消防用設備等の非常電源には、低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤や分電盤が使われます。
この配電盤や分電盤には、非常電源だけで使う専用のものと、他の回路と共用のものがあります。
共用にする場合は、表示や判別のための決まりを満たさなければなりません。
配電盤や分電盤に何を表示し、どう判別できるようにするかを正しく理解しておく必要があります。
うちの分電盤、非常電源の回路とふつうの照明回路が同じ箱に入っているみたいなんです。
これって大丈夫なんでしょうか。
共用の配電盤ですね。
設置場所ではなく、表示と判別の仕方に決まりがあるんです。
うちの機械室の配電盤がどちらに当たるのか、確認する方法が知りたいです。
表示を見れば分かりますよ。
まずは専用と共用の違いから見ていきますね。
- 低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤・分電盤には、専用配電盤と共用配電盤という区分があります。
- 共用配電盤・共用分電盤にあつては、非常電源に係る部分と他の電源回路に係る部分を容易に判別できる措置が必要です。
- キャビネットには製造者名や製造年など7つの事項の表示をしなければなりません。
- 非常電源回路の配線用機器にも、耐熱型である旨などの表示が必要です。
- 埋込式か露出式かの別は、第一種配電盤等だけに表示が求められます。
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目次
非常電源専用受電設備の配電盤はなぜ専用と共用に分かれるのか

消防庁告示は、この配電盤や分電盤の種類をいくつかに分けています。
専用配電盤や専用分電盤は、非常電源専用の開閉器や過電流保護器だけで構成されたキャビネットです。
共用配電盤や共用分電盤は、非常電源回路と他の電源回路の機器を同じキャビネットに収めたものを指します。
分電盤についても、専用分電盤と共用分電盤という同じ区分があります。
どちらを選ぶかは施工者の判断ですが、共用にする場合はこのあと見ていく決まりを守らなければなりません。
うちの箱は非常電源と照明が一緒に入っているので、共用配電盤ということですね。
そうですね。
共用にする場合は、このあとの表示のルールが特に大事になります。
どの配電盤や分電盤に表示義務が生まれるのか

対象になるのは、消防用設備等の非常電源として使われる配電盤や分電盤だけです。
高圧や特別高圧で受電するキュービクル式の非常電源専用受電設備は、専用の室に設ける等の別の基準で扱われるため対象外です。
また非常電源専用受電設備の配電盤は、他の電気回路の遮断器で止まらないことなど、表示より前に満たすべき条件もあります。
一般の照明やコンセント用の配電盤には、この表示のルールは及びません。
建物のどの配電盤が対象なのかは、単線結線図や非常電源の系統図で確認します。
うちの受電設備はキュービクル式で高圧なんですが、この表示は関係ありますか。
高圧受電のキュービクル式は対象外です。
低圧受電の配電盤・分電盤だけのルールなんです。
キャビネットにはどんな表示が必要なのか

キャビネットの見やすい場所に、消えないように取り付けます。
第一種か第二種か、専用か共用かの別は、どちらも表示が欠かせません。
埋込式か露出式かの表示は第一種配電盤等だけに求められ、第二種配電盤等では不要です。
製造者名や製造年、型式、製造番号は、あとから該当する製品を照合するための情報になります。
表示が欠けていると、点検のときにどちらの区分の配電盤かを確認できません。
埋込式か露出式かの表示が、うちの第二種配電盤には見当たらないんですが、故障でしょうか。
故障ではありません。
埋込式・露出式の表示は第一種配電盤等だけのルールなんです。
共用配電盤ではなぜ判別措置を忘れてはいけないのか

非常電源の部分がひと目で分かるようにしておく決まりです。
表示の7つの事項を満たしていても、判別の措置が無ければ基準を満たしません。
措置の具体的な方法までは定められていませんが、色分けや仕切りなどで一目で分かる状態にする必要があります。
判別ができないと、点検や火災のときに非常電源の回路をすぐに見分けられません。
共用配電盤を増設や改修するときは、この判別の措置が保たれているかもあわせて確認します。
うちの共用配電盤、非常電源の回路がどれなのか、見た目では分かりません。
それでは判別の措置が足りません。
色分けなどで区別できるようにしましょう。
配線用機器の表示は何を確認すればよいのか

中の配線用機器そのものにも、表示のルールがあります。
耐熱型である旨の表示と耐熱定格電流は、すべての配線用機器に必要です。
耐熱定格遮断電流は、遮断器を持つ過電流保護器に限って表示します。
点検では、キャビネットの表示と配線用機器の表示をあわせて確認するとよいでしょう。
増設や交換のときは、耐熱型の表示がある機器を選ぶことも忘れないようにします。
配線用機器そのものにも表示があるとは知りませんでした。
はい、キャビネットと中の機器の両方を見る必要があるんです。
点検のときに確認してみてください。
よくある質問
まとめ
配電盤の専用と共用がよく分かりました。
さっそく表示を確認します!
どんなことでもお気軽にどうぞ。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 配電盤及び分電盤の基準(昭和56年12月22日消防庁告示第10号、最終改正:令和5年5月31日消防庁告示第9号)
- 消防法施行規則第12条第1項第4号イ(非常電源専用受電設備の設置基準)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





