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キュービクル式自家発電設備の外箱はなぜ露出させてよい設備が7つに限られるのか|換気装置の基準も解説

キュービクル式自家発電設備の外箱はなぜ出せる機器が限られるのかのアイキャッチ

キュービクル式自家発電設備は、金属製の箱ひとつに発電機や制御装置をまとめて収める形式で、外箱の構造そのものに細かい基準が定められています。
板厚や防火戸だけでなく、外箱の外に出してよい設備が決められた項目に限られるという特有のルールもあります。
内部の防水や断熱、著しく高温にならないための換気装置の基準まで、外箱ひとつに求められる条件は多岐にわたります。
この記事では、なぜ外箱の外に出してよい設備が7つに限られるのかを、告示の条文から確認していきます。

発電機室のキュービクルから、換気口以外の配管が外に出ているのを見つけたんですが、これって大丈夫でしょうか。

実は外箱の外に露出させてよい設備は7項目だけに決まっているんです。

それ以外の配管や機器を出したら基準に適合しなくなるということですか。

はい、板厚や換気装置の基準も合わせて確認が必要です。

この記事の結論
  • キュービクル式自家発電設備は自家発電装置・制御装置・その両方のいずれかを外箱に収めた3つの型に分かれます
  • 外箱の材料は鋼板で、屋外用2.3mm以上・屋内用1.6mm以上の板厚が定められています
  • 外箱の外に露出してよい設備は表示灯や換気装置など決められた7項目だけで、それ以外は露出できません
  • 内部の機器は底面から10cm以上への収納または同等以上の防水措置と、断熱・防振の処置が必要です
  • 換気装置は自然換気口の面積が外箱の一面の3分の1以下で、不足する場合は機械換気設備が必要です

キュービクル式自家発電設備の外箱と換気装置の基準をまとめた図解

キュービクル式自家発電設備は外箱にどう機器を収めるのか

キュービクル式自家発電設備の外箱に発電装置と制御装置を収めるイメージ
キュービクル式自家発電設備は、発電機や制御装置を専用の金属製の箱にまとめて収める形式です。
この収め方には、あらかじめ決められた3つの種類があります。
自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・三・(一) キュービクル式自家発電設備の種類は、次のとおりとすること。イ 自家発電装置(発電機と原動機とを連結したものをいう。)並びにこれらの附属装置を一の箱(以下「外箱」という。)に収納したもの ロ 自家発電設備の運転に必要な制御装置及び保安装置並びにこれらの附属装置を外箱に収納したもの ハ イ及びロに掲げる機器を外箱に収納したもの
キュービクル式自家発電設備の外箱には、発電装置・制御装置・その両方のいずれかを収める3つの型があります
イは自家発電装置(発電機と原動機を連結したもの)そのものを外箱に収めた形です。
ロは制御装置や保安装置だけを外箱に収めた形で、発電機本体は別置きになります。
ハはイとロの両方を1つの外箱にまとめた形で、現場でよく見かけるのはこのハの形です。
次の章では、その外箱そのものにどんな材料と板厚が求められるのかを見ていきます。

発電機だけの箱と制御盤だけの箱があるのは知りませんでした。

はい、現場では発電機と制御盤を1つにまとめた形が主流です。

外箱の材料と板厚はどのように定められているのか

キュービクル式自家発電設備の外箱の鋼板の板厚と防火戸を確認するイメージ
外箱そのものにも、火災に耐えるための材料と板厚の基準があります。
屋外に置くか屋内に置くかで、必要な板厚も変わります。
自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・三・(二) 外箱の構造は、次に定めるところによること。イ 外箱(コンクリート造又はこれと同等以上の耐火性能を有する床に設置するものの床面部分を除く。)の材料は、鋼板とし、その板厚は、屋外用のものにあつては、二・三ミリメートル以上、屋内用のものにあつては一・六ミリメートル以上であること。ロ 外箱の開口部(ヘに掲げるものに係るものを除く。)には、防火戸(建築基準法第二条第九号の二ロに規定する防火設備であるものに限る。)が設けられていること。
外箱の材料は鋼板で、屋外用は2.3mm以上、屋内用は1.6mm以上の板厚が必要です
屋外用のほうが厚い板厚を求められるのは、風雨や外部からの衝撃にさらされる条件が厳しいためです。
開口部には建築基準法上の防火設備である防火戸を設けなければなりません。
ただし、この防火戸の規定は次の章で説明する限られた開口部には適用されません。
次の章では、その「限られた開口部」=外箱の外に露出してよい設備を見ていきます。

屋外用と屋内用で板厚が違うんですね。

設置場所の条件の厳しさで板厚が変わります。

外箱の外に露出させてよい設備はなぜ7つに限られるのか

キュービクル式自家発電設備の外箱から露出してよい表示灯や換気装置などのイメージ
外箱は、開口部に防火戸を設けて内部を守る箱です。
そのため、外に露出させてよい設備も限定列挙されています。
自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・三・(二)・ヘ 外箱には、次に掲げるもの以外のものが外部に露出して設けられていないこと。(イ)表示灯(カバーに難燃性の材料を用いたもの又は防火上有効な措置を講じたものに限る。)(ロ)冷却水、温水及び潤滑油の出し入れ口(ハ)水及び油を抜く管(ニ)電線の引き出し口(ホ)燃料配管(ヘ)(四)に定める換気装置(ト)排気筒
外箱の外に露出させてよい設備は、表示灯から排気筒まで7項目に限定されています
表示灯はカバーに難燃性の材料を用いたものなど、防火上有効な措置を講じたものに限られます。
冷却水・温水・潤滑油の出し入れ口や水・油を抜く管、電線の引き出し口、燃料配管、換気装置、排気筒がこの7項目の中身です。
つまり、点検や工事のためにこの7項目以外の配管や機器を外箱の外へ新たに出すと、基準に適合しない状態になります。
次の章では、外箱の内部の防水や断熱の基準を見ていきます。

点検口を増やしたいときも、この7項目に入るかどうかを確認する必要がありますね。

はい、7項目に無い露出は基準違反になります。

内部の防水・断熱・防振の基準はどうなっているのか

キュービクル式自家発電設備の内部を防水と断熱と防振ゴムで保護するイメージ
外箱の中でも、機器の置き方や熱・振動への対策が細かく決められています。
これは、原動機の熱や振動から機器を守るための基準です。
自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・三・(三) 内部の構造は、次に定めるところによること。イ 原動機、発電機、制御装置等の機器は、外箱の底面から十センチメートル以上の位置に収納されているか、又はこれと同等以上の防水措置が講じられたものであること。ロ 機器及び配線類は、原動機から発生する熱の影響を受けないように断熱処理され、かつ、堅固に固定されていること。ハ 原動機及び発電機は、防振ゴム等振動吸収装置の上に設けたものであること。ただし、原動機にガスタービンを用いるものにあつては、この限りでない。(略)ヘ 気体燃料を使用するものにあつては、ガス漏れ検知器及び警報装置が設けられていること。
機器は外箱の底面から10cm以上の位置に収めるか、それと同等以上の防水措置が必要です
原動機から発生する熱の影響を受けないよう、機器や配線類は断熱処理のうえ堅固に固定しなければなりません。
原動機や発電機は防振ゴムなどの振動吸収装置の上に設けますが、ガスタービンを使う原動機はこの限りではありません。
気体燃料を使うものには、ガス漏れ検知器と警報装置の設置も求められます。
次の章では、外箱内部が高温にならないための換気装置の基準を見ていきます。

底面から10cm以上というのは具体的な数字なんですね。

はい、防水措置が同等以上なら10cm未満でも構いません。

換気装置はどんな基準を満たす必要があるのか

キュービクル式自家発電設備の換気口の面積と防火ダンパーを確認するイメージ
外箱の中で原動機が稼働すると、内部の温度が上がります。
これを防ぐための換気装置にも、具体的な基準があります。
自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・三・(四) キュービクル式自家発電設備には、次に定めるところにより換気装置が設けられていること。イ 換気装置は、外箱の内部が著しく高温にならないよう空気の流通が十分に行えるものであること。ロ 自然換気口の開口部の面積の合計は、外箱の一の面について、当該面の面積の三分の一以下であること。ハ 自然換気口によつて十分な換気が行えないものにあつては、機械換気設備が設けられていること。ニ 換気口には、金網、金属製がらり、防火ダンパーを設ける等の防火措置及び雨水等の浸入防止措置(屋外用のキュービクル式自家発電設備に限る。)が講じられていること。
自然換気口の開口部の面積は、外箱の一の面につき当該面の面積の3分の1以下と定められています
自然換気だけでは十分な換気が行えない場合には、機械換気設備を設けなければなりません。
換気口には金網・金属製がらり・防火ダンパーなどの防火措置が必要です。
屋外用のキュービクル式には、これに加えて雨水等の浸入防止措置も求められます。
換気口を工事や養生で塞ぐと、この基準そのものを満たさなくなる点に注意が必要です。

換気口の面積にも上限が決まっているんですね。

はい、面積の割合と防火措置の両方が基準です。

よくある質問

Qキュービクル式自家発電設備の外箱には何を収めるのですか?
A外箱には自家発電装置・制御装置及び保安装置・その両方のいずれかを収める3つの型があり、自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)で定められています。
Q外箱の板厚は屋外用と屋内用で違うのですか?
Aはい。屋外用は2.3mm以上、屋内用は1.6mm以上の鋼板とすることが自家発電設備の基準で定められています。
Q点検のために配管を新しく外箱の外へ出してもよいですか?
Aいいえ。外箱の外に露出させてよい設備は表示灯・冷却水等の出し入れ口・水及び油を抜く管・電線の引き出し口・燃料配管・換気装置・排気筒の7項目に限られており、それ以外は露出できません。
Q換気口を資材で塞いでも問題ないですか?
Aいいえ。自然換気口の面積は外箱の一面の3分の1以下と定められており、塞ぐと換気装置の基準そのものを満たさなくなります。

まとめ

キュービクル式自家発電設備の外箱は自家発電装置・制御装置・その両方のいずれかを収める3つの型に分かれます
外箱の材料は鋼板で、屋外用2.3mm以上・屋内用1.6mm以上の板厚が必要です
外箱の開口部には建築基準法上の防火設備である防火戸を設けなければなりません
外箱の外に露出してよい設備は表示灯や換気装置など決められた7項目だけです
内部の機器は底面から10cm以上への収納または同等以上の防水措置と、断熱・防振の処置が必要です
換気装置は自然換気口の面積が外箱の一面の3分の1以下で、不足時は機械換気設備が必要です
これらは自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・三に定められた基準です

キュービクル式自家発電設備の外箱と換気装置の基準、これで確認できそうです!

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第12条第1項第4号ロ(自家発電設備の構造及び性能の基準)
  • 自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二 構造及び性能 三 キュービクル式自家発電設備の構造及び性能

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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