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屋外貯蔵所で危険物を架台で貯蔵するときの高さはどこまでか|容器を積み重ねる場合との基準の違いを解説

屋外貯蔵所の架台に乗ったドラム缶を担当者が確認するイメージ

屋外貯蔵所で危険物を収納した容器を貯蔵するとき、高さの上限は容器の置き方によって決まります。
そのまま積み重ねる場合と、架台(棚状の設備)に乗せて貯蔵する場合とでは、根拠となる条文も高さの数字も違います。
「積み重ねと同じだろう」と思い込むと、架台の高さの基準を見落とすことがあります。
屋外貯蔵所での貯蔵方法ごとに高さの基準を整理します

屋外の資材置き場にドラム缶を積んでいるんですが、架台を使えばもっと高く積めるんでしょうか。

はい、架台を使うかどうかで高さの上限が変わります
まずは積み重ねの基準から確認しましょう。

てっきり同じ高さの基準が全部に当てはまると思っていました。

実は別の条文がそれぞれ定めています。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 屋外貯蔵所で危険物を収納した容器を貯蔵する高さの上限は、そのまま積み重ねる場合と架台に乗せる場合とで別の条文が定めています
  • 直接積み重ねる場合の高さは規則第40条の2により原則3メートルまでです
  • 危険物の品目や容器の構造によっては、積み重ねの上限が4メートルや6メートルまで緩和されます
  • 架台に乗せて貯蔵する場合は規則第40条の2の5により、危険物の種類を問わず一律6メートルまでです
  • 架台の高さの規定は屋外貯蔵所だけに置かれており、積み重ねの緩和条件とは別の基準であることを混同しないようにします

直接積めば3メートル条件次第で6メートル架台なら一律6メートル架台の規定は屋外限定という図解

屋外貯蔵所で容器のまま貯蔵するとき高さはどう決まるのか

屋外の貯蔵所にドラム缶が並び奥に倉庫が見えるイメージ
屋外貯蔵所で危険物を収納した容器を貯蔵するときも、容器の置き方によって守るべき高さの基準が変わります。
まずは全体の位置づけを条文で確認します。
危険物の規制に関する政令第26条第1項第11号の2
屋外貯蔵所で危険物を貯蔵する場合においては、総務省令で定める高さを超えて容器を積み重ねないこと。
第11号の3
屋外貯蔵所において危険物を収納した容器を架台で貯蔵する場合には、総務省令で定める高さを超えて容器を貯蔵しないこと。
屋外貯蔵所で危険物を収納した容器を貯蔵する方法には、そのまま積み重ねる方法と架台に乗せる方法の2通りがあります
政令第26条第1項は、この2つの方法それぞれについて「総務省令で定める高さを超えて…貯蔵しないこと」という上限を置いていますが、具体的な高さの数字は条文に書かれていません
高さの数字を定めているのは、政令から委任を受けた危険物の規制に関する規則です。
積み重ねの高さは規則第40条の2、架台の高さは規則第40条の2の5と、それぞれ別の条文に置かれています。
ここから、この2つの基準を順番に見ていきます。

積み重ねと架台とで、そもそも条文が違うんですか。

はい、委任のもとになる号自体が別です。
まずは積み重ねの高さから見ていきましょう。

容器を直接積み重ねる場合の高さはどこまでか

ドラム缶を三段に積み重ねた列と測定ゲージを持つ手のイメージ
まずは、容器をそのまま積み重ねる場合の高さから確認します。
条文を見てみます。
危険物の規制に関する規則第40条の2
令第二十六条第一項第三号の二及び第十一号の二の総務省令で定める高さは、第十六条の二の八第二項第五号イ、ロ又はハの規定に基づき蓄電池により貯蔵される危険物を貯蔵する場合を除き、三メートル(第四類の危険物のうち第三石油類、第四石油類及び動植物油類を収納する容器のみを積み重ねる場合(機械により荷役する構造を有する容器のみを積み重ねる場合を除く。)にあつては四メートル、機械により荷役する構造を有する容器のみを積み重ねる場合にあつては六メートル)とする。
容器を直接積み重ねる場合の高さは、原則3メートルまでです
第四類の危険物のうち第三石油類・第四石油類・動植物油類を収納する容器だけを積み重ねる場合は4メートルまで緩和されます。
さらに、機械により荷役する構造を有する容器(フォークリフト等で扱えるパレット式容器など)だけを積み重ねる場合は6メートルまで緩和されます。
同じ「積み重ね」でも、収納する危険物の品目や容器の構造によって上限が段階的に変わることになります。
この規則第40条の2は、屋内貯蔵所(政令第26条第1項第3号の2)と屋外貯蔵所(同項第11号の2)の両方に共通して適用される条文です。

ドラム缶をただ積むだけなら、3メートルが上限ということですね。

そのとおりです。
品目と容器の構造次第で緩和されます。

架台に乗せて貯蔵する場合の高さはどこまでか

金属製の架台に複数段でドラム缶を並べたイメージ
次に、架台に乗せて貯蔵する場合の高さを確認します。
条文はとても短いものです。
危険物の規制に関する規則第40条の2の5
令第二十六条第一項第十一号の三の総務省令で定める高さは、六メートルとする。
架台に乗せて貯蔵する場合の高さは、危険物の種類を問わず一律6メートルまでです
規則第40条の2のような品目や容器構造による場合分けは一切ありません
架台は容器を直接積み上げるのではなく、棚状の構造物が荷重を受け止めるため、積み重ねより高い位置まで貯蔵することが認められています。
ただし高さが認められているのは架台という構造物を使う場合に限られ、床に直接置いて積み重ねる場合とは前提が異なります。
数字だけを見ると積み重ねの機械荷役容器の場合と同じ6メートルですが、根拠となる条文も適用の条件もまったく別です。

架台を使えば、危険物の種類に関係なく6メートルまで置けるんですね。

はい、ただし架台という構造物が前提です。
次は混同しやすい落とし穴を見ます。

積み重ねと架台の6メートルを混同していないか

屋外の架台と屋内倉庫の低い棚を並べて比べるイメージ
積み重ねと架台には、数字以外にも見落としやすい違いがあります。
条文の限定に注目します。
危険物の規制に関する政令第26条第1項第11号の3
屋外貯蔵所において危険物を収納した容器を架台で貯蔵する場合には、総務省令で定める高さを超えて容器を貯蔵しないこと。
架台の高さの規定は、屋外貯蔵所だけに置かれています
政令第26条第1項を見ると、屋内貯蔵所については容器収納(第2号)と積み重ね高さ(第3号の2)の規定はありますが、架台についての規定はありません
一方、積み重ねの高さ(規則第40条の2)は屋内貯蔵所にも屋外貯蔵所にも共通して適用されます。
つまり「積み重ねが6メートルまで緩和できるから、架台も同じだろう」という考え方は、品目や容器構造の条件をそろえないと成り立ちません。逆に「架台なら屋内でも同じように使える」と考えるのも誤りです。
数字が同じ6メートルでも、根拠条文・適用施設・適用条件のどれか一つでも違えば、別々に確認する必要があります。

屋内の倉庫でも架台を組んでいいと思っていました。

屋内貯蔵所に架台の高さの規定はありません
最後に確認の手順をまとめます。

明日から何を確認すればよいのか

担当者がクリップボードを手に架台のドラム缶を確認しているイメージ
ここまでの内容を、実務での確認手順に落とし込みます。
順番に見ていきましょう。 まず、危険物を屋外貯蔵所のどちらの方法で貯蔵しているか(直接積み重ねか、架台か)を確認してください
直接積み重ねている場合は、収納している危険物の品目と容器の構造を確認し、3メートル・4メートル・6メートルのどの区分に当たるかを規則第40条の2に照らして判断します。
架台を使っている場合は、危険物の種類を問わず6メートルが上限になりますが、この規定は屋外貯蔵所だけに適用されることを忘れないでください。
屋内貯蔵所で架台のような設備を使っている場合は、架台の緩和は適用されないため、通常の積み重ねの高さ基準で確認する必要があります。
判断に迷ったら自己判断で高さを決めず、所轄消防署に確認することをおすすめします。

まずは自分の貯蔵所がどちらの方法か確認してみます!

貯蔵の方法ごとの基準を確認してみてください。
次によくある質問をまとめます。

よくある質問

Q屋外貯蔵所で容器を積み重ねるときの高さはどこまでですか?
A原則は3メートルまでです。第四類の第三石油類・第四石油類・動植物油類のみを収納する容器なら4メートル、機械により荷役する構造を有する容器のみなら6メートルまで緩和されます。
Q架台を使えば危険物の種類を問わず6メートルまで貯蔵できますか?
Aはい。規則第40条の2の5により、架台で貯蔵する場合は品目を問わず一律6メートルまでです。ただし架台という構造物を使う場合に限られます。
Q屋内貯蔵所でも架台を使えば同じ高さまで貯蔵できますか?
Aいいえ。架台の高さの規定(政令第26条第1項第11号の3)は屋外貯蔵所だけに置かれており、屋内貯蔵所には対応する規定がありません。
Q積み重ねの高さと架台の高さは同じ条文で決まっているのですか?
Aいいえ。積み重ねの高さは規則第40条の2、架台の高さは規則第40条の2の5という別々の条文で定められています。

まとめ

屋外貯蔵所で危険物を収納した容器を貯蔵する高さの上限は、積み重ねる場合と架台に乗せる場合とで別の条文が定めています
直接積み重ねる場合は規則第40条の2により原則3メートルまでです
品目や容器の構造によっては積み重ねの上限が段階的に緩和されます
架台に乗せて貯蔵する場合は規則第40条の2の5により、危険物の種類を問わず一律6メートルまでです
架台の高さの規定は屋外貯蔵所だけに置かれており、屋内貯蔵所には対応する規定がありません
積み重ねの機械荷役容器の場合と架台の場合はどちらも6メートルですが根拠条文は別です
判断に迷ったら自己判断で高さを決めず、所轄消防署に確認することが実務の基本です

分かりました、貯蔵の方法ごとに高さを確認してみます!

積み重ねと架台の違いを意識してみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第26条第1項
  • 危険物の規制に関する規則第40条の2・第40条の2の5
  • e-Gov 法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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