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自動火災報知設備の受信機はどの建物にも同じものを置いてよいのか|延べ面積で決まる種別と置ける台数の上限を解説

同じ受信機をどの建物にも置いてよいのかというタイトルと壁に取り付けられた自動火災報知設備の受信機の写真

自動火災報知設備の受信機は、建物のどこかの壁に必ず一つは取り付けられています。
立入検査では消防職員がその前に立ち、表示窓の数やスイッチの位置を見ていきます。
ところが受信機には等級があり、建物の広さによっては置いてはいけないものがあります。
受信機は種類も台数も取り付ける高さも省令が決めています

うちのビルの受信機は去年テナントが増えてから2台になりました。
これは置いてよいものなのでしょうか。

受信機の台数には上限があります。
等級によっては2台までと決まっていますよ。

受信機に等級があるというのは初めて聞きました。
どれも同じ箱に見えていました。

一級と二級と三級があります。
建物の広さで置けるものが変わります。

この記事の結論
  • 受信機には一級と二級と三級の等級があり、接続することができる回線の数が違う
  • 回線が1つのP型二級受信機は延べ面積が350平方メートルを超える建物には設けられない
  • P型三級受信機は延べ面積が150平方メートルを超える建物には設けられない
  • 等級の低い受信機は一の防火対象物につき三台以上設けられず置けるのは2台まで
  • 受信機の操作スイッチは床面から0.8メートル以上1.5メートル以下の箇所に設ける

受信機の等級と延べ面積と置ける台数と操作スイッチの高さをまとめた図解

自動火災報知設備の受信機はどれも同じものなのか

表示窓の多い受信機と表示窓の少ない受信機を壁に並べたイラスト
受信機は感知器や発信機からの火災信号を受けて、建物の関係者に火災を知らせる装置です。
外から見ると同じ箱に見えますが、法令の上では機能ごとに等級が分かれています。
受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号)第8条(抜粋)
第1項(P型一級受信機)第一号 火災表示の作動を容易に確認することができる装置(以下「火災表示試験装置」という。)及び終端器に至る信号回路の導通を回線ごとに容易に確認することができる装置(以下「導通試験装置」という。)による試験機能を有し、(略)
第2項(P型二級受信機)第一号 接続することができる回線の数は五以下であること。
第3項(P型三級受信機)第一号 接続することができる回線の数は一であること。
等級で回線の数が違います
P型二級受信機は接続することができる回線が五以下、P型三級受信機は一だけと規格の省令が決めています。
消防法施行規則第24条第二号イは、受信機を作動した警戒区域を表示できるものと定めているので、回線が少なければ表示できる区域も少なくなります。
P型一級受信機だけは導通試験装置を備え、終端器までの配線がつながっているかを回線ごとに確かめられます。
つまり受信機は建物の規模に合わせて選ぶもので、どれを付けてもよいわけではありません。
まずは自分の建物の受信機がどの等級なのかを、盤の銘板か点検結果報告書で確かめてください。

盤の大きさが違うのはそういう理由だったのですね。

表示窓の数がそのまま回線の数です。
自分の建物の受信機がどれかを先に確かめましょう。

建物の広さで置ける受信機が決まるのはなぜか

小さな建物と大きな建物に同じ大きさの受信機が付いているイラスト
等級の違いは値段や好みで選んでよいものではありません。
消防法施行規則は、延べ面積によって置いてはいけない受信機をはっきり書いています。
消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号
チ P型二級受信機及びGP型二級受信機で接続することができる回線の数が一のものは、令別表第一に掲げる防火対象物で延べ面積(略)が三百五十平方メートルを超えるものに設けないこと。
リ P型三級受信機及びGP型三級受信機は、令別表第一に掲げる防火対象物で延べ面積(略)が百五十平方メートルを超えるものに設けないこと。
広さで上限が切られています
回線が1つのP型二級受信機は、延べ面積が350平方メートルを超える防火対象物には設けられません。
P型三級受信機は150平方メートルを超えると設けられません。
ガス漏れ火災警報設備の機能を併せ持つGP型の二級と三級も、同じ条件で除かれています。
いずれも上限を見る物差しは延べ面積なので、階を増やさない改装でも数字が動くことがあります。
増築やテナントの入替えを予定しているなら、工事の前にいまの受信機をそのまま使えるかを確かめておくと後戻りがありません。

うちは延べ面積が400平方メートルくらいあります。

回線が1つの二級受信機なら置けない広さです。
点検結果報告書で等級を見てください。

受信機は一つの建物にいくつまで置いてよいのか

一つの壁に受信機が三台並び三台目の右に禁止の印が付いたイラスト
テナントが入れ替わるたびに受信機が増えていく建物があります。
規則は置ける台数にも上限を置いています。
消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号
ヘ P型一級受信機で接続することができる回線の数が一のもの、P型二級受信機、P型三級受信機、GP型一級受信機で接続することができる回線の数が一のもの、GP型二級受信機及びGP型三級受信機は、一の防火対象物(略)につき三台以上設けないこと。
ト 一の防火対象物(略)に二以上の受信機が設けられているときは、これらの受信機のある場所相互間で同時に通話することができる設備を設けること。
三台以上は置けません
上限がかかるのは、P型一級受信機で回線が1つのもの、P型二級受信機、P型三級受信機と、これらに対応するGP型の受信機です。
三台以上設けないと書かれているので、置けるのは2台までです。
2台置くときは、受信機のある場所どうしで同時に通話することができる設備を設けなければなりません。
規則は理由まで書いていませんが、盤が分かれるほど火元を突き止めるのに手間がかかります。
受信機が2つある建物は、両方の場所と連絡の手段を消防計画に書いておくと当日に迷いません。

2台までなら増やしてよいということですね。

そのとおりです。
ただし二つの盤の間で同時に通話できる設備が要ります。

受信機の音が聞き取りにくい場所ではどうすればよいのか

受信機のある部屋と大きな音の出る部屋を並べたイラスト
受信機そのものも音を出して火災を知らせます。
その音が届かない場所に置くと、それだけで規則の基準を外れます。
消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号
ホ 主音響装置及び副音響装置の音圧及び音色は、次の(イ)及び(ロ)に定めるところによる。
(イ)他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができること。
(ロ)主音響装置及び副音響装置を、ダンスホール、カラオケボックスその他これらに類するもので、室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所に設ける場合にあつては、当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること。
区別して聞き取れることが基準です
ここには何デシベル以上という数字がなく、聞き取れるかどうかで判断する書き方になっています。
ダンスホールやカラオケボックスのように音響が聞き取りにくい場所に設けるときは、その場所で区別して聞き取れるように措置しなければなりません。
音楽を流す店舗や機械室のそばに受信機がある建物は、この一文が正面から効いてきます。
数字で線が引かれていない基準なので、実際に鳴らして聞こえるかを確かめておくのがいちばん確実です。
点検のときに立ち会って、盤の音がどこまで届くかを自分の耳で聞いておいてください。

受信機がカラオケの部屋の隣にあります。
音が聞こえるか自信がありません。

実際に鳴らして確かめるのが早いです。
聞こえなければ措置が必要になります。

明日からなにを確かめればよいのか

立って操作する受信機といすに座って操作する受信機を並べたイラスト
最後は工具がなくても確かめられるところです。
受信機の操作スイッチの高さは、メジャーが1本あれば測れます。
消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号
ロ 受信機の操作スイッチは、床面からの高さが〇・八メートル(いすに座つて操作するものにあつては〇・六メートル)以上一・五メートル以下の箇所に設けること。
床から測れば分かります
操作スイッチは床面から0.8メートル以上1.5メートル以下の箇所に設けることとされています。
いすに座って操作するものは、下限が0.6メートルまで下がります。
盤そのものの位置ではなく操作スイッチの高さで見るところが読み違えやすい点です。
測った高さと受信機の等級、延べ面積、台数の四つを控えておけば、立入検査でそのまま答えられます。
判断に迷うところがあれば、点検を頼んでいる業者か所轄の消防署に確かめてください。

メジャーで測るだけなら今日のうちにできます。

スイッチの位置で測ってください。
結果を控えておけば検査でそのまま答えられます。

よくある質問

Q受信機の等級はどこを見れば分かりますか?
A盤に貼られた銘板と、消防用設備等の点検結果報告書に型式が書かれています。表示窓の数からもおおよその見当が付きます。
Qいま置いてある受信機が延べ面積の上限を超えていたらどうなりますか?
A立入検査で指摘の対象になります。まず点検を頼んでいる業者に等級と延べ面積を確かめてもらい、そのうえで所轄の消防署に相談してください。
Q受信機を2台に増やすときに気を付けることはありますか?
A二以上の受信機があるときは、受信機のある場所どうしで同時に通話することができる設備を設けることとされています。台数の上限もかかるので、増やす前に等級を確かめてください。
Q操作スイッチの高さは盤の下端で測ればよいですか?
A規則が高さを定めているのは操作スイッチです。盤の外形ではなくスイッチそのものの位置で測ります。

まとめ

P型受信機には一級と二級と三級があり、接続することができる回線の数が違う
P型二級受信機の回線は五以下、P型三級受信機の回線は一と規格の省令が定めている
回線が1つのP型二級受信機は延べ面積が350平方メートルを超える防火対象物には設けられない
P型三級受信機は延べ面積が150平方メートルを超える防火対象物には設けられない
等級の低い受信機は一の防火対象物につき三台以上設けられず置けるのは2台まで
二以上の受信機があるときは相互間で同時に通話することができる設備が必要になる
受信機の操作スイッチは床面から0.8メートル以上1.5メートル以下の箇所に設ける

受信機の等級と操作スイッチの高さを今日のうちに控えておきます。
次の点検までに書類も整理します!

その控えがあれば立入検査でも慌てません。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
主な活動

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

参考・出典

  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号イ・ロ
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号ホ
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第二号ヘ・ト・チ・リ
  • 受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号)第8条
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第21条
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※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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