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混合装置試験弁はなぜ二次側に設けるのか|特定駐車場用泡消火設備の採取位置と標識を解説

特定駐車場用泡消火設備の混合装置試験弁を点検する技術者

特定駐車場用泡消火設備の点検票にある「混合装置試験弁」は、末端試験弁とは役割が異なります。
混合装置の後で泡水溶液を採取し、希釈容量濃度の確認につなげるための弁です。
消防庁の点検基準では、漏れ・損傷・開閉位置・操作性を確認します。
位置と標識を図面・現物・点検票で照合することが、取り違えを防ぐ出発点になります。

混合装置試験弁は、どこに付いている弁ですか。

混合装置の二次側で、採取につなげる弁です。

末端試験弁と混同しないことが大切ですね。

はい。位置と標識をセットで確認します。

この記事の結論
  • 混合装置試験弁は、特定駐車場用泡消火設備で混合後の状態を確認するための弁です。
  • 設置場所は混合装置の二次側で、水溶液を採取しやすい場所とされます。
  • 弁そのものは、漏れ・変形・損傷がなく、正常に開閉できることを確認します。
  • 近くの見やすい場所には、混合装置試験弁である旨の標識が必要です。
  • 操作や復元は、回路と設計図書を理解した点検実施者が行う前提で進めます。

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混合装置試験弁の設置位置と採取と標識の確認手順を示す図解

混合装置試験弁は何を確かめるための弁なのか

特定駐車場用泡消火設備の泡消火薬剤混合装置と配管のイメージ
混合装置試験弁は、泡消火薬剤混合装置の周辺に設けられる点検用の弁です。
名前が似ていても、配管末端で機能を確認する末端試験弁とは確認したい位置が異なります。
消防用設備等の点検要領 第36は、混合装置試験弁について漏れ・変形・損傷、開閉位置、開閉操作の容易さ、常時閉の表示を確認するものとしています。
まず弁の役割を取り違えません。
点検票の項目名だけで判断せず、配管系統と混合装置の位置を設計図書で確認します。
設備担当者は、末端試験弁と同じ用途だと決めつけないよう、点検者へ系統図を渡してください。

末端試験弁とは、確認する場所が違うのですね。

はい。混合後の配管側を確かめるための弁です。

なぜ混合装置の二次側に設けるのか

泡消火薬剤混合装置の二次側配管に設ける試験弁のイメージ
消防予第269号の別添では、混合装置試験弁を有する場合の設置場所を、混合装置の二次側と示しています。
二次側とは、混合装置を通った後の配管側です。
消防予第269号 別添の点検基準は、混合装置試験弁を「混合装置の二次側で水溶液採取作業が容易に行える場所」に設けることを判定事項としています。
採取する場所は混合後です。
混合前の水だけを見ても、泡消火薬剤と水が適切に混ざった状態は確認できません。
ただし、配管の具体的な構成や操作順序は方式ごとに異なるため、図面を見ずに弁を開けないことが重要です。

二次側なら、混ざった後の状態を確認しやすいのですね。

そのとおりです。混合前後の位置関係を図面で押さえます。

水溶液を採取しやすい場所とはどこか

混合装置試験弁から泡水溶液を安全に採取するイメージ
「採取しやすい」は、手が届くという意味だけではありません。
点検時に容器を扱い、配管回路と周囲の安全を確かめられる位置かを、設計図書と現場で見ます。
消防用設備等の点検要領 第36は、混合装置回りのバルブ操作について、回路および充液部・乾式部を設計図書で確認したうえで行い、機構を熟知しないまま調整・整備をしないよう示しています。
採取だけを目的に単独で操作しません。
作業中の漏れや誤操作は、設備の機能確認とは別のリスクになります。
防火管理者は、点検日までに周囲の保管物を片付け、点検に必要な空間が確保されているか確認します。

容器を当てるだけの簡単な作業ではないのですね。

はい。方式ごとの回路確認と復元までが点検です。

なぜ試験弁に標識が必要なのか

混合装置試験弁の近くに設ける見やすい標識のイメージ
駐車場の設備室には、用途の異なる弁や配管が並びます。
外形が似ていても、誤った弁を操作すれば点検の目的を果たせません。
消防予第269号 別添の点検基準は、直近の見やすい箇所に、特定駐車場用泡消火設備の混合装置試験弁である旨の標識を設けることを判定事項としています。
標識は操作の取り違えを防ぐ手掛かりです。
消防庁の現行点検基準でも、混合装置試験弁は独立した確認項目として扱われています。
汚損・脱落で読めない標識を見つけたら、写真と位置情報を残し、点検者に共有してください。

弁の近くに、何の弁か分かる表示が必要なのですね。

はい。見やすい位置の標識まで点検対象です。

点検前後に何を確認すればよいのか

混合装置試験弁の位置と標識を設計図書で照合するイメージ
点検は、弁を見つけて終える作業ではありません。
現物、標識、配管系統、設計図書、点検記録の順に照合すると、確認漏れを減らせます。
消防用設備等の点検の基準 別表第36は、混合装置試験弁について、漏れ・変形・損傷がなく、開閉位置が正常で、開閉操作が容易にできることを確認事項としています。
最後は設計どおりの状態へ復元します。
専門家による点検後は、どの系統を確認し、どの措置をしたかを記録で受け取ります。
防火管理者は、異常の有無と復元確認を受け取り、次回点検に引き継げるよう保管してください。

現物と図面と記録を、まとめて確認するのですね。

はい。操作前後の状態まで残しておくと安心です。

よくある質問

Q混合装置試験弁は全ての設備にありますか?
Aいいえ。点検要領は混合装置試験弁を有する場合を対象としています。現物と設計図書で確認してください。
Q末端試験弁と同じように操作してよいですか?
Aいいえ。末端試験弁とは役割と位置が異なります。方式ごとの手順を点検実施者が確認して操作します。
Q標識が汚れて読めないときはどうしますか?
A写真と位置を記録し、点検者へ共有してください。標識は弁の識別に関わる確認事項です。
Q防火管理者が自分で弁を開けてもよいですか?
A点検要領は、回路と構造を熟知した者が操作・復元することを示しています。独断での操作は避けるのが安全です。

まとめ

✔混合装置試験弁は、混合装置の後の配管側を確認するための弁です。
✔設置場所は混合装置の二次側で、水溶液を採取しやすいことを確認します。
✔弁は漏れ・変形・損傷がなく、正常に開閉できることを見ます。
✔常時閉の表示と見やすい標識を、現物で確認します。
✔方式ごとに回路が異なるため、設計図書を確認してから操作します。
✔防火管理者は、周囲の障害物と点検スペースを事前に整えます。
✔点検後は復元状態と措置内容を記録で引き継ぎます。

次回は位置と標識を、点検記録と一緒に確認します。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている告示・通知に基づく一般的な解説です。設備の方式、設計図書、保守資料や所轄消防機関の運用で対応が異なる場合があります。実際の点検・整備は消防設備士等の専門家および所轄消防署へご確認ください。

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