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消防検査はなぜ設計図書や試験結果報告書と照合しながら行われるのか|消火器だけ立会いが不要になることがある理由も解説

消火器と設計図書のクリップボードを並べた消防検査のアイキャッチ画像

消防用設備等の工事が完了すると、防火対象物の関係者は消防長や消防署長が行う検査を受けます。
この検査は設備そのものを見るだけでなく、届け出た設計図書や試験結果報告書と照らし合わせながら進められます。
立会いの要否や検査中の心がけにも、消防庁の通知が細かい留意事項を定めています。
今回は消防用設備等の検査がどんな手順と留意事項で進められるのかを解説します。

消防検査ってただ設備を見て回るだけじゃないんですか?

いえ、実は届出書類との照合も検査の大事な仕事なんですよ。

立会いも毎回必要になるんですよね。

原則はそうですが、消火器だけ例外があります。
まずは照合の仕組みから見ていきましょう。

この記事の結論
  • 検査は設計図書・試験結果報告書と照合しながら行います
  • 検査は原則として関係者と消防設備士等の立会いのもとで行います
  • 工事を要さない消火器等は立会いをさせないことができます
  • 検査中は危害防止に注意し、終了後はすみやかに元の状態へ戻します
  • 使用中の建物で検査するときは在館者への周知を徹底します

消防検査が照合から復旧まで進む手順を示す図解

なぜ検査は設計図書や試験結果報告書と照合しながら行われるのか

平面図と設備を見比べながら検査する図
検査は設備そのものを見るだけでなく、届け出られた書類とも突き合わせて行われます。
図面どおりに設置されているかを、書類の内容と現場で確かめる仕組みです。
検査は、防火対象物の関係者から提出された消防用設備等設置届出書(当該届出書に添付された設計図書、試験結果報告書を含む。)と照合しながら行うこと。(平成14年9月30日消防予第283号「消防用設備等の試験基準に係る運用について」記3(1)ア)
検査は設置届出書に添付された設計図書・試験結果報告書と照合しながら行います。
消防長や消防署長は、あらかじめ提出された平面図配管及び配線の系統図を手元に置き、現場の設備と見比べます。
試験結果報告書に書かれた数値も同じように、実際の機器の状態と食い違いがないかを確かめる材料になります。
つまり検査は現場だけでも書類だけでも完結せず、両方を照らし合わせて初めて成り立つ仕組みだということです。

図面と現場、両方をちゃんと見比べてもらえるんですね。

はい、書類の不備もこの段階で見つかります。
次は立会いの原則を見ていきましょう。

検査にはなぜ原則として立会いが必要なのか

受付カウンターと点検用の工具箱を並べた図
検査は原則として、関係者と消防設備士等がそろった状態で行われます。
これは検査官だけで進めるのではなく、設備を知る人が同席する仕組みです。
検査は、原則として防火対象物の関係者及び試験結果報告書を作成した消防設備士等の立会いの上で行うこと。(同「消防用設備等の試験基準に係る運用について」記3(1)イ)
検査は原則として関係者と消防設備士等の立会いのもとで行います。
立ち会うのは防火対象物の関係者と、試験結果報告書を作成した消防設備士等の二者です。
設備を設置した消防設備士等が同席すれば、その場で操作方法や不明点をすぐに確認できます。
書類の照合だけでは分からない現場の事情も、立会いがあることで検査官に伝わりやすくなります。

立会いって毎回必要になるものなんですか。

原則はそうですが、例外もあるんです。
次はその例外を見てみましょう。

消火器だけ立会いが不要になることがあるのはなぜか

単体で置かれた消火器と許可マークの図
立会いには例外があり、消火器はその代表例です。
工事を伴わない設備は、立会いをさせない扱いが認められています。
ただし、設置に係る工事を要さない消火器等の消防用設備等にあっては、当該設備等に係る消防設備士等の立会いをさせないことができること。(同「消防用設備等の試験基準に係る運用について」記3(1)イただし書)
工事を要さない消火器等は立会いをさせないことができます。
配管や配線の設置工事を伴わない消火器のような設備は、置くだけで設置が完了します。
現場で説明しなければならないような工事上の判断が生じにくいため、消防設備士等の立会いを省く扱いが認められています。
すべての消火設備が対象ではなく、あくまで工事を要さないものに限られる点には注意が必要です。

消火器だけ楽になるのは工事の有無が理由なんですね。

はい、工事の有無で線引きされています。
次は検査中の注意点を見ていきましょう。

検査中や検査が終わったあとになぜ気をつけることがあるのか

注意標識とバルブを元に戻す図
検査そのものにも、進め方の注意点が定められています。
終わったあとの現場の扱いまで含めて、通知に書かれています。
検査実施時における危害防止に留意して行うこと。検査終了後は、すみやかにその開始前の状態に復しておくこと。(同「消防用設備等の試験基準に係る運用について」記3(1)ウ・エ)
検査中は危害防止に注意し、終了後はすみやかに元の状態へ戻します。
放水試験や作動試験を伴う検査では、思わぬ事故につながらないよう安全確保が求められます。
検査のために操作した弁やスイッチ、取り外した部材は、検査が終わればすぐに開始前の状態へ戻します。
検査を理由に設備が使えない時間をできるだけ短くすることが、この決まりの狙いです。

検査のあと放置されたままだと困りますもんね。

はい、復旧の早さも検査の質のうちです。
最後は使用中の建物での注意点です。

すでに使われている建物で検査をするときはなぜ周知が必要なのか

掲示板の案内と建物の入口を示す図
テナントや入居者がいる建物では、検査そのものが不安の種になることもあります。
在館者への周知も、通知が定める大切な項目の一つです。
既に使用中の防火対象物の検査を行うときは、滞在者にその旨を十分に周知徹底させておくこと。(同「消防用設備等の試験基準に係る運用について」記3(1)オ)
使用中の建物で検査するときは在館者への周知を徹底します。
警報音を鳴らす試験や、通路をふさぐような作業があれば、事情を知らない滞在者が驚いてしまいます。
検査の日時や内容をあらかじめ知らせておけば、問い合わせや混乱を減らすことができます。
管理権原者と検査を受ける側が、事前の案内を分担して進めておくことが望まれます。

うちのテナントさんにも事前に伝えておいた方がよさそうです。

はい、一言の案内でトラブルを防げます。
これで検査の流れがひととおりつながりましたね。

よくある質問

Q検査ではどんな書類と照らし合わせますか?
A設置届出書に添付された設計図書試験結果報告書を照合しながら検査します。
Q検査の立会いは誰が行いますか?
A原則として防火対象物の関係者と、試験結果報告書を作成した消防設備士等が立ち会います。
Q消火器の検査でも必ず立会いが必要ですか?
Aいいえ。工事を要さない消火器等については、消防設備士等の立会いをさせないことができます。
Q使用中の建物で検査を行うときはなにに気をつけますか?
A検査を行う旨を滞在者に十分周知したうえで、危害防止に留意しながら行います。

まとめ

検査は設計図書・試験結果報告書と照合しながら行う
照合の対象は平面図配管及び配線の系統図
検査は原則として関係者と消防設備士等の立会いのもとで行う
工事を要さない消火器等は立会いをさせないことができる
検査実施時は危害防止に留意する
検査終了後はすみやかに開始前の状態へ復する
使用中の建物では滞在者への周知を徹底する

検査の一つひとつに、ちゃんと理由があるんですね。

検査当日の立会いまでお手伝いできます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第31条の3第2項(消防用設備等又は特殊消防用設備等の届出及び検査)
  • 消防用設備等の試験基準に係る運用について(平成14年9月30日消防予第283号)記3

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。運用は所轄消防署ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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