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BCPで屋上の緊急救助用スペースへ備蓄品を置いてよいのか|消防防災ヘリの救助動線を守る管理手順を解説

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災害用の水や折り畳みベッドを屋上へ運んだところ、黄色い枠と「R」の表示がある場所しか空いていませんでした。
短時間の仮置きなら問題ないのか、どこへ移せばよいのか迷う場面です。
屋上の緊急救助用スペースは、消防防災ヘリコプターによる救助活動を支える場所です。
BCPでは火災と屋上損傷を確認する対象範囲を特定する物品と動線を分ける所轄消防署へ相談するという順番を決めます。

黄色いRの場所へ箱を置いてもええですか?

通常の備蓄場所には使いません

枠の外なら置けますか?

出入口からの通路と周囲の空間も空けます

この記事の結論
  • 緊急救助用スペースは通常の備蓄場所として使いません
  • 最初に火災・煙・屋上の損傷を確認します
  • 黄色い枠だけでなく屋上出入口からの通路と待避場所も確保します
  • 設備追加や他用途への併用は所轄消防署へ事前に相談します
  • 点検結果と復旧条件を残しBCPの屋上管理へ反映します

屋上の緊急救助用スペースを確認して備蓄品を移動する四段階インフォグラフィック

屋上の緊急救助用スペースへ備蓄品を置いてよいのか

備蓄品でふさがれた屋上の緊急救助用スペースを確認する横長アイソメ図

黄色い枠やR表示の内側を通常の備蓄場所として使わないでください
緊急救助用スペースは、消防防災ヘリコプターがホイスト救助などを行う際の活動場所として設けられます。

東京消防庁の「屋上緊急離着陸場等」の基準は、概ね45メートルを超える防火対象物について緊急救助用スペースを設置指導する考え方を示しています。対象や構造、運用は地域ごとの基準と個別協議で決まるため、建物の図面と所轄消防署の指導内容を確認します。

災害時は物資を早く運びたい一方、箱や台車を置けば活動面、進入経路、境界灯の見通しを狭めます。
最初に火災、煙、漏油、外壁や手すりの損傷、落下物を確認し、危険があれば屋上へ立ち入りません。
安全を確認できた範囲で物品を枠外へ移す屋上出入口をふさがない変更点を写真で残すことが初動です。

短時間でも置かない方がええんですね。

はい。
救助活動の空間として空けます

どの屋上と表示と救助動線を対象に確認するのか

屋上出入口から緊急救助用スペースまでの動線を示す横長アイソメ図

黄色い枠だけでなく屋上出入口、連絡通路、待避場所、境界灯、連絡装置まで一組で確認します
図面上の名称が「屋上緊急離着陸場」か「緊急救助用スペース」かも確認します。

  • 黄色い境界線とH・Rなどの表示
  • 屋上出入口から活動場所までの通路
  • 扉の開閉と非常解錠の方法
  • 待避場所と転落防止施設
  • 境界灯や夜間照明設備
  • 連絡装置と屋上の管理番号
  • 機械設備や物品による障害

大阪市消防局の設置指導基準では、緊急救助用スペースは原則として長さと幅をそれぞれ10メートル以上とし、黄色の境界線とR標識を表示する例が示されています。
屋上出入口からは原則として段差のない通路で連絡し、扉は内外から非常解錠できる構造とする基準もあります。
ただし、これは大阪市の基準例です。実際は建物所在地の基準を使う竣工図と届出図を照合する現場寸法を勝手に決めないことが重要です。

Rの枠だけ見ればええと思ってました。

出入口から救助場所までつなげて見ます

発見から物品移動と所轄消防署への確認までどう進めるのか

備蓄品を緊急救助用スペースの外へ移す横長アイソメ図

屋上の安全確認、対象範囲の特定、物品移動、設備確認、消防署への共有まで順番を固定します
強風時や余震中に、重い箱や台車を無理に動かしてはいけません。

  1. 火災、煙、屋上損傷、強風を確認する
  2. 竣工図と届出図で対象範囲を特定する
  3. 枠内と救助動線の物品を数える
  4. 安全な代替保管場所へ物品を移す
  5. 扉、通路、待避場所、境界灯を確認する
  6. 変更や不具合を所轄消防署へ共有する
  7. 確認結果と再使用条件を記録する

東京消防庁の基準は、屋上へ機械設備などを追加して進入表面等へ突出するおそれがある場合、消防署へ相談するよう示しています。
また、運用停止や廃止には届出を求めています。施設側だけで「当面使わない場所」と扱わないことが大切です。
記録には発見時刻と写真移動先と担当者消防署へ確認した内容を残します。

箱を移すだけでは終わらないんですね。

そうです。
設備と届出状態も確認します

枠の外なら置けると思うと何を見落とすのか

屋上の扉と台車と境界灯にある見落としを示す横長アイソメ図

枠外でも出入口、通路、待避場所、照明、連絡装置を妨げる位置には物を置けません
救助活動は床面の枠だけで完結せず、人が屋上へ出て移動し、待機し、連絡する一連の動きで成り立ちます。

  • 開いた扉が通路を狭めている
  • 台車が避難階段からの出口をふさいでいる
  • 折り畳み設備が強風で移動する
  • 境界灯や夜間照明が隠れている
  • 待避場所を物資置場にしている
  • 屋上設備が救助空間へ突出している
  • 連絡装置の前へ箱を積んでいる
東京消防庁は他用途との併用そのものを一律に否定せず、注意点を示したうえで認める考え方も公表しています。ただし、併用方法や設備変更を施設側だけで判断せず、所轄消防署との事前協議と維持管理条件の確認が必要です。

「ヘリコプターが着陸しないなら空いていなくてもよい」という理解も避けます。
緊急救助用スペースでは、機体が着陸せずホバリングしながら救助する場面があります。
特に着陸場と救助用スペースを混同しない平面表示だけで判断しない一時置きの期限を曖昧にしないことが重要です。

枠の外でも動線なら駄目なんですね。

救助する人の動きで考えます

明日から屋上の緊急救助用スペースをどう確認するのか

緊急救助用スペースと通路を空けて記録する防火管理者の横長アイソメ図

屋上図、平常時写真、禁止範囲、代替保管場所、連絡先を一枚の確認票へまとめます
内閣府の事業継続ガイドラインが示す、重要資源、代替策、対応手順、教育・訓練、点検と是正の考え方を屋上管理へ落とし込みます。

  1. 竣工図と消防署への届出図をそろえる
  2. 救助用スペースと通路を色分けする
  3. 平常時の屋上写真を定点で残す
  4. 備蓄品の代替保管場所を決める
  5. 境界灯と連絡装置を定期確認する
  6. 設備追加前の相談ルートを決める
  7. 物品移動から報告まで訓練する

点検日には晴天時だけでなく、扉の開閉、照明、夜間表示、強風時の飛散防止も確認します。
訓練では屋上へ実際に大量の物資を運ばず、写真カードを使って移動先と報告先を判断できます。
訓練後は図面と現場の一致代替保管場所の容量所轄消防署の連絡先を更新します。

備蓄場所を先に決めるのが大事ですね。

ええですね。
置かない仕組みまで作りましょう

よくある質問

Q1 緊急救助用スペースへ短時間だけ備蓄品を置いてもよいですか?
A1 通常の保管場所には使いません。災害対応で一時的な使用が避けられない場合も、火災や強風の危険を確認し、救助活動面と通路を確保し、管理権原者と所轄消防署の指示に従って速やかに移動します。
Q2 黄色い枠の外なら物を置けますか?
A2 枠外でも屋上出入口、通路、待避場所、境界灯、連絡装置を妨げる場所には置けません。届出図と現地を照合して確保範囲を確認します。
Q3 緊急離着陸場と緊急救助用スペースは同じですか?
A3 同じではありません。着陸を想定する区分と、ホバリングによる救助活動を想定する区分では構造や表示が異なります。建物の届出図と所轄消防署の基準を確認してください。
Q4 太陽光パネルや空調機を追加してよいですか?
A4 施設側だけで決めません。進入表面や救助動線への影響、荷重、保守動線を確認し、設計前に建築士、設備設計者、所轄消防署へ相談します。

まとめ

屋上の緊急救助用スペースは、余っている場所ではありません。備蓄品の置き場を別に決め、消防防災ヘリの救助活動を妨げない状態を保ちます。

緊急救助用スペースで確認する7項目
火災・煙・屋上損傷を先に確認します
図面で対象範囲と区分を特定します
枠内から備蓄品を移動します
出入口からの救助動線を空けます
照明と連絡装置を確認します
設備変更前に所轄消防署へ相談します
結果をBCPと消防計画へ反映します

屋上と備蓄場所の確認をやってみます!

範囲確認・物品移動・設備確認・消防署への共有を一緒に確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は東京消防庁、大阪市消防局、総務省消防庁、内閣府の公表資料に基づく一般的な解説です。屋上緊急離着陸場等の設置対象、表示、必要寸法、設備、他用途との併用、維持管理、届出、使用制限は自治体の基準と建物ごとの協議内容で異なります。実際の確認、物品移動、設備変更、運用停止、復旧、業務再開は管理権原者、防火管理者、建築士、設備設計者、所轄消防署へご確認ください。

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