1つの事業所がA市とB町にまたがっている。
消火用屋外給水施設の検査は、どちらが行い、手数料はいくら取るのか。
回答は3つの方法を挙げ、どれによるかを定めるべきだとしました。
ただしいずれの方法でも一の検査として徴収します。
合同事業所の主たる事業所は、従たる事業所の分も届け出るのでしょうか。
施設省令第14条に基づく様式により、従たる事業所の部分が含まれた内容で届出を行います。
ただし検査及び検査手数料は不要とされました。
設計の段階で図書を出して、先に指導を受けることはできないのでしょうか。
法第15条第2項の届出は設置後でよいとされていますが、このことは事前の指導を否定するものではないとされています。
- 合同事業所の主たる事業所は、従たる事業所の部分が含まれた内容で届出を行い、各特定防災施設等の検査済証の写しを添付します
- その場合の検査および検査手数料は不要です
- 法第15条第2項の届出は設置後でよいものの、事前の指導を否定するものではありません
- 2つの市町にまたがる場合の検査は3つの方法のいずれかを定めるべきで、いずれによっても一の検査としての手数料を徴収します
- 油回収船の認定は関係市町間で調整し、いずれかの市町長の認定を受けることが望ましいとされました
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目次
合同事業所の届出と検査

運用通達により合同事業所として認定された事業所のうち、主たる事業所は、従たる事業所の特定防災施設等について新たに届出をする必要があるのか。
いずれも検査済みのものです。検査を受け、検査手数料を支払う必要があるのか。
後段、検査及び検査手数料は不要である。
2つの問いで答えが分かれました。
届出は必要です。合同事業所として1つになる以上、その全体像を1枚の届出で示す必要があります。従たる事業所の部分を含めた内容で出します。
一方、検査と手数料は不要です。理由は問いの中の括弧書きにあります。いずれも検査済みだからです。同じ設備を2度検査しても意味がありません。
その代わり、各特定防災施設等に関する検査済証の写しを添付させることとされています。すでに検査を受けたことを書面で示すわけです。
前の記事で見た合同事業所の扱いとも一貫しています。届出等に関しては一の特定事業所とみなし、自衛防災組織も合わせて1つにします。
届出は要るが、検査は要らないのですね。
手続きが分かれます。
合同での認定を受けたら、届出の範囲を確かめてください。
設計図書を先に出して指導を受けられるか

ところが設置完了後の検査時に改修指導を余儀なくされる事例が多い。
事業者の負担を軽減するため、設計図書の届出を設置計画段階で行うこととし、これに基づき事前に指導したいが差し支えないか。
予め消防法第11条に基づく危険物製造所等の設置・変更許可申請時又は当該工事に係る事業所関係者との事前打合せ等の機会をとらえて、特定防災施設等の設置・変更等に関する実態把握に努め、その結果新設又は大規模な変更に係る事案を把握した場合にあつては、必要に応じて法第39条に基づき当該設計図書等の報告の徴収を行い、給水施設運用指針通達等に基づく指導を図られたい。
届出の時期は動かしませんでした。設置後でよいという条文はそのままです。
その代わり、事前に指導する道筋が具体的に示されています。
まず消防法第11条の許可申請時や事前打合せの機会をとらえて実態を把握する。新設や大規模な変更を把握したら、必要に応じて法第39条に基づき設計図書等の報告を求める。そのうえで運用指針に基づいて指導する。
事業者の側から見ると、危険物の許可申請が相談の入口になります。そこで防災施設の話も一緒に出しておけば、あとから改修を求められる事態を減らせます。
前の記事で見た第2種事業所の指定を着工前に行うという回答と、同じ方向を向いています。早く相談するほど手戻りが減ります。
事前の指導を受けることは、否定されていないのですね。
届出の期限とは別です。
設計の段階で、図面を持って相談してください。
2つの市町にまたがる施設の検査

消火用屋外給水施設の検査の方法と手数料の徴収はどうすべきか。
2 A市及びB町において、届出、検査証の交付についてはそれぞれで行うが、検査自体は両市町で共同して行う。
3 A市及びB町が当該消火用屋外給水施設全体について検査を行う。
1から3のいずれかの方法によるか定めるべきである。手数料については、1の場合はそれぞれの市町において、2及び3の場合は両市町協議のうえ定めることとなるが、いずれの方法によつたとしても一の検査としての手数料を徴収すべきである。
検査の方法として3つが並べられ、どれによるかを定めるべきだとされました。区域ごとに分ける方法、共同で行う方法、全体について行う方法です。
手数料の決め方も方法によって変わります。1なら各市町で、2と3なら両市町協議のうえで定めます。
しかし最後に条件が付いています。いずれの方法によっても一の検査としての手数料を徴収すべきである。
つまり事業者が2倍払うことにはなりません。またがっているのは事業所の都合ではなく行政区画の都合だからです。
前の記事で見た防止堤の共用とは逆の扱いに見えますが、筋は同じです。あちらは義務が2つあるから手数料も2つ、こちらは施設が1つで検査も1つだから手数料も1つです。
検査の方法は選べても、手数料は1件分なのですね。
決め方が示されています。
またがる場合は、方法を先に決めてください。
油回収船はどちらの市町長が認定するか

政令第17条により油回収船の備え付けが義務付けられていますが、どちらの市町長の認定を受けるべきか。
面積が広いほうという基準は示されませんでした。関係市町で調整して、いずれかの市町長の認定を受ける。
どちらでもよいということではありません。決めておくことが求められています。決まっていなければ、事業者はどちらに申請すればよいか分かりません。
前の項目と同じ構造です。検査の方法も3つのうちどれによるか定めるべきとされました。行政側で先に決めておき、事業者には1つの窓口を示す。
またがる事業所を持つ側から見れば、まず関係市町の間で話がついているかを確かめるところから始まります。
面積の広さでは決まらないのですね。
調整して決めます。
関係する市町の窓口を、確かめておきましょう。
一部事務組合があると本部員は誰か

市町村の消防事務に関する一部事務組合が設置されている場合、法第28条第5項第5号および第6号の市町村長は、それぞれの市町村長を指すのか。同項第7号の消防長は組合管理者を指すのか。
問2 同項第7号の消防長は組合管理者を指すのか。
答2 管理者ではなく、実際に消防職員を指揮する者すなわち消防長を指すものである。
2つの答えが対照的です。
市町村長については、組合があってもそれぞれの市町村長を指します。前の記事で見たとおり、災害応急対策の実施責任は個々の執行機関に課せられているからです。
消防長については、組合管理者ではありません。実際に消防職員を指揮する者を指します。
組合管理者は組合という団体の長で、事務を統括する立場です。しかし現場で消防隊を動かすのは消防長です。防災本部に必要なのは、指揮できる人の参加です。
この記事の5つの回答は、どれも同じところを向いています。届出も検査も認定も本部員も、誰が受け付け誰が動かすのかを先に一つに決めておく。またがることそのものは問題ではなく、決まっていないことが問題になります。
指揮する人が本部員になるのですね。
組織の形で決まります。
地域の消防の体制を、把握しておいてください。
よくある質問
まとめ
- 合同事業所は従たる事業所の部分を含めて届出を行います
- いずれも検査済みなら検査及び検査手数料は不要です
- 法第15条第2項の届出は設置後でよいものの事前の指導を否定するものではありません
- 2つの市町にまたがる場合の検査は3つの方法のいずれかを定めるべきものです
- 手数料はいずれの方法でも一の検査として徴収します
- 油回収船の認定は関係市町で調整していずれかの市町長の認定を受けることが望ましいとされました
- 防災本部の本部員の消防長は実際に消防職員を指揮する者を指します
またがること自体より、決まっていないことが問題なのですね。
すっきりしました。
危険物の許可申請の場で防災施設の話も一緒に出しておくと手戻りが減ります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和60年10月8日 消防地第210号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 消火用屋外給水施設の設置に関する運用指針について(昭和52年10月6日付け 消防地第204号)
- 石油コンビナート等災害防止法第15条第2項・第28条第5項・第39条
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第17条
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令第14条
- 消防法第11条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




