消火用屋外給水施設の配管を道路の下に通すとき、保護管に入れて埋設します。
この保護管は、施設省令にいう防護構造物に該当するのか。
回答は該当するとしたうえで、埋設の深さに条件を付けました。
配管保護構造物の外面と路面との距離を1.5メートル以下としないことです。
加圧ポンプの起動の操作部は、常時人がいる場所にも設けなければならないのでしょうか。
常時人の居る場所から歩行距離でおおむね10メートルの位置に加圧ポンプがある場合は、加圧ポンプの設置場所のみでよいとされました。
流出油等防止堤の中に仕切堤を作る工事は、届出が要るのでしょうか。
容量や構造や強度に支障を与えることのないものであれば差し支えなく、届出の対象となるものではないとされています。
ただし工事完成後の実態は把握しておく必要があります。
- 道路部分に埋設施工した配管の保護管は、施設省令第10条第1項第2号ロの防護構造物に該当します
- ただし配管保護構造物の外面と路面との距離は1.5メートル以下としないこととされました
- 常時人の居る場所から歩行距離でおおむね10メートルなら、起動操作部は加圧ポンプの設置場所のみで足ります
- 敷地が分かれていても1の事業所とみなされる場合、両地区とも3点セット2セットに対応した放水能力が必要です
- 流出油等防止堤内の仕切堤は機能に支障を与えないものであれば届出の対象となりません
▼
目次
埋設配管の保護管は防護構造物か

消火用屋外給水施設の配管を道路部分に埋設施工する場合、保護管に入れて通します。
この構造が、施設省令第10条第1項第2号ロにいう防護構造物に該当するのか。
該当すると認めたうえで、埋設深さの基準が示されました。
興味深いのは、その基準を石油コンビナート等災害防止法の側で新しく定めていないことです。危険物の規制に関する規則の規定の例によるとしています。
第28条の13は移送取扱所の配管を地下に埋設する場合の深さを定めた規定です。同じ地下の配管なので、そちらの考え方をそのまま当てはめます。
1.5メートル以下としないこと、という書き方にも注意してください。1.5メートル以上の深さを確保するという意味です。
前の記事で見たとおり、消火用の配管を地中に直接埋設することは認められませんでした。保護管に入れれば通りますが、深さの条件が付きます。
保護管に入れる構造も、認められるのですね。
深さの基準が示されました。
埋設の深さを、施工記録で確かめてください。
起動操作部は何か所に設けるか

ところが加圧ポンプが常時人の居る場所から歩行距離でおおむね10メートルの位置にある事業所があります。
この場合、ポンプの設置場所だけでよいか。
認められました。
前の記事で見たとおり、加圧ポンプの起動装置は最低2か所に必要とされています。2か所に分ける趣旨は、片方へ行けなくても起動できるようにすることです。
ところが歩行距離10メートルなら、常時人の居る場所とポンプの設置場所は実質的に同じ場所です。2つに分けても片方が使えないときにもう片方も使えません。
だから条文の文字どおりに2か所置くより、1か所で足りると整理されました。
逆にいえば、距離が離れている事業所ではこの緩和は使えません。10メートルという数字は、人がすぐ動ける範囲の目安です。
距離が近ければ、1か所で足りるのですね。
歩行距離が目安です。
操作部の位置を、現地で確かめてください。
敷地が分かれている場合の放水能力

消火用屋外給水施設は地区ごとに独立して設置されています。
各地区ごとに政令第8条を適用すると、A地区は3点セット1セット、B地区は2セットが必要になります。給水施設の総放水能力は、それぞれの地区に必要な量でよいのか。
地区ごとに必要な量でよい、という見立ては認められませんでした。
A地区は1セットで足りるはずですが、両地区とも2セットに対応した放水能力が必要とされています。
理由は、合わせて1の事業所とみなされていることにあります。1つの事業所として資機材が動きます。A地区で災害が起きれば、B地区の2セットも駆けつけます。そのとき水が足りなければ意味がありません。
前の記事で見た共同設置の要件と同じ考え方です。あちらも震災時等における同時発災を想定しても対処できる量を求めていました。
敷地が分かれている事業所は、少ないほうの地区で設計すると足りなくなります。
地区ごとに設けている場合も、扱いがあるのですね。
必要な能力の考え方です。
地区ごとの能力を、計算しておきましょう。
仕切堤を作る工事に届出が要るか

堤内の容量が小さくなる変更を伴う工事です。届出の方法と手数料はどうすべきか。
届出の対象になりません。ただし条件が3つ挙げられています。
防止堤の容量を不足させないこと。防止堤との接続部分で構造や強度に影響を与えないこと。その他その機能に支障を与えないこと。
つまり仕切堤そのものが禁じられているのではありません。防止堤の性能を落とさない限り自由に作れます。
ただし書きも見逃せません。工事完成後の施設の実態については十分把握しておくことが必要である。届出は要らなくても、行政の側は現況を知っておく必要があります。
事業所としては、届出不要だからと記録を残さないと、次の検査のときに説明できなくなります。図面を更新しておくのが確実です。
支障がなければ、届出は要らないのですね。
3つの条件があります。
工事の内容を、条件と照らしてください。
検査手数料の算定基礎はどこまでか

では貯蔵施設地区がいくつかのブロックに独立分離している場合、そのうち1ブロックの流出油等防止堤を変更したときの手数料はどう数えるのか。
また、防止堤の一部拡張工事の場合はどうか。
問2 流出油等防止堤の一部拡張工事(基準以上に堤内の容量は増加する。)を行つた場合にあつても、手数料の算定基礎は当該防止堤の総延長とすべきか。
答2 既存部分に影響を与えないことが明確である限りにおいては、当該工事に係る部分のみの長さとすることができる。
どちらの問いにも、同じ形の条件が付いています。他に影響を及ぼさない限りにおいて。
問1は、独立分離したブロックのうち1つを直した場合。他ブロックに影響しないなら、そのブロックの長さだけを算定基礎にできます。
問2は、一部を拡張した場合。既存部分に影響を与えないことが明確なら、工事に係る部分のみの長さで足ります。
基準は工事の範囲ではなく影響が及ぶ範囲です。接続部で既存の堤に手を入れるなら、そちらも算定に入ります。
前の記事で見た手数料の考え方とも一貫しています。共用の防止堤でも事業所ごとに徴収されました。手数料は物の長さではなく、検査すべき範囲に付きます。
手数料の数え方も、示されているのですね。
変更の範囲で決まります。
工事の計画は、費用も含めて確認してください。
よくある質問
まとめ
- 道路部分に埋設した配管の保護管は防護構造物に該当します
- 深さは危険物の規制に関する規則第28条の13の例により、路面との距離を1.5メートル以下としません
- 歩行距離おおむね10メートルなら起動操作部は加圧ポンプの設置場所のみで足ります
- 敷地が分かれていても両地区とも2セットに対応した放水能力が必要です
- 仕切堤は機能に支障を与えないものであれば届出の対象となりません
- ただし工事完成後の施設の実態は十分把握しておく必要があります
- 手数料の算定基礎は、他に影響を及ぼさない限り当該工事に係る部分の長さで足ります
届出が要らなくても、実態は把握しておく必要があるのですね。
すっきりしました。
届出不要の工事こそ図面の更新を忘れないでください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和60年10月8日 消防地第210号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 特定防災施設等の検査手数料について(昭和55年12月18日付け 消防地第345号)
- 消火用屋外給水施設の設置に関する運用指針について(昭和52年10月6日付け 消防地第204号)
- 石油コンビナート等災害防止法第15条第2項
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第8条
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令第10条第1項第2号ロ
- 危険物の規制に関する規則第28条の13
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和50年代から60年のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




