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蓄電池設備を屋外や屋上に置くとき建築物からどれだけ離すのか|3m緩和と防火戸の条件を解説

蓄電池設備を屋外や屋上に設けるときの離隔条件

非常電源として使う蓄電池設備を屋外や屋上へ置くとき、建物との距離だけを見て判断すると見落としが生じます。
点検要領は、キュービクル式かどうか、屋外か室内か、近くの建築物側の造りまで分けて確認するよう定めています。
特にキュービクル式以外の設備は、屋外又は耐火構造の屋上で隣接する建築物等からの水平距離が問題になります。
3mという原則だけで終わらず、距離を短くできる条件と、室内で必要になる措置を順に確認しましょう。

屋外の蓄電池設備は、建物からどれだけ離せばよいのでしょうか。

設備の形式と設置場所で基準が分かれます。
まずキュービクル式かどうかを確認しましょう。

3mより近くてもよい例外はありますか。

あります。
近くの建築物側の不燃材料と防火設備を両方確認する必要があります。

この記事の結論
  • 蓄電池設備の離隔は、構造と設置場所を分けて確認します。
  • キュービクル式以外を屋外又は耐火構造の屋上に置く場合は、原則3m以上の水平距離が必要です。
  • 隣接側が不燃材料で造られ、建築物の開口部に防火戸等があれば、3m未満でもよいとされています。
  • キュービクル式を屋外に置く場合は、建築物等から1m以上の離隔と前面の空地を確認します。
  • 点検では距離だけでなく、障害物、可燃物、防火戸、換気も同時に確認します。

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蓄電池設備の離隔は形式と設置場所で確認し、非キュービクル式の屋外又は該当屋上は3mが原則、キュービクル式の屋外設置は建築物等から1m、緩和には不燃材料と開口部の防火設備が必要で、保有距離と空地には障害物を置かないことをまとめた図

蓄電池設備の離隔距離は何で決まるのか

キュービクル式とキュービクル式以外の蓄電池設備を図面と照合するイメージ
蓄電池設備の点検要領では、最初に設置状況を目視で確かめます。
基準は単一の距離ではなく、設備の構造と設置場所に応じて定められています。
第25 非常電源(蓄電池設備)では、設置状況の判定として第25-1表に掲げる保有距離を有していることを求めています。
同表は、キュービクル式とキュービクル式以外、さらに不燃専用室又は機械室等を区分しています。
距離は「屋外にあるから一律3m」ではありません。
操作面、点検面、換気口のある面など、どの面を確保するかも区別します。
現地ではまず設備の形式を図面と銘板で確認し、次に設置場所を照合してください。

距離を測る前に、設備の形式を確かめるのですね。

はい。
形式と場所が分かれば確認する距離を選べます。

屋外や屋上の非キュービクル式はいつ3m必要か

屋上の非キュービクル式蓄電池設備と隣接する建築物の水平距離を確認するイメージ
キュービクル式以外の蓄電池設備を屋外又は特定主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上に置く場合が、3mの水平距離を確認する場面です。
対象は隣接する建築物又は工作物です。
キュービクル式以外の蓄電池設備を屋外又は特定主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上に設ける場合は、隣接する建築物若しくは工作物から3m以上の水平距離を有していること。
根拠は、消防庁「消防用設備等の点検要領」第25の設置状況です。
3mは、非キュービクル式を屋外又は該当屋上に置く場合の原則です。
キュービクル式や室内設置まで同じ数字で処理しないことが大切です。
配置図では、最も近い建築物又は工作物との水平距離を確認してください。

屋上なら、どの建物でも3mを見るわけではないのですね。

そのとおりです。
屋上の構造と設備形式を一緒に確かめます。

3mより近くてもよいのはどんな条件か

不燃材料の外壁と防火戸のある建築物に近接して置かれた蓄電池設備のイメージ
原則のただし書は、距離を短くできる場合を明確にしています。
ただし、隣接側の状態を片方だけ満たしても足りません。
隣接する建築物若しくは工作物の部分が不燃材料で造られ、かつ、建築物の開口部に防火戸その他の防火設備が設けられている場合は、3m未満の水平距離でよいとされています。
「不燃材料」と「開口部の防火設備」は、いずれも点検要領に記載された条件です。
緩和は、不燃材料と防火設備の二つがそろう場合に限られます。
外壁だけを確認して開口部を見落とすと、条件を満たしたとはいえません。
現地では外壁の材料と開口部を同じ写真又は図面で確認できるようにしてください。

外壁が不燃なら、それだけで短くできるわけではないのですね。

はい。
防火戸等まで確認して初めて条件を満たします。

キュービクル式と同一室の充電装置は何を確保するのか

キュービクル式蓄電池設備と鋼製の箱に収めた充電装置の前面に空地を確保したイメージ
キュービクル式を屋外に設ける場合は、前面の空地と建築物等からの離隔を確認します。
蓄電池と充電装置を同じ室に設ける場合にも、専用の措置があります。
キュービクル式蓄電池設備は、前面に1m以上の幅の空地を有し、屋外設置では建築物等から1m以上離れていること。
蓄電池と充電装置を同一の室に設ける場合は、充電装置を鋼製の箱に収納し、その前面に1m以上の幅の空地を有すること。
形式が違えば、必要になる空地と区画の見方も変わります。
前面に物品が置かれていると、保有空地があっても使用と点検の障害になります。
鋼製の箱と前面空地を、室内写真で分けて確認しましょう。

室内では充電装置の箱と空地も見るのですね。

はい。
設備の前を物置にしないことも重要です。

点検前に何を確認すればよいか

点検前に設備前の荷物を片付け換気や照明を確認する蓄電池室のイメージ
距離を測った後は、保有距離や空地の中に物が置かれていないかを見ます。
不燃専用室では、火災の要因になる設備や可燃物にも注意が必要です。
保有距離及び保有空地内には、使用上及び点検上の障害となる物品が置かれていないこととされています。
不燃専用室には、火災を発生するおそれのある設備及び可燃物等が置かれていないことも判定事項です。
点検は距離の測定だけで終わりません。
区画、防火戸、換気、照明、標識、障害物を順に確認すると、見落としを減らせます。
点検前には設備前の荷物を片付け、撮影と測定ができる状態にしておきましょう。

点検前に周囲を片付けておくと、確認しやすそうです。

その準備が大切です。
写真と図面で確認記録を残しましょう。

よくある質問

Q3m未満なら必ず不適合ですか?
A非キュービクル式を屋外又は該当屋上に置く場合の原則は3mですが、隣接側が不燃材料で、開口部に防火戸等がある場合は例外があります。
Q不燃材料だけ確認すればよいですか?
Aいいえ。建築物の開口部に防火戸その他の防火設備があることも、ただし書の条件です。
Qキュービクル式も3m必要ですか?
Aキュービクル式を屋外に置く場合は、建築物等から1m以上離し、前面に1m以上の空地を確保します。
Q室内の確認は距離だけで足りますか?
A距離に加えて、可燃物や障害物、防火戸、換気などを点検要領に沿って確認します。

まとめ

✔ 蓄電池設備の離隔は、形式と設置場所で確認します。
✔ 非キュービクル式の屋外又は該当屋上は3mが原則です。
✔ 緩和には不燃材料と開口部の防火設備が必要です。
✔ キュービクル式の屋外設置は建築物等から1mを確認します。
✔ 室内の同一室設置では鋼製の箱と前面空地を確認します。
✔ 保有距離と空地には障害物を置かないことが必要です。
✔ 個別の設計・改修は所轄消防署へ確認してください。

次の点検では、設備前の空地から確認します。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている消防庁資料に基づく一般的な解説です。個別の設置計画や改修の判断は所轄消防署にご確認ください。

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