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BCPで地震後に自家発電設備の始動補助装置が作動しないときは始動してよいのか|予熱系統と復旧判断を解説

作動しない始動補助装置と自家発電設備を示すアイキャッチ

地震後、自家発電設備の予熱表示が消え、始動補助装置が作動していないように見えることがあります。
そのまま始動すると、低温時の始動性や装置・回路の異常を確認できないまま試験を進めることになります。
BCPでは始動を保留し、表示だけでなく始動補助装置と回路を一式確認します

予熱表示が点きません。
そのまま始動してええですか。

始動せず状態を残します

表示灯だけ確認したら足りますか。

装置と回路も確認します

この記事の結論
  • 始動補助装置が作動しないときは始動を保留します
  • 表示灯と警報と発見時刻を操作前に記録します
  • ヒーターと配管と電気回路を一式確認します
  • 性能は製造者の指示値で判定します
  • 整備後は管理下で始動と負荷作動を確認します

始動補助装置の異常を確認して始動保留から状態記録と回路点検を経て管理下で試験する4工程の横長アイソメ図

始動補助装置が作動しないときは始動してよいのか

始動補助装置が作動せず停止している自家発電設備の横長アイソメ図

表示が消えている原因を確認するまで始動を保留します
始動補助装置は、原動機を始動しやすい状態へ整えるための装置です。

消防庁の点検基準は、総合点検で始動補助装置が確実に作動することを求めています。
点検要領は目視と操作等で確認し、取り付けられた装置の性能が製造者の指示値であることを判定基準としています。

したがって、表示灯が消えていても見た目だけで故障と断定せず、逆に点灯していても正常と決めません。
設備仕様と実測結果を照合します。

点灯だけでは判断できへんのですね。

指示値まで確認しましょう

どの設備と条件を確認するのか

始動補助装置のヒーターと冷却水配管と発電機をつないだ横長アイソメ図

始動補助装置の方式は機種で異なります。
完成図書、取扱説明書、機器銘板で、その設備に何が付いているかを確認します。

  • 始動補助装置の方式と設備番号
  • 予熱表示灯と警報表示
  • ヒーター本体と温度検出部
  • 冷却水配管と弁の状態
  • 補機電源スイッチと遮断器
  • 端子、配線、絶縁状態
  • 製造者が指定する温度や作動値

消防庁の点検要領は、絶縁抵抗の確認対象に始動補助装置用の各種ヒーターとその回路を挙げています。
機械側と電気側を一続きで確認します。

表示灯だけ見ても足りませんか。

ヒーターと回路まで見ます

作動しないときは何をするのか

自家発電設備の始動ボタンを操作せず保留した横長アイソメ図

始動保留、状態記録、連絡、専門点検、再試験の順で進めます

  1. 煙、異臭、発熱、漏水がないか離れて確認する
  2. 始動操作を止めて再操作禁止を周知する
  3. 表示灯、警報、計器、発見時刻を記録する
  4. 設備責任者と保守事業者へ連絡する
  5. ヒーター、配管、温度検出部、回路を点検する
  6. 整備後に製造者の指示値を確認する
  7. 管理下で始動、電圧確立、負荷作動を試験する

始動を保留する間は、非常電源を受ける消防用設備への影響を確認します。
必要に応じて巡回、火気制限、代替電源、所轄消防署への相談を組み合わせます。

始動前に表示と時刻を残します。

停止中の安全措置も決めましょう

見落としやすい点はどこか

始動補助装置の遮断器と端子と配管と温度センサーを点検する横長アイソメ図

表示灯の球切れと装置本体の故障は、同じ見え方になることがあります。
また、補機電源、遮断器、端子、温度検出部、配管の異常でも作動しない場合があります。

  • 表示灯だけを交換して復旧扱いにする
  • 補機電源スイッチや遮断器の状態を見落とす
  • 端子の緩みや配線損傷を見落とす
  • 冷却水配管の弁や漏れを確認しない
  • 温度検出部の異常を確認しない
  • 製造者の指示値を実測しない
  • 始動できただけで負荷作動を確認しない

消防庁の点検要領は、始動試験の前に始動補助装置が作動しているか確認する項目も示しています。
始動成功だけで正常と決めず、補助装置の作動状態を確認します

始動できても確認は終わりやないんですね。

装置の性能まで確認します

明日から何を確認すればよいのか

整備後に始動補助装置を作動させて自家発電設備を試験する横長アイソメ図

平常時から、始動補助装置の方式、正常な表示、温度や作動時間を記録します。
正常時と比較できる記録があれば、災害後の異常を早く絞り込めます。

  1. 始動補助装置の方式と設備番号を確認する
  2. 正常な表示灯、温度、作動時間を記録する
  3. 補機電源と遮断器の正常位置を図示する
  4. 配管、温度検出部、ヒーター回路を確認項目にする
  5. 製造者の指示値と点検記録をそろえる
  6. 作動不能時の代替電源と安全措置を決める
  7. 専門点検から復旧承認まで訓練する

始動保留から代替措置、点検、再試験、復旧承認までをBCPへ組み込みます
消防計画の初動とBCPの事業継続をつなぐ担当者も決めます。

正常値を確認票へ入れます。

迷わない手順にしておきましょう

よくある質問

Q予熱表示が消えていても始動できますか?
A表示だけで判断せず始動を保留します。設備仕様を確認し、始動補助装置と回路を点検します。
Q表示灯の球を交換すれば復旧ですか?
A球切れ以外に電源、端子、ヒーター、温度検出部の異常も考えられます。製造者の指示値まで確認します。
Q施設担当者が遮断器を入れ直してよいですか?
A原因不明のまま復帰操作はしません。資格者と保守事業者の管理下で点検します。
Q復旧は始動できれば完了ですか?
A始動補助装置の性能、始動、電圧確立、負荷作動を確認し、復旧責任者が承認して完了です。

まとめ

作動しないときは始動を保留します
表示灯と警報と時刻を記録します
ヒーターと回路を一式確認します
製造者の指示値で判定します
始動前に補助装置の作動を確認します
停止中は代替電源と安全措置を実施します
負荷作動まで確認して復旧を承認します

表示だけで判断せず状態を残します

始動補助装置を一式で確認しましょう
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。始動補助装置が作動しない場合は、自己判断で始動、遮断器の復帰、端子や配管の操作をせず、設備仕様を把握した専門業者へ相談してください。個別の点検、整備、再始動、負荷試験、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。

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