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単口の消火栓2基を双口とみなせるか|検査手数料の算定と小規模な変更の範囲

単口の消火栓2基を双口とみなせるかを解説するアイキャッチ画像

消火栓を2基並べて置けば、双口の消火栓の代わりになるのか。
回答は条件付きで認めました。
分かれ目は、同一の箇所で操作できる範囲に置いてあるかどうかです。
つまり1人が動かずに両方を扱えるかで決まります

単口の消火栓を2基置けば、双口1基とみなしてもらえるでしょうか。

同一の箇所で操作できる範囲に設置する場合に限り、双口の消火栓と同様の取扱いをしてさしつかえないとされました。

ポンプを同じ能力のものに取り替えるだけでも、検査手数料は満額でしょうか。

同一能力の取替えは基本額のみです。
配管の総延長が変わる工事は基本額に配管総延長ぶんが加わります。

この記事の結論
  • 単口の消火栓2基は、同一の箇所で操作できる範囲に設置する場合に限り双口の消火栓と同様に扱えます
  • 地下埋設配管の「路面」は、危険物の規制に関する規則第1条に定める道路の路面を指します
  • 加圧ポンプを同一能力のものに取り替える場合の検査手数料は基本額のみです
  • 配管の総延長が変わる工事は、基本額に配管総延長に応じた額が加わります
  • 既設配管上の消火栓の増設や移設と、貯水槽等の改造や増設は小規模な変更に該当します

単口2基を双口とみなせるか

単口の消火栓2基を同一の箇所で操作できる範囲に設置すれば双口と同様に扱えることを示したイメージ
昭和62年1月12日付けの消防地第12号の続きです。
消火用屋外給水施設の消火栓には単口と双口があります。
単口を2基設ければ、双口1基と同じに扱ってもらえるのか。
問 単口の消火栓2基をもつて双口の消火栓とみなすことができるか
答 同一の箇所で操作できる範囲に設置する場合に限り、双口の消火栓と同様の取扱いをしてさしつかえない
操作できる範囲が条件です
数を揃えれば足りるのではありません。同一の箇所で操作できる範囲に設置することが求められています。
双口の消火栓は、1つの本体に口が2つあります。1人がその場で2本のホースを扱えます。単口2基でそれと同じ状態を作るには、2基が近くになければなりません。
離れた場所に2基あっても、それは単口が2か所にあるだけです。機能が同じかどうかで判断されます
これまで見てきた回答と同じ筋です。媒介金具も、オイルフエンスも、形ではなく現場で働くかどうかで結論が分かれてきました。

同じ箇所で操作できることが条件なのですね。

数だけでは足りません。
設置の位置を、図面で確かめてください。

地下埋設配管でいう路面とはどこか

地下埋設配管の路面は危険物の規制に関する規則第1条に定める道路の路面を指すことを示したイメージ
前の記事で見たとおり、地下埋設配管には路面との距離の基準があります。
配管保護構造物の外面と路面との距離は1.5メートル以下としないこと、とされていました。
この路面が、どの路面を指すのか。
問 地下埋設配管に係る「路面」とは、危険物の規制に関する規則第1条に定める道路の路面と解してよいか
答 お見込みのとおり
規則第1条の道路です
構内のあらゆる舗装面ではありません。危険物の規制に関する規則第1条に定める道路の路面を指します。
この確認には実務上の意味があります。構内には、車が通る道路のほかに、機器の周りの舗装や作業スペースがあります。それらすべてを路面として扱うと、埋設深さの制約が構内全域にかかってしまいます。
定義が絞られたことで、どこを測ればよいかがはっきりします
設計時は、規則第1条に当たる道路を図面上で色分けしておくと、あとの協議が早く進みます。

路面にも定義があるのですね。

規則の道路を指します。
埋設の深さを、道路の区分ごとに確認してください。

検査手数料は工事の内容でどう変わるか

配管の総延長が変わるかどうかで検査手数料の算定が変わることを示したイメージ
3つの工事について、検査手数料の算定が問われました。
加圧ポンプを同一能力のものに取り替える場合。消火栓2基と配管10メートルを撤去する場合。配管ルートを変更して総延長が減る場合。
問 次の工事に係る検査手数料の算定はどのようになるか
(1) 加圧ポンプを同一能力のものに取り替える場合
(2) 消火栓2基及び配管10メートルを撤去する場合
(3) 配管ルートの変更により総延長が減少する場合
答 (1) 基本額のみ
(2) 基本額+配管総延長に応じた額
(3) 基本額+配管総延長に応じた額
配管が動くかどうかです
3つを並べると基準が浮かびます。
(1)は基本額のみ。ポンプを同じ能力のものに替えるだけで、配管は動きません。
(2)と(3)は基本額に配管総延長に応じた額が加わります。撤去でも、ルート変更で総延長が減る場合でも同じです。
増えるか減るかは関係ありません。総延長が変わる工事であれば加算されます。撤去だから安くなる、とはなりません。
見積もりを立てるときは、工事の規模ではなく配管総延長が動くかどうかで区別しておくと、金額の見当を外しません。

配管が動くかどうかで分かれるのですね。

3つの例で線が見えます。
工事の内容を、この観点で分類してください。

小規模な変更で基本額のみになるもの

既設配管上の消火栓の増設や貯水槽の改造は小規模な変更に該当し配管の移設は該当しないことを示したイメージ
小規模な変更に当たれば基本額のみで済みます。
4つの工事について、該当するかどうかが問われました。
問 次のうち小規模な変更に該当し基本額のみとなるものはどれか
(1) 既設配管上の消火栓の増設又は移設
(2) 配管延長に伴う消火栓の増設
(3) 配管の移設
(4) 貯水槽、取水ピット又は自然水利取水口の改造又は増設
答 (1)及び(4)は該当する
(2)及び(3)は該当しない
ここでも配管が基準です
前の項目とまったく同じ線が引かれています。
該当する(1)は、既設の配管の上に消火栓を足したり動かしたりするだけです。配管そのものは動きません。(4)の貯水槽や取水ピットも配管の外側の話です。
該当しない(2)は配管延長を伴います。(3)は配管の移設そのものです。
つまり配管に手を入れるかどうかで切っています。消火栓を増やすという同じ行為でも、既設配管上なら小規模、配管を延ばすなら小規模ではありません。
工事を計画する段階で、既設配管の範囲で収まるかどうかを先に確かめると、手数料の見通しが立ちます。

小規模な変更でも、同じ基準なのですね。

既設の配管の範囲かどうかです。
計画の段階で、範囲を確かめてください。

泡消火薬剤を3事業所で共同保管できるか

近接する3つの油槽所が泡消火薬剤を共同して保管できることを示したイメージ
近接する3つの油槽所が、泡消火薬剤を1か所にまとめて置きたい。
敷地は350メートル×240メートルの範囲に収まっています。
問 近接する3の油槽所において泡消火薬剤を共同して保管することができるか
答 防災活動上、一の事業所と同様の条件にあり、共同して保管してさしつかえない
一の事業所と同様なら可です
認められました。理由は距離ではなく状態で述べられています。防災活動上、一の事業所と同様の条件にあること。
数字で線が引かれていない点に注意してください。350メートルだから認められた、という書き方ではありません。取りに行って間に合うかどうかが実質です
前の記事で見た3点セットの分散配置は認められませんでした。あちらは車両を1台ずつ離して置く話で、揃わなければ機能しません。
泡消火薬剤は、必要なときに現場へ運べれば足ります。だからまとめて置ける。物の性質によって、集約してよいものと分けてはいけないものが分かれます。

共同での保管が認められた例もあるのですね。

距離ではなく状態で判断されました。
共同化の検討は、条件から整理してください。

よくある質問

Q単口を2基置けば双口として認められますか?
A回答は、同一の箇所で操作できる範囲に設置する場合に限り双口の消火栓と同様の取扱いをしてさしつかえないとしています。離して置いた場合は該当しません。
Q撤去工事なら手数料は安くなりませんか?
A回答は、消火栓2基及び配管10メートルを撤去する場合も基本額に配管総延長に応じた額が加わるとしています。配管ルートの変更で総延長が減少する場合も同じです。
Q消火栓を増やすのは小規模な変更ですか?
A回答は、既設配管上の消火栓の増設又は移設は該当するが、配管延長に伴う消火栓の増設は該当しないとしています。既設配管の範囲で収まるかどうかが分かれ目です。
Q泡消火薬剤をまとめて置いてよいのですか?
A回答は、防災活動上、一の事業所と同様の条件にあり共同して保管してさしつかえないとしています。距離そのものではなく防災活動上の条件で判断されます。

まとめ

  • 単口2基は同一の箇所で操作できる範囲なら双口と同様に扱えます
  • 地下埋設配管の路面は規則第1条に定める道路の路面です
  • 加圧ポンプの同一能力での取替えは基本額のみです
  • 撤去やルート変更でも総延長が変われば加算されます
  • 既設配管上の消火栓の増設や移設は小規模な変更に該当します
  • 配管延長に伴う増設と配管の移設は該当しません
  • 泡消火薬剤は防災活動上一の事業所と同様の条件なら共同保管できます

手数料の分かれ目が、配管に手を入れるかどうかで一貫しているのですね。
すっきりしました。

工事の計画段階で既設配管の範囲に収まるか見ておくと見積もりが安定します。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

参考・出典

  • 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和62年1月12日 消防地第12号)
  • 消火用屋外給水施設の設置に関する運用指針について(昭和52年10月6日付け 消防地第204号 消防庁地域防災課長通知)
  • 危険物の規制に関する規則第1条
  • 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令
  • 消防実務六法 質疑応答編

※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年代のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。

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