危険物施設の検査手数料はタンクを何基として数えるかで金額が変わります。
不合格になって日時を改めて受け直す場合や、内部に間仕切があるタンクの扱いは特に迷いやすいところです。
特定屋外タンク貯蔵所では新基準への適合工事を何回かに分けて行うことがあり、そのときの手数料の考え方も問題になります。
この記事では検査手数料の数え方と調査の進め方を消防庁の通達に沿って整理します。
水圧検査が不合格で日を改めて受け直すんやけど、手数料はもう一回いるんか。
いります。
昭和37年11月30日付け自消丙予発第125号で、再検査を行なう場合は新たに手数料を徴収するとされています。
ほな間仕切があるタンクは。2か所で検査するから2件分になるんちゃうか。
そこは1件です。
タンクの検査手数料は間仕切の数に関係なく一つのタンクとして取り扱うとされています。この記事でまとめて解説します!
- 水圧検査が不合格となり日時を改めて再検査を行う場合は新たに手数料を徴収する
- タンクの検査手数料はタンクの間仕切の数に関係なく一つのタンクとして取り扱う
- 段階的に新基準に適合させるための変更の工事が行われる場合は先行して行われる変更の内容についても特定屋外タンク貯蔵所の手数料が適用される
- 基礎・地盤は新基準に適合していないがタンク本体の構造が新基準に適合している場合の変更許可の手数料は特定屋外タンク貯蔵所以外の屋外タンク貯蔵所の手数料としてよい
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目次
再検査を行う場合は新たに手数料を徴収する

昭和37年11月30日付け自消丙予発第125号は、危険物の規制に関する政令第40条の手数料の額について二つの場面を問うたものです。
ひとつめは1基のタンクの水圧検査を行なつたが、不合格となり、日時を改めて再検査を行なう場合、タンク1基分の手数料でよいか、又は2件分として手数料は2倍となるかという問いです。
やり直しの分は改めて必要になります。
1基のタンクについての検査であっても、検査という行為が二度行われる以上、それぞれについて手数料が生じるという整理です。
手数料はタンクの数ではなく検査という行為に対して生じるものだという考え方がここに表れています。
一度で通るように準備しておくことが、そのまま費用の抑制につながることになります。
間仕切があっても一つのタンクとして取り扱う

同じ通達のふたつめの問いは、10,000リットルの地下タンクに間仕切がある場合、タンク1基分の手数料500円でよいか、又は2箇所において水圧検査を行なう立場から、2件分として、手数料は1,000円となるかというものです。
内部が仕切られていると検査は事実上2回分の手間になります。それでも1基と数えるのかという問題です。
中の仕切りは基数に影響しません。
なお設問のタンクの水圧検査手数料は1,000円であるとされています。
間仕切の数で数えないという結論と、設問のタンクの手数料が1,000円になるという説明が併記されている点に注意が必要です。
基数は容器の外形で数え、金額はタンクの容量に応じて決まるという二段構えの仕組みになっているためです。
段階的な新基準適合工事は先行分にも特定屋外タンク貯蔵所の手数料が適用される

平成7年5月24日付け消防危第49号の手数料関係では、特定屋外タンク貯蔵所の新基準適合工事が取り上げられています。
問われたのは旧基準の特定屋外タンク貯蔵所において、新基準に適合させるための変更の工事をまずタンク本体について実施し、さらに次の開放時に地盤について実施する場合、先行して行われる変更の許可等の手数料についてです。
先行する工事も特定扱いになります。
工事を分けたからといって、先の回だけ安い区分になるわけではないという整理です。
大型タンクは開放できる時期が限られるため、工事を数年がかりで分けて行うことが珍しくありません。
そうした事情があっても、施設が特定屋外タンク貯蔵所である以上はその区分の手数料で通すという考え方です。
タンク本体だけが新基準に適合しているなら特定屋外以外の手数料でよい

同じ通達ではもう一つ、逆の場面が問われています。
基礎・地盤は新基準に適合していないがタンク本体の構造が新基準に適合している旧基準の特定屋外タンク貯蔵所の場合、タンク本体に係る変更の許可の手数料は、特定屋外タンク貯蔵所以外の屋外タンク貯蔵所の手数料としてよいかという照会です。
この場合は安い区分で構いません。
タンク本体が既に新基準に適合しているのであれば、その本体に係る変更については特定屋外タンク貯蔵所としての手数料までは求めないという判断です。
前のH2と合わせて読むと、これから新基準に適合させるための工事か、既に適合している部分の変更かで扱いが分かれていることが分かります。
同じ施設でも工事の中身によって手数料の区分が変わる、という点が実務上の要点です。
基礎地盤の調査はボーリングも土質調査も原則1基当たり3箇所以上

平成7年3月30日付け消防危第29号では、特定屋外タンク貯蔵所の調査方法について具体的な目安が示されています。
実務で問われやすいのは調査をどれだけの箇所で行えばよいのかという点です。
- ボーリング調査の箇所数 原則として1基当たり3箇所以上とされている
- 基礎の局部的なすべりに関する土質調査 原則として1基当たり3箇所以上とし、1箇所当たり3供試体とされている
- 側板の実板厚 測定の箇所と方法についても具体的な考え方が示されている
回答は差し支えないとされ、別紙にまとめる方法が認められています。
記入すべき事項を別紙にまとめて記載することで、複数基をまとめて届け出ることができます。
調査の箇所数は1基当たり3箇所以上という原則で押さえておくと見通しが立ちます。
届出の様式についても、基数が多い事業所の負担を考えてまとめた記載が認められている点は実務上ありがたい取扱いです。
よくある質問
まとめ
- 水圧検査が不合格となり日時を改めて再検査を行なう場合は新たに手数料を徴収する
- 手数料はタンクの数ではなく検査という行為に対して生じるものと整理されている
- タンクの検査手数料はタンクの間仕切の数に関係なく一つのタンクとして取り扱う
- 段階的に新基準に適合させるための変更の工事では先行して行われる変更の内容についても特定屋外タンク貯蔵所の手数料が適用される
- 基礎・地盤は新基準に適合していないがタンク本体の構造が新基準に適合している場合のタンク本体に係る変更許可の手数料は特定屋外タンク貯蔵所以外の屋外タンク貯蔵所の手数料としてよい
- ボーリング調査は原則として1基当たり3箇所以上とされている
- 基礎の局部的なすべりに関する土質調査は原則として1基当たり3箇所以上とし1箇所当たり3供試体とされている
基数と金額は別の話やねんな。ややこしいけど筋は通っとるわ。
手数料は何に対して生じるのかを押さえると迷いません。
検査という行為ごとに生じ、基数は外形で数え、金額は容量と施設の区分で決まる、という順番です。
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第40条 e-Gov法令検索
- 再検査の手数料について(昭和37年11月30日付け自消丙予発第125号 予防課長から静岡県総務部長あて回答)
- 危険物規制事務に関する執務資料(特定屋外タンク貯蔵所関係)の送付について(平成7年5月24日付け消防危第49号 消防庁危険物規制課長から各都道府県消防主管部長あて)2 手数料関係
- 危険物規制事務に関する執務資料(特定屋外タンク貯蔵所関係)の送付について(平成7年3月30日付け消防危第29号 消防庁危険物規制課長から各都道府県消防主管部長あて)
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)の手数料および特定屋外タンク貯蔵所に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年8月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。手数料の額は改正されている場合がありますので、個別の運用については所轄消防署にご確認ください。




