBCPの事後検証に役立ちます。
警戒区域図、受信機の取扱説明書、管理室から各区画への鍵を受信機の近くにそろえておきます。
- 火災表示灯と地区表示灯が点灯しているか
- 発信機、断線、障害など別の表示が出ていないか
- 警戒区域図のどの階・区画に当たるか
- 現場へ入る鍵と連絡手段を持ったか
- 表示内容と確認開始時刻を記録したか
表示番号だけで部屋まで分かりますか?
警戒区域図とセットで確認します。
現場確認から音響停止と復旧までどう進めるのか

現場確認担当は煙、熱、焦げ臭、炎、作動した感知器、押された発信機を確認し、危険を感じたら退避します。
火災がないと現場から報告を受けた後に限り、主音響や地区音響を停止します。
音を止めただけでは、受信機は火災信号を受けた状態のままです。感知器の煙や蒸気、発信機の押下、機器の損傷など原因を取り除いてから復旧操作をします。
復旧後は、火災表示と地区表示が消えたこと、停止スイッチを通常位置へ戻したことを確認します。
さらに、再び信号が入ったときに音響が鳴る状態か、放送設備、排煙設備、消防ポンプ、防火戸など連動した設備が通常状態へ戻ったかを確認します。
| 段階 | 実施すること | 止める判断 |
|---|---|---|
| 受信直後 | 表示と警戒区域を確認する | 音響を止めない |
| 現場確認中 | 火災の有無を連絡する | 音響を止めない |
| 火災なし確認後 | 音響停止、原因除去、復旧を行う | 必要な音響だけ停止する |
| 復旧後 | 停止解除と再鳴動・連動状態を確認する | 通常監視へ戻す |
音を止めたら復旧したことになりますか?
音響停止と受信機復旧は別です。
非火災報と決めつけてはいけないのはなぜか

しかし、現場確認前の停止は、在館者が火災を知る手段を失わせるおそれがあります。
一度復旧しても再び鳴る場合は、未除去の煙、機器や配線の異常、別区画の信号が考えられます。
再鳴動したら「また誤報」と扱わず、もう一度表示確認と現場確認へ戻ります。
原因を特定できない、断線・障害表示が残る、連動設備が戻らない場合は監視体制や使用区画を制限し、消防設備業者へ連絡します。
また鳴ったら同じ原因ですよね?
再鳴動は新しい警報として確認します。
明日から受信機操作と役割分担をどう確認するのか

操作は機種ごとに異なるため、取扱説明書と保守業者の説明に沿い、勝手な手順を作らないことが大切です。
訓練では、受信機担当、現場確認担当、119番通報担当、避難誘導担当を分けて動かします。
夜間や休日に少人数となる施設は、誰が兼務し、誰へ応援を求めるかまで決めます。
点検記録には、鳴動時刻、表示区画、現場確認結果、停止時刻、原因、復旧時刻、連動設備の状態を残します。
受信機や連動設備に異常が残る場合は、巡回監視・火気制限・区画使用停止などを検討し、消防設備業者や所轄消防署へ相談します。
- 受信機表示と警戒区域図の対応を確認する
- 現場確認に必要な鍵、無線、ライトを用意する
- 音響停止と受信機復旧の違いを担当者へ教える
- 放送、排煙、消防ポンプ、防火戸の連動範囲を一覧にする
- 夜間・休日を含む正副の担当者を決める
- 鳴動から復旧までの記録様式を作る
- 訓練結果を消防計画とBCPへ反映する
消防訓練を「ベルが鳴ったら避難する」だけで終わらせず、受信機の表示確認から現場確認、復旧、業務再開判断までBCP側へ受け渡す訓練にします。
訓練はベルを止める所までですか?
復旧と業務再開判断まで動かしましょう。
よくある質問
まとめ
現場確認から復旧まで訓練します!
止める前の確認と止めた後の復旧が要点です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- e-Gov法令検索 消防法施行規則
- 消防庁 消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- 消防庁 地区音響装置の基準
- 消防庁 小規模施設における自動火災報知設備の取扱い資料
- 東京消防庁 自動火災報知設備が鳴ったら
- 東京消防庁 自衛消防活動の基本的な流れ
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および消防庁、東京消防庁、内閣府の資料に基づく一般的な解説です。受信機の機種、警戒区域、音響方式、連動設備、建物用途、地震被害によって必要な操作と業務継続判断は異なります。個別の操作、点検、復旧、使用制限は、取扱説明書を確認し、建物所有者、防火管理者、消防設備士、消防設備業者、所轄消防署へご相談ください。





