化学消防車に防災要員が全員乗れなければ、体制として成り立たないのか。
回答は、必ずしも乗車できるものに限られないとしました。
ただし条件が付いています。
求められるのは直ちに防災活動を行える措置です。
防災要員が化学消防車に全員乗れないのですが、問題になるでしょうか。
必ずしも乗車できるものに限られないとされています。
ただし防災要員が直ちに防災活動を行えるよう措置する必要があります。
休止中の石油貯蔵所の防災要員は、自宅から駆け付ける形でよいでしょうか。
できないとされています。
休止中であっても防災要員を自宅に待機させることは認められません。
この記事の結論
- 防災要員は必ずしも化学消防車に乗車できるものに限られませんが、直ちに防災活動を行えるよう措置する必要があります
- 小型消防車が義務の第二種事業所に普通消防車を備える場合、5人の防災要員を置かなければなりません
- 休止中の石油貯蔵所等に係る防災要員を自宅から駆け付けさせることはできません
- 大型化学高所放水車と普通消防車の場合の泡消火薬剤は、大型化学消防車に基づいて算定します
- オーバーホールで車両を持ち込む場合は、原則として代替車両を準備させます
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目次
防災要員は全員が乗車できなければならないか

化学消防車には定員があります。防災要員の数がそれを超えることがあります。
乗り切れない人がいる体制は認められるのか。
問 防災要員は化学消防車に乗車できる人員に限られるか。
答 必ずしも乗車できるものに限られないが、防災要員が直ちに防災活動を行えるよう措置する必要がある。
車の定員で人数が縛られるわけではありません。
ただし条件が付きます。防災要員が直ちに防災活動を行えるよう措置すること。
措置という言葉が具体的に何を指すかは書かれていませんが、読めば分かります。別の移動手段か先行配置が要ります。乗れない人が徒歩で追いかけるのでは、直ちにになりません。
前の記事で見た防災要員の要件に、おおむね10分以内に災害現場に到着できる体勢というものがありました。乗車の可否ではなく、着けるかどうかで見ています。
乗り切れなくても構わないのですね。
直ちに活動できる措置が条件です。
参集の方法を、手順に書いておいてください。
代替の防災資機材を備えた場合の要員数

上位の車両を置くのだから、要員は小型消防車の基準でよいのか。
問 小型消防車を備え付けるべき第二種事業所において普通消防車を備え付ける場合、防災要員の数はどのようになるか。
答 5人の防災要員を置かなければならない。
実際に備え付けた車両の基準が適用されます。義務づけられていた車両の基準ではありません。
上位の車両を置けば、それを動かすための人も要ります。普通消防車は5人。
良かれと思って大きな車を入れると、人員の負担が増えるということです。設備を上げると体制も上がります。
前の記事で見た固定放射設備への代替でも、防災要員は減らせませんでした。代替という言葉が付いても、軽くなる方向には働かない、という共通点があります。
置いた車の基準に従うのですね。
上位の車を置けば人も増えます。
増備の前に、必要な人数を確かめてください。
休止中でも自宅からの駆け付けは駄目か

自宅で待機させ、何かあれば駆け付ける形にできないか。
問 休止中の石油貯蔵所等に係る防災要員を自宅から駆け付けさせることとしてよいか。
答 できない。
一言で否定されました。
前の記事で見たとおり、休止していても法令で規定する防災要員の数は必要です。数が必要なら、いる場所も必要になります。
自宅からでは、おおむね10分以内という要件を満たせません。休止中だから緩めてよい、という論理は通りませんでした。
実務では、長期休止に入るときこそ人の配置が緩みます。許可を返上して施設を廃止しない限り、体制は続きます。
休止中でも、自宅待機はできないのですね。
人数が必要だからです。
休止の計画は、体制とあわせて考えてください。
大型化学高所放水車の場合の泡消火薬剤

その場合、備えるべき泡消火薬剤の量はどう算定するのか。
問 大型化学高所放水車及び普通消防車を備え付ける場合の泡消火薬剤の量は、大型化学消防車に基づいて算定すると解してよいか。
答 お見込みのとおり。
代替したあとの車両ではなく、代替される前の大型化学消防車に基づいて算定します。
考え方は前の項目と対になっています。
防災要員は、実際に置いた車両の基準で数えました。泡消火薬剤は、元の車両の基準で数えます。
違いは何を守ろうとしているかです。要員はその車を動かすために要ります。薬剤は想定する火災を消すために要ります。車を替えても、消すべき火災の大きさは変わりません。
代替措置を使うときは、この2つの数え方が同時に動くと押さえておく必要があります。
薬剤は、元の車を基準に数えるのですね。
代替の前で計算します。
備え付けの根拠を、記録に残してください。
オーバーホールで車両を持ち込むとき

その間、構内には車がありません。どうすればよいか。
問 オーバーホールのため艤装メーカーに車両を持ち込む場合の措置について示されたい。
答 代替車両を準備させること。ただし、他の事業所等による緊急応援体制、他の防災資機材等の保有状況等を勘案し、防災体制が整えられていると客観的に認められる場合はこの限りでない。
まず原則が立てられています。代替車両を準備させること。
ただし書きに逃げ道が用意されています。他の事業所等による緊急応援体制。他の防災資機材等の保有状況。これらを勘案して、防災体制が整えられていると客観的に認められる場合。
鍵になるのは客観的にという語です。自社でそう考えているだけでは足りません。外から見て整っていると分かる形が要ります。
応援協定の書面、応援側の車両の保有状況、到着までの時間。オーバーホールの計画を立てる段階で、これらを揃えて相談するのが実務的です。
この記事の5つを並べると、一貫した見方が出てきます。乗れなくてもよいが着けること。上位の車を置けば人も増えること。休止中でも構内にいること。薬剤は火災の大きさで数えること。そして車がない期間を作らないこと。
整備の間も、原則は代替の車なのですね。
例外には説明が要ります。
応援の体制を、書面で用意しておきましょう。
よくある質問
Q防災要員は全員が消防車に乗れないと駄目ですか?
A回答は、必ずしも乗車できるものに限られないが、防災要員が直ちに防災活動を行えるよう措置する必要があるとしています。乗車の可否ではなく現場に着けるかどうかで見られます。
Q上位の車両を備えれば要員は少なくて済みますか?
A回答は、小型消防車を備え付けるべき第二種事業所において普通消防車を備え付ける場合、5人の防災要員を置かなければならないとしています。実際に備えた車両の基準が適用されます。
Q休止中も構内に人を置き続けるのですか?
A回答は、休止中の石油貯蔵所等に係る防災要員を自宅から駆け付けさせることはできないとしています。休止していても法令で規定する防災要員の数は必要とされています。
Qオーバーホール中は車がなくても仕方ないのでは?
A回答は、代替車両を準備させることとしたうえで、他の事業所等による緊急応援体制や他の防災資機材等の保有状況等を勘案し防災体制が整えられていると客観的に認められる場合はこの限りでないとしています。
まとめ
- 防災要員は必ずしも乗車できるものに限られません
- ただし直ちに防災活動を行えるよう措置する必要があります
- 普通消防車を備えるなら5人の防災要員が要ります
- 休止中の防災要員を自宅から駆け付けさせることはできません
- 泡消火薬剤は大型化学消防車に基づいて算定します
- オーバーホール時は原則として代替車両を準備させます
- ただし防災体制が客観的に認められる場合はこの限りではありません
人は置いた車で数えて、薬剤は元の車で数えるのですね。
すっきりしました。
オーバーホールの計画は、応援体制の書面を揃えてから相談してください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和63年1月19日 消防特第15号)
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第7条・第10条・第15条
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年代のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




