パッケージ型消火設備は、設置してからも定期的な点検が義務づけられています。
点検には機器点検と総合点検の2種類があり、確認する内容も深さも異なります。
とくにノズル開閉弁とホースは、この2つの点検で見る中身がはっきり分かれる部分です。
この記事では、機器点検と総合点検それぞれの点検基準を、告示の条文から確認していきます。
うちのパッケージ型消火設備、点検って毎回同じことを確認してるんだと思ってました。
実は機器点検と総合点検で確認する深さが違うんです。
ノズル開閉弁やホースも点検の種類で見方が変わるんですか。
はい、外観の確認と作動の確認は別物として定められています。
- パッケージ型消火設備の点検は機器点検(6月ごと)と総合点検(1年ごと)に分かれます
- 機器点検のホース・ホースリール・ノズル・ノズル開閉弁は、外観と簡易な操作で判別できる範囲の確認にとどまります
- 総合点検では手動式起動操作部を操作して試験用ガスを実際に放射させ、機能そのものを確認します
- 機器点検で異常がなくても、総合点検を行わない限り実際に放射できるかは確認できていません
- 点検の結果は維持台帳に記録し、消防長又は消防署長へ報告する義務があります
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目次
パッケージ型消火設備の点検はなぜ機器点検と総合点検に分かれているのか

現場の判断で回数や内容を省略することはできません。
パッケージ型消火設備については、機器点検は6月ごと、総合点検は1年ごとと告示(平成16年消防庁告示第9号)で示されています。
つまり点検の周期そのものが、機器点検と総合点検で異なる別々のサイクルということです。
周期が違うだけでなく、確認する中身も点検の種類ごとに定められています。
次の章では、まず機器点検でホースやノズル開閉弁の何を確認するのかを見ていきます。
点検の周期って、うちで自由に決めていいものだと思ってました。
いえ、消防庁長官が種類ごとに定める期間が基準です。
機器点検ではホースとノズル開閉弁の何を確認するのか

ホース・ホースリール・ノズル・ノズル開閉弁のそれぞれに項目があります。
ホースは変形・損傷・老化・接続部の緩みがなく、所定の長さであることを目視で確認します。
ノズル開閉弁については、開閉操作が容易にできることだけが機器点検の項目です。
つまり機器点検で見ているのは弁が手で動くかどうかであり、実際にガスや消火薬剤が出るかどうかではありません。
次の章では、この続きにあたる総合点検で何が変わるのかを見ていきます。
ノズル開閉弁は、弁が回ればそれで点検は終わりなんですね。
機器点検はそこまでです。
中身は総合点検で見ます。
総合点検ではノズル開閉弁とホースの何が変わるのか

機器点検にはなかった「放射」という工程が入ります。
ノズル開閉弁は、機器点検の「開閉操作が容易にできること」から一段進んで、試験用ガスが正常に放射されることまで確認します。
ホース及びホース接続部についても、試験用ガスの漏れがないことという機能面の確認が加わります。
ここでの試験用ガスは消火薬剤そのものではなく、消火薬剤を消費せずに機能を確かめるための仕組みです。
次の章では、この機器点検と総合点検の違いを取り違えるとどうなるのかを見ていきます。
総合点検では消火薬剤そのものを実際に放射させるんですか。
いえ、試験用ガスを使い薬剤は消費しません。
機器点検と総合点検を混同するとなぜ見落としが生まれるのか

機器点検の結果だけで「正常に機能する」と判断してしまう例があります。
機器点検のノズル開閉弁は「開閉操作が容易にできること」という外観・操作性の確認にとどまります。
実際にガスを流して試験用ガスが正常に放射されるかを見るのは、総合点検だけです。
6月ごとの機器点検で異常がなかったとしても、年1回の総合点検を行わない限り実際に放射できるかは確認できていません。
次の章では、この違いを踏まえて明日から何をすればよいのかを見ていきます。
機器点検さえ通っていれば、いざというとき安心だと思ってました。
放射できるかどうかは総合点検でしか確認できません。
点検の結果はどう記録し誰に報告すればよいのか

記録と報告までがひとつの義務です。
まず維持台帳に記録することが前提で、点検の経過を後から追えるようにしておく必要があります。
そのうえで、防火対象物の区分に応じて1年に1回または3年に1回、消防長又は消防署長へ報告します。
明日からできることは、機器点検と総合点検それぞれの実施予定日を分けて管理することです。
ホースやノズル開閉弁のように点検の種類で確認内容が変わる部分は、とくにこの区別を意識しておくと見落としを防げます。
機器点検と総合点検、別々に予定を立てたほうがいいんですね。
はい、記録と報告まで含めて管理していきましょう。
よくある質問
まとめ
機器点検と総合点検の違い、これでうちも整理できそうです!
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第31条の6
- 消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類及び点検内容に応じて行う点検の期間、点検の方法並びに点検の結果についての報告書の様式を定める件(平成16年5月31日消防庁告示第9号)
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第28
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





