大規模地震のたびに、電気に起因する火災が大きな割合を占めてきました。
感震ブレーカーはこの電気火災を防ぐ機器ですが、種類や性能はひとつではありません。
消防庁は内閣府・経済産業省と連携し、機器の選び方と設置の優先順位を性能評価ガイドラインにまとめました。
感震ブレーカーは種類ごとに守れる範囲が違い、設置を急ぐべき街も決まっています。
うちも感震ブレーカーをつけた方がいいんですかね。
種類によって守れる範囲が違います。
何を基準に選んだらいいんですか。
国の性能評価ガイドラインに基準があります。
- 感震ブレーカーは分電盤タイプ・コンセントタイプ・簡易タイプの3種類に分かれます。
- 出火予防性能は感震遮断性能と予防範囲の2つの必須項目で評価されます。
- 分電盤タイプと簡易タイプは屋内配線全体を守り、コンセントタイプは設置箇所だけを守ります。
- 避難安全等確保機能は照明確保と通電継続回線確保という選択項目です。
- 設置は地震時等に著しく危険な密集市街地から優先されます。
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目次
感震ブレーカーはなぜ検討会で取り上げられたのか

兵庫県南部地震や東北地方太平洋沖地震のあと、国はようやく本格的な対策に乗り出しました。
兵庫県南部地震では、原因が分かった火災の半数以上が電気に起因していました。
東北地方太平洋沖地震でも、津波火災を除く出火の主な要因は電気関係でした。
電熱器具の転倒や配線の損傷、停電からの復電が、代表的な出火のきっかけです。
この教訓を踏まえ、内閣府・消防庁・経済産業省が連携して検討会を設けました。
検討会がまとめたのが、感震ブレーカー等の性能評価ガイドラインです。
地震で電気の火災が多いとは知りませんでした。
停電からの復電も要注意なんです。
感震ブレーカーにはどんな種類があるのか

ガイドラインは機器を大きく3つのタイプに整理しています。
分電盤タイプは、感震機能付き分電盤の民間規格にもとづく自主認定品で、電気工事士による工事が必要です。
コンセントタイプは、コンセントに内蔵したセンサーで、そのコンセントからの電力供給だけを遮断します。
埋込型は電気工事が必要ですが、コンセントに差し込むだけのタップ型は工事が要りません。
簡易タイプは、既存の分電盤に重りやバンドを取り付けてブレーカーを操作する補助器具で、工事は不要です。
どのタイプを選ぶかで、電気工事の手配や費用の見積もりが変わります。
うちは古い建物で、工事はハードルが高いです。
それなら簡易タイプも選べます。
出火予防の範囲はタイプでどう変わるのか

「つけたから安心」ではなく、範囲まで確認することが欠かせません。
分電盤タイプと簡易タイプは、屋内配線を含めて建物全体の出火を予防できます。
コンセントタイプは、そのコンセントにつないだ電熱器具等しか守れません。
未設置のコンセントや、コンセントまでの屋内配線は対象外のままです。
危険性の高い電熱器具のまわりに絞って設置すれば、コンセントタイプでも実質的な効果は高まります。
自宅のどこにどんな出火リスクがあるかを、まず洗い出しておくことが最初の一歩です。
コンセントに付けるだけでは足りないんですね。
危険な機器の周りから優先しましょう。
性能はなにを基準に評価されるのか

必須の項目と、利用者が選べる項目に分かれています。
出火予防性能は、感震遮断性能と予防範囲の2項目で構成される必須項目です。
避難安全等確保機能は、照明確保機能と通電継続回線確保機能という付加的な機能です。
夜間に停電しても最低限の照明を残せるかどうかは、この選択項目で決まります。
在宅用医療機器のように止められない機器があるなら、通電継続回線確保機能も確認します。
カタログや認定マークで、どの項目をどこまで満たしているかを確かめておきましょう。
医療機器を使っている部屋があるんですが。
通電継続回線確保機能付きを検討しましょう。
設置はどの建物から優先されるのか

地域の危険度に応じて、扱いが「勧告」と「推奨」に分かれています。
延焼危険性や避難困難性が特に高い密集市街地は、設置が勧告される地域です。
それ以外の延焼のおそれのある密集市街地やその他の地域は、設置が推奨される地域です。
古い木造住宅が建て詰まった街ほど、消防活動や避難の困難さが増します。
自分の建物がどちらの地域にあたるかは、地方公共団体の公表資料で確認できます。
復電の際はガス漏れの有無や配線の損傷を確認してから、電気の使用を再開してください。
うちの町がどちらか分かっていませんでした。
自治体の公表資料で確認できます。
よくある質問
まとめ
感震ブレーカーのタイプから見直します!
設置場所の確認からお手伝いします。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
※本記事は公表されている内閣府・消防庁・経済産業省の資料に基づく一般的な解説です。製品の選定や設置は、性能評価ガイドラインに適合する製品かどうかを個別に確認してください。設置工事が必要なタイプは、電気工事士などの専門家にご相談ください。





