自家用給油取扱所の固定給油設備に、敷地外に設置した屋外貯蔵タンクを接続することは認められるのか、認められる場合にどのような構造・配管対策が求められるのかを、実際の質疑応答をもとに解説します。
自家用の給油取扱所って、敷地の外にあるタンクとつないでもいいものなんですか?なんか特殊な感じがします…
専用性とか一体管理とか、3つの条件を満たせば認められるんですよ。
ただしタンク自体もかなりしっかりした構造にする必要があります。
しっかりした構造ってどういうことですか?
断熱材・漏れ防止シート・鉄筋コンクリートの3層構造にして、貯蔵できるのは軽油だけなんです。配管の対策も含めて、この記事で詳しく解説しますね!
この記事の結論
- 3条件を満たせば自家用給油取扱所の固定給油設備に敷地外の屋外貯蔵タンクを接続できる
- 屋外貯蔵タンクは断熱材・漏れ防止シート・鉄筋コンクリートの3層構造とし、貯蔵する危険物は軽油に限る
- タンクの容量は40キロリットル程度以下とする
- 配管は地下埋設を基本とし、地震・漏えいへの対策を講じる
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目次
自家用給油取扱所は3条件を満たせば敷地外の屋外貯蔵タンクと接続できる
自家用給油取扱所の敷地外に設置した屋外タンク貯蔵所の屋外貯蔵タンクと、当該自家用給油取扱所の固定給油設備を接続してよいかどうか、次の3条件のもとで照会がありました。
- 自家用給油取扱所に接続する屋外貯蔵タンクは、別紙に定める構造のものであること
- 当該屋外貯蔵タンクは、当該自家用給油取扱所以外の施設に危険物を供給しないこと
- 当該自家用給油取扱所及び屋外タンク貯蔵所を一体的に維持管理(一体的に定期点検を行うことを含む)できること
お見込みのとおりとされています。ただし、特殊な形態の自家用給油取扱所となるため、利用者に対して機能・危険性等を周知することが求められています。敷地外のタンクと接続するという特殊な構成である以上、単に構造基準を満たすだけでなく、実際に利用する側への周知も条件の一部として位置づけられている点がポイントです。
屋外貯蔵タンクは断熱材・漏れ防止シート・鉄筋コンクリートの3層構造とする
自家用給油取扱所の固定給油設備に接続することを目的に、敷地外に設置される屋外貯蔵タンクの構造については、次のとおりとされています。
- 大気に直接接触する必要がある部分を除き、断熱材であるポリスチレンフォームで被覆する
- 断熱材の外側は、タンク破損時の漏えい検知及び漏えいした危険物の外部への流出防止のため、タンクの底面から上面に向けて、継ぎ目のない1枚のポリエチレンシートで被覆する
- 漏れ防止用シートであるポリエチレンシートの外側は、火災時における被害の防止のため、鉄筋コンクリートで被覆する
屋外貯蔵タンクの容量は40キロリットル程度以下とされ、貯蔵する危険物の流出防止機能・耐火機能を高めたものとするとともに、貯蔵する危険物は軽油に限るとされています。断熱材・漏れ防止シート・鉄筋コンクリートという3層構造にすることで、通常のタンクよりも高い漏えい検知性・耐火性を確保する考え方です。
配管は地下埋設を基本とし地震・漏えいへの対策を講じる
屋外貯蔵タンクと自家用給油取扱所の固定給油設備を接続する配管については、次のような対策が提案事項として示されています。
- 屋外タンク貯蔵所の配管は、蓋を鋼製又はコンクリート製とした地下ピット内に設置し、自家用給油取扱所側の配管も地下に埋設する(屋外貯蔵タンクの直近等、施工上地上に出る部分を除く)
- 地下ピットに漏えいした軽油が油分離槽に流れ込むよう措置を講じる
- サイフォン効果により屋外貯蔵タンク内の軽油が配管を通じて漏えいすることを防ぐため、屋外貯蔵タンクの直近に弁を設置する
- 地下配管から地上又は地下ピットに出る箇所や屋外貯蔵タンク直近の箇所など、地震動等により大きな変位の生じるおそれのある箇所には可とう管継手を設置する
- 地下埋設配管が適切に点検できるよう、点検口や点検に必要な弁を設ける
- ホース機器と分離して設置されるポンプ機器を有する固定給油設備は設置しない
配管を極力地下に収めたうえで、漏えい時の受け皿(油分離槽への誘導)・地震時の変位吸収(可とう管継手)・日常点検(点検口・弁)という3つの観点から対策を重ねる構成になっています。ホース機器と分離したポンプ機器を持つ固定給油設備を設置しないという制限も、通常の給油取扱所とは異なる特殊な構成であることを踏まえた対応といえます。
よくある質問
Q. 敷地外の屋外貯蔵タンクにはどんな危険物でも貯蔵できますか?
軽油に限られます。屋外貯蔵タンクは流出防止機能・耐火機能を高めた構造とすることが前提です。
Q. 屋外貯蔵タンクの容量に上限はありますか?
40キロリットル程度以下とされています。
Q. この接続を行う場合、利用者への説明は必要ですか?
必要です。特殊な形態の自家用給油取扱所となるため、機能・危険性等を利用者に周知することが求められます。
まとめ
- 自家用給油取扱所は、専用性・一体管理などの3条件を満たせば敷地外の屋外貯蔵タンクと接続できる
- 屋外貯蔵タンクは断熱材・漏れ防止シート・鉄筋コンクリートの3層構造とし、貯蔵する危険物は軽油に限る
- タンクの容量は40キロリットル程度以下とする
- 配管は地下埋設を基本とし、漏えい対策・耐震対策・点検体制を講じる
- 特殊な形態の自家用給油取扱所となるため、利用者への周知が求められる
敷地外のタンクとつなぐって、思ったよりいろいろな対策が必要なんですね。
はい!特殊な形態だからこそ、利用者への周知まで含めて考える必要があるんだなと思いました。
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第17条第3項第6号 e-Gov法令検索
- 危険物の規制に関する規則第28条第2項・第3項 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)自家用給油取扱所の固定給油設備と敷地外屋外貯蔵タンクの接続に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。




