パッケージ型消火設備には、消火薬剤を放出させるための加圧用ガス容器があります。
点検で見る基準は、容器に入っているガスが窒素か二酸化炭素かで異なります。
同じ加圧用ガス容器でも、窒素は圧力と規定量、二酸化炭素は質量と充てん比を確認します。
容器の種類に合った点検方法を、消防庁の現行点検要領で確認していきます。
加圧用ガス容器は、圧力計だけ見ればよいのですか。
二酸化炭素の容器も同じ方法ですか。
同じではありません。
窒素と二酸化炭素は、点検要領で確認方法が分けられています。
容器の表示を見ても、何を基準にすればよいか迷いそうです。
まず容器のガス種別を確かめます。
その後に、該当する判定方法と記録を照合しましょう。
- 加圧用ガス容器は、窒素と二酸化炭素で確認方法が分かれる
- 窒素は規定のガス量以上で、設定圧力値との差が10%以内かを確認する
- 二酸化炭素は、所定量との差10%以内と充てん比1.5以上が判定基準になる
- 二酸化炭素は容器を計量し、容器と開放装置の質量を差し引いて確かめる
- 点検結果は、容器番号と充てん量を質量票や点検票に記録する
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目次
加圧用ガス容器は何を点検するのか

外形や固定の状態だけでなく、ガス量の確認方法まで決められています。
窒素ガスを用いるもの及び二酸化炭素を用いるものについて、それぞれ確認方法と判定方法が定められています。
点検要領は、加圧用ガス容器を窒素と二酸化炭素に分けています。
圧力計を読む手順が書かれているからといって、すべての容器を同じ方法で判定するわけではありません。
容器の表示と設備の仕様を確認し、どちらの欄を使うのかを先に決めます。
点検を依頼する側も、報告書の容器番号が現場の容器と対応しているかを見ておくと安心です。
容器の色だけで、ガスの種類を判断してよいですか。
色だけで決めず、容器の表示と仕様を確認します。
点検票の容器番号とも照合してください。
窒素のガス量はどう確認するのか

質量測定を指定された窒素容器や封板式では、別の確認方法もあります。
窒素ガスを用いるものは、規定のガス量以上貯蔵され、かつ、周囲温度における設定圧力値との差が10%以内であること。
圧力調整器があるものでは、二次側の点検コック等を閉鎖して容器弁を開放し、一次側圧力計などの指針を読み取ります。
判定時には、周囲温度での設定圧力値との差を確認します。
質量測定を指定された窒素容器では、圧力計だけで済ませず、点検要領にある質量測定の手順に従います。
圧力計の指針が適正範囲外にあるときは、点検要領に従って容器や消火薬剤等の点検へ進みます。
窒素は、圧力計の針だけで合否が決まるのですか。
規定のガス量と圧力差の両方を見ます。
設備の仕様に合う方法で確認しましょう。
二酸化炭素のガス量はどう確認するのか

容器そのものと開放装置の質量を差し引く手順が定められています。
二酸化炭素を用いるものは、所定のガス量との差が10%以内で、かつ、充てん比は1.5以上であること。
点検要領では、連結管や固定用押さえ等を外し、容器ごと計量器に載せて総質量を計ります。
その後、容器質量と開放装置の質量を引きます。
この値をもとに所定量との差と充てん比を確認するため、圧力計の読みだけで代えることはできません。
容器を取り外す作業を伴うため、実施は点検要領に沿って有資格者が行うことが前提です。
二酸化炭素は、なぜ容器ごと計るのですか。
点検要領が、総質量から容器と開放装置の質量を引く手順を定めています。
その手順でガス量を確認します。
点検中に何を取り違えやすいのか

点検中にバルブ類の状態を変えたときは、復元の確認も必要です。
開閉位置が正常で、開閉操作が容易にできること。点検終了後は、元の開閉状態に復元させておくこと。
窒素では規定量以上と設定圧力との差を、二酸化炭素では所定量との差と充てん比を見ます。
この二つを同じ欄や同じ判定で処理しないことが重要です。
また、点検で容器弁や点検コック等を操作した後は、元の開閉状態への復元を確認します。
施設側は、点検中にどの容器を操作したかと、復元確認の有無を報告書で確認するとよいでしょう。
点検のあと、バルブの状態は誰が確認するのですか。
点検要領は、点検終了後に元の開閉状態へ復元するよう定めています。
報告時に復元状態を確認しましょう。
点検結果はどう記録すればよいのか

容器ごとの結果を、後から照合できる形で残します。
結果は質量票、点検票等に容器番号、充てん量を記録しておくこと。
点検票に容器番号と充てん量があることで、現場の容器と結果を対応させられます。
二酸化炭素では質量測定の結果が判定の土台になるため、記録の取り違えを防ぐことが特に重要です。
施設の保管資料では、前回分と今回分で容器番号が継続しているかも確認します。
数値の扱いや不良判定は、設備の仕様と所轄消防機関の運用も踏まえて消防設備士に確認してください。
報告書では、どの欄を先に見ればよいですか。
容器番号と充てん量を先に照合します。
現場の容器と記録が対応しているか確認してください。
よくある質問
まとめ
次の点検では、容器番号とガス種別を先に確認します!
その確認が、正しい点検記録につながります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 総務省消防庁「消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票」
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第28
- 消防用設備等の点検要領(平成14年6月11日消防予第172号、最終改正令和6年9月10日)第28
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。設備の仕様や所轄消防機関の運用により確認事項が異なる場合があります。個別の判断は消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





