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第2種事業所の指定はいつ行うか|経過措置が及ぶ範囲と休止中の事業所の扱い

第2種事業所の指定はいつ行うかを解説するアイキャッチ画像

第2種事業所の指定には、経過措置が用意されています。
ただし救われるのは、区域指定の際に現にその事業所を設置していた者だけです。
区域が指定されたあとに工事へ着手した者には適用されません。
基準になるのは指定の日という一本の線です

これから建設工事に入る事業所の指定は、いつ行われるのでしょうか。

政令第3条第1項前段に定める要件が満たされることが明らかであるならば、建設工事着工前に指定を行うことが適当であるとされました。

いま休止している事業所も、指定の対象になるのでしょうか。

指定できるとされています。
消防法による許可を受けていて用途廃止の届出をしていない場合の照会です。

この記事の結論
  • 第2種事業所の経過措置は指定の日を基準としており、指定の際現に設置している者には適用されます
  • 新設のための工事をしている者も含まれますが、指定後に工事へ着手した者には適用されません
  • 政令第3条第1項前段の要件が満たされることが明らかなら、建設工事着工前に指定を行うことが適当です
  • 名称等の変更があった場合は指定変更をすべきで、届出も行う必要があります
  • 休止状態にある事業所も第2種事業所として指定できます

経過措置はどこまで及ぶか

経過措置は指定の日を基準として指定前から設置している者に適用されることを示したイメージ
昭和60年10月8日付けの消防地第210号は、石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料です。
法第20条第2項の経過措置について、適用の範囲が問われました。
区域指定の際に現に存した事業所が第2種事業所となった場合に適用されるものであって、区域指定後に工事に着手した者には適用されないと解してよいか。
問 法第20条第2項の経過措置については、区域指定の際現に存した事業所が第2種事業所となつた場合に適用されるものであつて、区域指定後工事に着手した者には適用されないと解してよろしいか
答 第2種事業所の経過措置は指定の日を基準にしているので、指定の際現に当該第2種事業所を設置している第2種事業者(当該第2種事業所の新設のための工事をしている者を含む。)については、適用される。また、同様に指定後工事に着手した者には適用されない
工事中でも救われます
質問の見立てが認められました。ただし括弧書きに重要な補足があります。
指定の際に現に設置している者には、新設のための工事をしている者も含まれます。建物が建ち上がっていなくても、指定の日に工事が始まっていれば経過措置の対象になります。
逆に、指定後に工事へ着手した者は含まれません。
基準は指定の日の一点です。前の記事で見た第1種事業所となる日が完成検査の終了日だったのとは、測る対象が違います。あちらは完成の日でこちらは着手の有無です
区域指定の動きがあるときは、着工日を記録に残しておくことがそのまま権利の証明になります。

経過措置の範囲も、示されているのですね。

着手の時期で分かれます。
工事の記録を、日付まで残しておいてください。

指定はいつ行うのが適当か

要件が満たされることが明らかなら建設工事着工前に指定を行うことが適当とされたことを示したイメージ
これから建設工事に入る事業所について、知事による第2種事業所の指定はいつ行うべきか。
完成してからか、着工前か。
問 これから建設工事に入る事業所の場合、知事による第2種事業所の指定は、いつ行うべきか
答 政令第3条第1項前段に定める要件が満たされることが明らかであるならば、建設工事着工前に指定を行うことが適当である
着工前が適当です
完成を待ちません。要件が満たされることが明らかであるなら、建設工事に着手する前に指定します。
理由は前の項目と合わせると見えてきます。指定の日を境に経過措置の適用が分かれるのですから、事業者にとっても行政にとっても、早く線が引かれているほうが判断しやすくなります。
着工後に指定されると、着工の時点では対象外だった規制が途中から当たることになります。設計をやり直す事態にもなりかねません。
条件は、要件が満たされることが明らかであることです。見込みが立たない段階で指定はできません。
事業者の側から見ると、計画の早い段階で県に相談しておくほど手戻りが減るということになります。

完成を待たずに指定するのですね。

要件が明らかなら着工前です。
計画の段階から、窓口に相談してください。

名称が変わったら指定もやり直すか

名称変更に伴い指定変更をすべきで届出も必要になることを示したイメージ
第2種事業所に指定されている事業所について、事業者や事業所の名称が変わることがあります。
法第2条第5号の指定をあらためて行う必要があるのか。届出はどうか。
問 第2種事業所に指定されている事業所に係る事業者及び事業所の名称が変更になる場合、法第2条第5号の指定をあらためて行う必要があるか。また、新しい第2種事業者は、法第16条第5項、法第17条第5項及び法第18条第1項等の届出をあらためて行う必要があるか
答 前段 名称変更に伴う指定変更をすべきである
後段 届出を行う必要がある
どちらも必要です
名前が変わっただけでも、指定変更と届出の両方が要ります。
前の記事で見た譲渡の話と同じ扱いです。あちらは事業所をB社に譲渡した場合で、指定も届出もいずれも改めて必要とされました。
名称変更は所有者が変わるわけではありませんが、書類上の名宛人は変わります。指定も届出も特定の名前に対して行われているからです
実務では合併や社名変更のときに見落としやすいところです。消防法の許可や届出だけを直して、石油コンビナート等災害防止法側を忘れることがあります。

名前が変わっただけでも、手続きが要るのですね。

指定変更と届出の両方です。
社名の変更は、関係する手続きを洗い出してください。

休止している事業所も指定できるか

休止状態にある事業所も第2種事業所として指定できることを示したイメージ
現在休止している事業所を、第2種事業所として指定できるか。
その施設は消防法による許可を受けており、用途廃止の届出はしていません。
問 現在休止状態にある事業所を第2種事業所として指定できるか。なお、施設は消防法による許可を受けていて用途廃止の届出はしていない
答 指定できる
休止中でも指定できます
一言で認められました。
判断の手がかりは問いの中にあります。消防法による許可を受けていて、用途廃止の届出をしていない。つまり法律上はまだ危険物施設として生きています。
前の記事で見た防災要員の話と同じ考え方です。事業を休止しても、原則として法令で規定する防災要員の数が必要とされました。操業していないことと危険がないことは違います
長期休止に入る事業所は、許可をそのままにしておくか用途廃止まで進めるかで、負う義務が大きく変わります。休止を決める時点で整理しておく必要があります。

休止していても、指定できるのですね。

許可が生きているためです。
休止中の施設も、台帳で管理してください。

氏名の変更をどう把握するか

防災計画の中で氏名等の変更の届出を定めることができることを示したイメージ
レイアウト規制対象事業所については、特定事業者の氏名または住所に変更があった場合、法第13条により届出が義務付けられています。
しかし他の特定事業者については明確に定められていません。変更をどう把握すればよいのか。
問 レイアウト規制対象事業所については、特定事業者の氏名又は住所に変更があつた場合、法第13条によりその届出が義務付けられているが、他の特定事業者については明確に定められていない。当該事項に変更があつた場合はどのようにして把握したら良いか
答 石油コンビナート等防災計画の中で、当該特別防災区域内の特定事業者に対し、氏名等の変更があつた場合の消防機関、都道府県知事等に対する届出を定めることは可能である
また、法第39条の規定に基づき、報告を求めることもできる
計画に書いて手当てします
法律に届出義務がない部分を、2つの方法で補っています。
1つは石油コンビナート等防災計画です。計画の中で、氏名等の変更があった場合の届出を定めることができます。
もう1つは法第39条による報告の徴収です。個別に必要が生じたときに報告を求められます。
前の記事で見た異常現象の通報先の話と同じ構造です。法律の隙間は防災計画で埋めます
事業者の側から見ると、法第13条の届出義務がなくても、地域の防災計画に定めがあれば届け出ることになります。自社が対象かどうかは、計画を確かめないと分かりません。

届出の義務がない部分も、手当てされているのですね。

計画に書いて補います。
変更があったときの連絡先を、決めておきましょう。

よくある質問

Q工事中でも経過措置の対象になりますか?
A回答は、指定の際現に当該第2種事業所を設置している第2種事業者(当該第2種事業所の新設のための工事をしている者を含む)については適用されるとしています。指定後に工事へ着手した者には適用されません。
Q指定は完成してから行うのですか?
A回答は、政令第3条第1項前段に定める要件が満たされることが明らかであるならば、建設工事着工前に指定を行うことが適当であるとしています。
Q社名変更だけでも手続が要りますか?
A回答は、前段について名称変更に伴う指定変更をすべきであるとし、後段について届出を行う必要があるとしています。指定変更と届出の両方が必要です。
Q氏名の変更はどこに届け出るのですか?
A回答は、石油コンビナート等防災計画の中で消防機関や都道府県知事等に対する届出を定めることは可能であるとしています。あわせて法第39条の規定に基づき報告を求めることもできるとされました。

まとめ

  • 第2種事業所の経過措置は指定の日を基準にしています
  • 指定の際に新設のための工事をしている者も含まれます
  • 指定後に工事へ着手した者には適用されません
  • 要件が明らかなら建設工事着工前に指定を行うことが適当です
  • 名称変更では指定変更と届出の両方が必要です
  • 休止状態にある事業所も第2種事業所として指定できます
  • 氏名等の変更は防災計画で届出を定めるか法第39条により報告を求められます

着工日が記録に残っているかどうかで、扱いが変わるのですね。
すっきりしました。

社名変更のときは消防法側だけでなく石災法側の手続も確かめてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

参考・出典

  • 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和60年10月8日 消防地第210号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
  • 石油コンビナート等災害防止法第2条第5号・第13条・第16条第5項・第17条第5項・第18条第1項・第20条第2項・第39条
  • 石油コンビナート等災害防止法施行令第3条第1項
  • 消防実務六法 質疑応答編

※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。

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第2種事業所の指定には、経過措置が用意されています。 ただし救われるのは、区域指定の際に現にその事業所を設置していた者だけです。 区域が指定されたあとに工事へ着手した者には適用されません。 基準になるのは指定の日という一...