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ガス漏れ火災警報設備の受信機はどこまで細かく決まっているのか|操作スイッチの高さと非常電源の容量を解説

ガス漏れ警報の受信機を確認する技術者のイメージ

ガス漏れ火災警報設備の受信機には、警戒区域の表示のしかたから操作スイッチの高さまで、細かい基準が決まっています。
検知器からの配線をどうつなぐか、非常電源にどれだけの容量を持たせるかも消防法施行規則で定められています。
見た目には同じような箱でも、決められた条件を満たしていなければ火災予防上の役目を果たせません。
今回は消防法施行規則を読み解き、受信機・配線・非常電源にどんな数字が隠れているのかを確認します

うちのガス漏れ警報の受信機、操作パネルの高さって決まってるんですか。

はい、床面からの高さが0.8メートル以上1.5メートル以下と定められています。

配線や非常電源にも、細かい基準があるんですよね。

はい、送り配線や非常電源の容量まで数字で決まっています

この記事の結論
  • 受信機は検知器や中継器と連動して警戒区域を表示でき、貫通部の警戒区域は他と区別して表示できなければなりません
  • 操作スイッチは床面から0.8メートル以上1.5メートル以下(いすに座って操作するものは0.6メートル以上)の高さに設けます
  • 検知器の信号回路は原則として送り配線にし、回路の末端に終端器を設けます
  • 非常電源は2回線を10分間有効に作動させ同時に他の回線を10分間監視できる容量が原則です
  • 条件を満たせば、蓄電池設備のほか自家発電設備や燃料電池設備にも置き換えられます

ガス漏れ火災警報設備の受信機に関する基準を示した図解

ガス漏れ火災警報設備の受信機には何が求められるのか

受信機の警戒区域表示灯と配管の貫通部を示すイメージ
検知器や中継器が作動したとき、受信機はただ音を鳴らすだけでなく、どこで異常が起きたかを示す役目も持っています。
まずは受信機に求められる基本的な機能を見ていきます。
受信機を次のイからヘまでに定めるところにより設けること。検知器又は中継器の作動と連動して検知器の作動した警戒区域を表示することができること。貫通部に設ける検知器に係る警戒区域は、他の検知器に係る警戒区域と区別して表示することができること。(略)防災センター等に設けること。(消防法施行規則第24条の2の3第1項第3号柱書・イ・ロ・ヘ)
受信機は、警戒区域ごとにどこで検知したかを表示できなければなりません
配管が壁を貫通する場所(貫通部)に設けた検知器の警戒区域は、他の検知器の警戒区域と区別して表示する必要があります。
これは、ガス漏れの発生場所を関係者がすぐに特定できるようにするための基準です。
受信機そのものも、防災センター等に設置することが定められています。

貫通部で検知したガス漏れも、ちゃんと別に分かるようになってるんですね。

はい、他の検知器と区別して表示できるようになっています。

操作スイッチの高さや同時通話の要件はどう決まっているのか

受信機の操作スイッチの高さを示す人物と定規のイメージ
受信機を操作する場所にも、細かい高さの基準があります。
複数の受信機がある建物では、離れた場所同士のやり取りについても基準があります。
操作スイッチは、床面からの高さが0.8メートル(いすに座つて操作するものにあつては0.6メートル)以上1.5メートル以下の箇所に設けること。主音響装置の音圧及び音色は、他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができること。1の防火対象物に2以上の受信機を設けるときは、これらの受信機のある場所相互の間で同時に通話することができる設備を設けること。(消防法施行規則第24条の2の3第1項第3号ハ・ニ・ホ)
操作スイッチは、床面から0.8メートル以上1.5メートル以下の高さに設けなければなりません
いすに座って操作するものは0.6メートル以上まで下げられますが、上限の1.5メートルは変わりません。
主音響装置の音は、他の警報音や騒音と明らかに区別して聞き取れることも条件です。
1つの建物に受信機が2台以上あるときは、それぞれの場所同士で同時に通話できる設備も必要です。

車いすで操作する人がいる建物だと、高さの配慮も必要になりそうですね。

そうですね、1.5メートル以下という上限があるので手が届く範囲に収まります。

検知器の配線はどんな基準を満たせばよいのか

送り配線でつながる検知器と枝分かれした配線を比較するイメージ
受信機だけでなく、検知器までの配線にも決められたつなぎ方があります。
まずは配線のかたちと、絶縁の基準を見ていきます。
常時開路式の検知器の信号回路は、容易に導通試験をすることができるように、回路の末端に終端器を設けるとともに、1回線に1の検知器を接続する場合を除き、送り配線にすること。電源回路と大地との間及び電源回路の配線相互の間の絶縁抵抗は、直流500ボルトの絶縁抵抗計で計つた値が、電源回路の対地電圧が150ボルト以下の場合は0.1メガオーム以上であること。(略)(消防法施行規則第24条の2の3第1項第5号イ・ロ)
検知器の信号回路は、原則として送り配線にしなければなりません
回路の末端には終端器を設け、容易に導通試験ができるようにします。
ただし1回線に1の検知器を接続する場合は、送り配線でなくてもかまいません。
配線と大地の間の絶縁抵抗にも数値の基準があり、対地電圧150ボルト以下なら0.1メガオーム以上を確保する必要があります。

配線が輪のようにつながっているのは、そういう理由だったんですね。

はい、末端まで導通を確認できるようにするためです。

非常電源はどれだけの容量を確保すればよいのか

蓄電池設備と時計の針が10分間を指すイメージ
停電のときにも、ガス漏れ火災警報設備は動き続けなければなりません。
そのために非常電源へどれだけの容量を求めているかを見ていきます。
直交変換装置を有しない蓄電池設備によるものとし、その容量は、2回線を10分間有効に作動させ、同時にその他の回線を10分間監視状態にすることができる容量以上であること。ただし、2回線を1分間有効に作動させ、同時にその他の回線を1分間監視状態にすることができる容量以上の容量を有する予備電源又は直交変換装置を有しない蓄電池設備を設ける場合は、直交変換装置を有する蓄電池設備、自家発電設備又は燃料電池設備によることができる。(消防法施行規則第24条の2の3第1項第7号イ)
非常電源は、原則として直交変換装置を有しない蓄電池設備でなければなりません
容量は2回線を10分間有効に作動させ、同時に他の回線を10分間監視できるだけの大きさが必要です。
ただし1分間版の容量を満たす予備電源等を別に設ければ、直交変換装置を有する蓄電池設備・自家発電設備・燃料電池設備に置き換えられます。
つまり、どの電源を選ぶかによって求められる容量の考え方が変わります。

非常電源にも、選べる組み合わせがあるんですね。

はい、容量の条件さえ満たせば選択肢があります

明日からなにを確認すればよいのか

点検員が受信機と非常電源をチェックリストで確認するイメージ
ここまでの基準は、点検や立入検査でそのまま確認ポイントになります。
最後に、確認の順番を整理しておきます。
  • 受信機の表示灯で警戒区域ごとの表示ができるかを確認する
  • 操作スイッチの高さが0.8メートル以上1.5メートル以下の範囲にあるかを実測する
  • 検知器の配線が送り配線になっているか、末端に終端器があるかを図面で見る
  • 受信機が2台以上ある建物では相互通話設備が機能するかを確認する
  • 非常電源の蓄電池や自家発電設備の容量表示を点検記録で確かめる
特別な測定器がなくても確認できる項目がほとんどです
高さや配線の状態は目視と巻尺で分かることが多く、非常電源の容量は点検報告書に記載があります。
増設や改修で受信機を追加するときは、この基準に戻って再確認することをおすすめします。

今度の点検のとき、操作スイッチの高さも巻尺で測ってみます。

分からないところがあれば、㈱防災屋にご相談ください。

よくある質問

Qガス漏れ警報の操作スイッチはどんな高さに設ければよいですか?
A床面から0.8メートル以上1.5メートル以下(いすに座って操作するものは0.6メートル以上)の箇所に設けなければなりません。上限の1.5メートルは座って操作する場合でも変わりません。
Q検知器の配線は必ず送り配線にしないといけませんか?
A原則は送り配線ですが、1回線に1の検知器を接続する場合は例外として認められています。
Q非常電源はどのくらいの容量が必要ですか?
A直交変換装置を有しない蓄電池設備なら、2回線を10分間作動させ同時に他の回線を10分間監視できる容量が原則です。条件を満たせば自家発電設備等にも置き換えられます。
Q受信機が複数ある建物では何に注意すればよいですか?
Aそれぞれの受信機がある場所同士で同時に通話できる設備を設ける必要があります。貫通部の警戒区域も他と区別して表示できるようにします。

まとめ

受信機は検知器や中継器と連動して警戒区域を表示できなければなりません
貫通部の検知器に係る警戒区域は、他の検知器の警戒区域と区別して表示します
操作スイッチは床面から0.8メートル以上1.5メートル以下の高さに設けます
受信機が2台以上あるときは場所同士で同時に通話できる設備が必要です
検知器の信号回路は送り配線にし、末端に終端器を設けます
非常電源は2回線を10分間作動・同時に10分間監視できる容量が基本です
条件を満たせば自家発電設備や燃料電池設備に置き換えられます

受信機の細かい基準がよく分かりました!

気になる箇所があれば点検業者への確認が確実です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第24条の2の3第1項第3号
  • 消防法施行規則第24条の2の3第1項第5号
  • 消防法施行規則第24条の2の3第1項第6号
  • 消防法施行規則第24条の2の3第1項第7号

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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