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BCPで停電時に携帯発電機へ運転中に給油してよいのか|引火を防ぐ停止手順を解説

停止した携帯発電機へ安全に給油する施設担当者の現場写真を使ったアイキャッチ

停電が長引き、携帯発電機の燃料が残り少なくなったとき、電源を落とさず運転したまま給油してよいのでしょうか。
照明、通信機器、冷蔵設備などを止めたくない現場ほど、給油を急ぎたくなります。
しかし、運転中の発電機には高温部と着火源があり、ガソリン蒸気は小さな火花でも引火するおそれがあります。
携帯発電機へ運転中に給油してはいけません
BCPには負荷の受け渡しから停止、冷却、給油、点検、再始動までを一続きの手順として定めます。

停電中やし、動かしたまま足したら早いんちゃうの?

運転中給油はしません

止めたら大事な機器も落ちませんか?

せやから先に代替電源と停止時間を決めます。

この記事の結論
  • 携帯発電機へ運転中に給油しません
  • 重要負荷を移してから発電機を停止します
  • 取扱説明書に従い高温部が冷えるまで待ちます
  • 火気のない場所で適合する容器から給油します
  • 漏れとこぼれを確認し責任者の承認後に再始動します

停電時に負荷を移して携帯発電機を停止冷却し給油後に再始動する流れのアイソメ図

停電時に携帯発電機へ運転中に給油してよいのか

運転中の携帯発電機への給油を止める施設担当者のアイソメ図
結論からいうと、停電対応中でも携帯発電機を運転したまま給油しません。
一度電源を止め、メーカーの取扱説明書に従って高温部が冷えるのを待ってから給油します。
東京都の火災事例には、発動発電機へ給油中、こぼれたガソリンが気化し、近くのカセットこんろの火へ引火した事例があります。ガソリン蒸気は目に見えず、離れた火源まで流れて着火することがあります。
「停電を続けないため」でも運転中給油は認めないのが出発点です。
消費者庁は、ガソリンやカセットガスは引火しやすく、火気や高温に注意するよう求めています。
運転中はエンジン本体やマフラーが高温になり、発電機自体にも点火系統があります。
給油口からこぼれた燃料や発生した蒸気がこれらへ触れれば、火災につながるおそれがあります。
たばこ、ライター、カセットこんろ、車両、電気機器のスイッチなど周辺の着火源も排除します。
非常時こそ、燃料残量が少なくなる時刻を予測し、給油のために安全に止められる運用へ変えます。
停止できない重要負荷は、蓄電池、別系統の発電機、業務の一時停止など代替方法を先に決定します。
火災や燃料の大量流出が起きた場合は無理に対処せず、人を退避させて119番通報します。

止める時間まで運転計画に入れるんですね。

はい。
給油停止も事業継続の工程です。

どの発電機と燃料と給油場所を対象に確認するのか

発電機台帳と取扱説明書と燃料容器を確認する施設担当者のアイソメ図
対象はガソリン式だけではありません。軽油式、混合燃料式、カセットボンベ式など、施設で保有する携帯発電機を型式ごとに確認します。
燃料と給油方法、停止後の待ち時間、使用できる容器、保管条件は製品ごとに異なるため、取扱説明書を基準にします。
  • メーカー名、型式、定格出力、燃料の種類
  • 接続する重要負荷と停止できる時間
  • 一回の給油量と連続運転時間の目安
  • 停止、冷却、給油、再始動の取扱説明書
  • 燃料容器、保管場所、給油場所、消火器の位置
発電機本体と燃料容器を同じ台帳で管理します
ガソリンを運搬する場合は、消防法令に適合するガソリン携行缶を使用し、ポリタンクへ入れません。
携行缶は直射日光や高温になる場所を避け、必要以上の量を保管しないようにします。
給油場所は屋外の風通しがよい場所を基本とし、出入口、避難経路、喫煙所、厨房、車路、排水溝の近くを避けます。
災害で予定場所が使えない場合に備え、代替場所も決めておきます。
また、指定数量未満の危険物の貯蔵や取扱いには市町村条例が適用されるため、所轄消防署へ事前確認します。
テナントが持ち込む発電機も含め、誰が何を保有しているかを建物管理者が把握し、無断の燃料持込みを防止します。

発電機だけ見ても足りないんですね。

燃料と場所と負荷まで一組で見ます。

停止から給油と再始動まで何を決めるのか

重要負荷を代替電源へ移して停止した携帯発電機へ給油する手順のアイソメ図
給油手順は「エンジンを止める」の一行だけでは機能しません。
誰が負荷を移し、誰が停止し、どこでどの容器から給油し、誰が再始動を認めるかまで決めます。
  1. 燃料残量と次回給油時刻を記録する
  2. 停止を施設内へ連絡し重要負荷を代替手段へ移す
  3. 負荷を外し取扱説明書どおりに発電機を停止する
  4. 高温部が冷えるまで立入を管理して待つ
  5. 火気を排除し適合する容器から決めた量を給油する
  6. キャップ、漏れ、こぼれ、周囲の可燃物を確認する
  7. 責任者の承認後に再始動し負荷を段階的に戻す
停止前に重要負荷を安全側へ移すことで、現場の焦りを減らせます。
医療機器、通信、防災センター、冷蔵品などは、瞬断の可否や代替時間を設備管理者と利用部門で確認します。
発電機の負荷を急に切り替えると機器側へ影響する場合があるため、接続順序も取扱説明書と電気設備担当者へ確認します。
給油中は一人で作業せず、周囲監視と連絡を担当する補助者を置く運用が有効です。
燃料がこぼれた場合は再始動せず、製品の取扱説明書と施設の危険物対応手順に従います。
作業後は給油量、時刻、担当者、異常の有無、次回見込みを運転記録へ残します
再始動できない場合の連絡先と代替策も手順書へ入れ、復旧不能を想定しておきます。
給油直後の再始動は、漏れやこぼれがなく、給油場所から携行缶を離したことを確認してから責任者が承認します。

給油係だけ決めてもアカンのですね。

負荷移行から再始動承認まで決めます。

火を止めてもすぐ給油してよいと思いやすいのはなぜか

停止後も熱い携帯発電機から離れて冷却を待つ施設担当者のアイソメ図
エンジン音が止まると、危険も同時になくなったように感じます。
しかし、停止直後のエンジンやマフラーは高温のままであり、給油口周辺へ燃料がこぼれると危険です。
消費者庁は、使用中の発電機のエンジン本体、マフラー、排気は非常に高温になると注意喚起しています。給油前にどれだけ待つかは一律に決めず、使用する機種の取扱説明書で確認します。
停止したことと安全に給油できることは同じではありません
燃料切れで自然停止した場合も、直ちに携行缶を開けず、機器の状態と周囲の火気を確認します。
強風時はガソリン蒸気やこぼれの広がりを予測しにくく、雨天時は濡れた足元や電気接続も問題になります。
安全な給油条件を確保できない場合は、給油を延期して代替電源へ切り替えます。
携行缶の内圧が高いと燃料が噴き出すおそれがあるため、高温場所に置かず、メーカーの手順に従って扱います。
発電機のそばへ燃料容器を置き続けたり、予備燃料をまとめて運び込んだりしません。
周囲の人が喫煙や調理を始めないよう、給油作業中だけでなく冷却待ちから立入管理します。
給油担当者が交代しても同じ判断になるよう、禁止事項と中止条件を現場票へ明記します。
不明点があれば現場判断で進めず、メーカー、保守業者、建物管理者、所轄消防署へ事前に相談します。

音が止まっても、まだ熱いんですね。

説明書どおり冷却してからです。

明日から携帯発電機の給油手順をどう確認するのか

携帯発電機の停止給油再始動を現場で訓練する施設担当者のアイソメ図
最初に、保有する携帯発電機、燃料、接続負荷、説明書を現物と突き合わせます。
次に、燃料残量が少なくなった想定で、負荷移行から再始動承認までを実際の担当者で確認します。
消防法第8条に基づく消防計画には、火災予防、通報、初期消火、避難など防火管理上必要な事項を定めます。BCPでは、給油のために電源を止める時間、重要負荷の代替、燃料調達、再始動できない場合の業務継続を具体化し、消防計画の火災予防と整合させます。
実機を動かさなくても手順と役割は訓練できます
  1. 型式ごとの取扱説明書と燃料表示を確認する
  2. 連続運転時間と給油予定時刻を運転表へ書く
  3. 重要負荷の優先順位と代替電源を決める
  4. 停止、冷却、給油、点検、再始動の責任者を決める
  5. 給油場所、立入禁止範囲、火気排除を現場で確認する
  6. 燃料こぼれや再始動不能時の連絡先をまとめる
  7. 訓練結果を消防計画とBCPへ反映する
警備員、テナント、夜間勤務者が第一発見者になる場合も、運転中給油を止められるよう周知します。
訓練では「重要負荷を止められない」「携行缶が高温になっている」「予定場所が使えない」などの条件を加えます。
判断に迷った点はその場で推測せず、説明書、メーカー、保守業者、所轄消防署へ確認します。
内閣府の事業継続ガイドラインは、訓練で見つかった弱点や課題を点検し、是正と改善につなげる考え方を示しています。
給油後は負荷を一度に戻さず、定格出力、接続順序、機器の状態を確認しながら段階的に復旧します。
燃料残量、運転時間、給油量、異常の有無を次の担当者へ渡し、交代時の抜けを防止します。
訓練の結果、停止時間を確保できない場合は、蓄電池の追加や発電機の複数化など代替戦略を見直します

停止時間も測ってみます。

ええですね。
止めても続けられるBCPにします。

よくある質問

Q停電中なら携帯発電機へ運転中に給油してもよいですか?
A給油しません。重要負荷を代替手段へ移し、発電機を停止して、取扱説明書どおりに冷却してから給油します。
Q停止後は何分待てば給油できますか?
A一律の時間では決めません。機種ごとの取扱説明書を確認し、エンジンやマフラーなどの高温部が冷えてから作業します。
Qガソリンをポリタンクで運べますか?
A運べません。消防法令に適合するガソリン携行缶を使い、高温や直射日光を避けて扱います。
Q消防計画とBCPにはどう分けて書きますか?
A消防計画には火災予防、通報、初期消火、避難を、BCPには停止時間中の代替、燃料調達、復旧順位、再始動不能時の対応を整理し、両者の担当と連絡先を整合させます。

まとめ

携帯発電機へ運転中に給油しません。
重要負荷を代替へ移して安全に停止します
取扱説明書に従い高温部が冷えるまで待ちます。
火気を排除し適合する燃料容器を使います。
漏れとこぼれを確認し承認後に再始動します。
給油量と時刻と異常を運転記録へ残します
給油停止を消防計画とBCPの訓練へ組み込みます。

まずは説明書と接続負荷を確認します!

止めて冷やしてから給油する手順を訓練しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および行政機関等の資料に基づく一般的な解説です。携帯発電機の停止、冷却、給油、再始動の方法は、機種、燃料、接続負荷、設置場所、周囲の火気、自治体の火災予防条例等によって異なります。実際の運用は、使用する発電機の取扱説明書を確認し、メーカー、保守業者、建物管理者、所轄消防署へ事前にご相談ください。燃料の漏えい、火災、負傷者などの危険がある場合は人命を優先し、安全な場所へ退避して119番通報してください。

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