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BCPで地震後に屋内消火栓ホースの結合金具が変形していたら接続してよいのか|使用保留と専門点検の手順を解説

変形した屋内消火栓ホースの結合金具を示すアイキャッチ

地震後の巡回で、屋内消火栓ホースの結合金具がつぶれ、ノズル側とうまく接続できない状態を見つけました。
手で形を戻して接続してよいのか、その消火栓を使える扱いにしてよいのか、現場では迷います。
結合金具はホースとノズルや弁をつなぎ、放水時の圧力を受ける部分です。外見だけを整えても、かみ合わせ、パッキン、漏れ、ホース本体まで正常とは限りません。
BCPでは無理に接続しない対象を使用保留にする代替の初期消火手段を確保する専門点検後に復旧を判断するという順番を決めます。

少しへこんだだけなら、工具で戻してええですか?

変形した金具は無理に直したり接続したりしません

その箱だけ使用禁止にすれば足りますか?

担当範囲と代替消火手段までセットで確認します

この記事の結論
  • 結合金具が変形していたら無理に接続せず使用を保留します
  • 最初に対象箱と担当範囲を特定します
  • 金具だけでなくホース・パッキン・ノズル・弁を確認します
  • 使用保留中は代替の初期消火手段と周知を整えます
  • 復旧は有資格者の点検を受け放水機能まで確認して判断します

屋内消火栓ホースの結合金具変形を発見してから復旧までの四段階インフォグラフィック

地震後に変形した結合金具をそのまま接続してよいのか

地震後に変形した屋内消火栓ホースの結合金具を示す横長アイソメ図

変形した結合金具は接続せず、その屋内消火栓を使用保留にします
結合金具は、確実にかみ合い、放水圧力がかかっても外れず、水漏れしないことが重要です。変形を工具で戻すと、肉眼では分からない亀裂や寸法ずれを広げることがあります。

消防庁告示「消防用設備等の点検の基準」別表第2は、屋内消火栓箱、ホース、ノズル等について変形や損傷がなく、必要な機能が正常であることを確認する枠組みを定めています。

点検要領でも、ホースやノズルなどの外形、接続、放水機能を個別に確認します。施設担当者が見た目だけで使用可と断定するものではありません。
発見時は操作を止める使用保留を表示する防火管理者と点検資格者へつなぐことを優先します。

つながっても安全とは限らんのですね。

はい。
圧力がかかったときの漏れや外れまで確認が必要です

どの消火栓箱とホースを確認対象にするのか

消火栓箱のホースとノズルと結合金具を確認する横長アイソメ図

変形した金具一個だけでなく、同じ箱の放水器具と、その箱が担当する区画を確認します
地震で箱内の器具がぶつかった場合は、金具の反対側、ホースの付け根、ノズル、開閉弁にも力が伝わっている可能性があります。

  • 変形した結合金具とかみ合う相手側の金具
  • パッキンの外れ、切れ、噛み込み
  • ホースのつぶれ、亀裂、擦れ、折れ
  • ノズルの変形と開閉部の状態
  • 消火栓弁、巻取り部、箱扉の損傷
  • 表示灯と起動装置の状態
  • その消火栓が受け持つ歩行距離と区画

一号消火栓、易操作性一号消火栓、二号消火栓、広範囲型二号消火栓では、ホースの収納方法や操作手順が異なります。設備方式は竣工図、点検票、箱内表示で確認します。
実務では同じ階の隣接箱代替となる消火器避難動線との干渉も一緒に確認します。

金具だけ交換したら終わりではないんですね。

一組の放水器具として確認します

発見から使用保留と専門点検までどう進めるのか

変形した結合金具を使用保留にして代替消火器を配置する横長アイソメ図

操作停止、識別、範囲確認、代替確保、連絡、専門点検の順に進めます
試しに接続してから判断しようとすると、金具の固着、パッキン損傷、ホース破損を広げる可能性があります。放水試験は安全管理のできる点検資格者へ引き継ぎます。

  1. 変形した金具へ触れず操作を止める
  2. 消火栓箱の位置と管理番号を特定する
  3. 安全な位置から変形部と箱内全体を記録する
  4. 使用保留を表示し誤使用を防ぐ
  5. 担当区画の代替消火手段を確認する
  6. 防火管理者と消防設備士等へ連絡する
  7. 専門点検の結果で復旧と再開条件を決める

使用保留の表示は、緊急時に「使える設備」と誤認させない位置へ付けます。一方で、箱扉をテープで封じたり、避難通路へコーンを広げたりして、新たな障害を作らないようにします。
連絡時は設備方式と管理番号変形位置と発見時刻代替手段と営業範囲を伝えます。

試しにつなぐのも避けた方がええんですね。

そうです。
安全に試験できる専門点検へ回してください

工具で形を戻せば使えると思うと何を見落とすのか

結合金具の変形と内部のパッキン損傷を比較する横長アイソメ図

外形が戻っても、接続精度と耐圧性能が戻ったとは判断できません
金具には、かみ合わせ、爪、受け部、回転部、パッキンなどがあります。わずかな変形でも、接続途中の固着や放水中の離脱につながります。

  • 金具の内側に細い亀裂が残っている
  • パッキンがずれたり切れたりしている
  • 相手側の金具も偏って変形している
  • 接続できても確実にロックされない
  • 放水圧力で漏れや離脱が起きる
  • ホース端部へ引張りやねじれが残る
  • 誤った応急修理で点検記録が曖昧になる
消防庁の点検要領は外観確認だけでなく、設備方式に応じた操作や放水により機能を確認する考え方を示しています。地震後の異常は、定期点検を待たずに専門点検へつなげます。

部品の適合性も重要です。似た形の金具を別設備から移したり、寸法だけで代用品を選んだりせず、設備方式、型式、メーカー資料、既設の仕様を確認します。
少なくともペンチで戻さない無理にかみ合わせない接続できただけで復旧扱いにしないことが大切です。

見た目を戻すだけでは判断できへんのですね。

接続と放水の機能確認まで終えて復旧です

明日から結合金具の変形にどう備えるのか

復旧した消火栓箱と点検記録を確認する横長アイソメ図

平常時写真、設備方式、管理番号、代替消火手段、連絡先を一枚の確認票へまとめます
内閣府の事業継続ガイドラインが示す重要資源、対応手順、教育・訓練、継続的な見直しを、屋内消火栓の使用不能時対応へ落とし込みます。

  1. 各消火栓箱へ管理番号を付ける
  2. 箱内全体と結合金具を同じ画角で撮影する
  3. 設備方式と担当範囲を平面図へ記入する
  4. 使用保留表示の様式と取付位置を決める
  5. 代替消火器の位置と必要数を確認する
  6. 消防設備士等と所轄消防署の連絡先を更新する
  7. 一台使用不能の想定で初期消火訓練を行う

訓練では「一台の屋内消火栓が使用保留」という情報だけを参加者へ渡し、対象区画を特定し、代替消火器を確認し、専門業者へ伝える記録を作るところまで行います。
訓練後は使用保留の伝わり方代替消火器への到達時間夜間担当者の連絡手順を見直します。

一台使えない想定でも訓練しておきます。

ええですね。
代替手段を迷わず選べる状態にしましょう

よくある質問

Q金具のへこみが小さければ接続してもよいですか?
A接続しません。小さな変形でも、かみ合わせ、パッキン、ロック機能に影響する可能性があります。使用を保留して専門点検へつなぎます。
Q施設担当者がペンチで形を戻してもよいですか?
A行いません。亀裂や寸法ずれを広げ、点検時の状態も分かりにくくなります。現状を記録して消防設備士等へ引き継ぎます
Q隣の消火栓が使えれば営業を再開できますか?
A隣接箱が担当範囲を代替できるとは限りません。歩行距離、区画、他の損傷、代替消火器を確認し、所轄消防署とも調整します。
Q部品を交換すればすぐ復旧扱いにできますか?
A交換だけでは判断しません。適合部品であることを確認し、ホース、ノズル、弁、起動装置を含めて必要な機能点検を完了してから復旧します。

まとめ

屋内消火栓ホースの結合金具が変形していたら、手直しや試し接続を行いません。対象箱を使用保留にし、担当範囲と代替消火手段を確認して、専門点検へつなぎます。

結合金具の変形時に確認する7項目
無理に接続せず操作を止めます
対象箱を管理番号で特定します
箱内全体と変形部を記録します
ホースとノズルも一組で確認します
担当区画の代替消火手段を確保します
消防設備士等と所轄消防署へ共有します
機能点検後に復旧を判断します

管理番号と代替消火器の確認から始めます!

使用保留・代替確保・専門点検・復旧確認を一緒に整えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は消防法、消防法施行令、総務省消防庁、内閣府の公表資料に基づく一般的な解説です。設備方式、使用保留、代替措置、点検方法、部品交換、復旧、営業再開の条件は施設と所轄消防署の運用で異なります。実際の操作、点検、交換、放水試験、復旧、運用、営業再開は管理権原者、防火管理者、消防設備士等、所轄消防署へご確認ください。

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