消防設備士は免状の交付を受けたあと、定められた期間ごとに講習を受けなければなりません。
この受講期限を過ぎると消防設備士講習受講義務違反となり、違反点数が計上されます。
とはいえ複数の類の免状を持っている場合にどう数えるのか、少し遅れて受講した場合はどうなるのかまでは条文からは読み取れません。
この記事では講習の受講期限と違反点数の扱いを消防庁の質疑応答に沿って整理します。
講習を受け忘れると、持っている免状すべてに影響するのでしょうか。
響く範囲が決まっています。
点数は免状ごとに計上され、講習区分が同じ免状はまとめて対象になります。
少し遅れて受けた場合も、違反になるのでしょうか。
そこは配慮されています。
わずかに超過した例外的な場合は違反点数を計上しない取扱いとされています。
この記事でまとめて解説します!
- 講習区分が同じ免状についてはその区分の受講義務違反があれば該当する類すべてに違反点数を計上する
- あとから取得した免状についてはその免状の取得後2年を超えた時点で別に違反点数が計上される
- 未受講を続けている場合は一定の期間ごとに違反点数が重ねて計上される
- わずかに超過して受講した例外的な場合は受講期限内に受講したものとみなし違反点数を計上しない
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目次
講習区分が同じ免状はまとめて違反点数の対象になる

平成5年4月28日付け消防予第135号は、消防設備士免状の返納命令に関する運用基準に係る執務参考資料の送付についての質疑応答です。
ここで消防法施行規則第33条の17第3項に定める講習区分が同じ免状に係る違反点数の算定はどのようになるのかが問われました。
回答は第1種講習について受講義務違反があれば第1類および第2類に、第3種講習について受講義務違反があれば第4類および第7類に違反点数を計上するです。
ひとつの講習が複数の類をカバーしている以上、その講習を受けていなければカバーされている類すべてに影響が及ぶという整理です。
免状の枚数だけ点数が付きます。
点数は免状ごとに計上されるのですね。
講習区分が同じものはまとめて対象になります。
持っている類と講習区分を、一覧にしておいてください。
あとから取得した免状には別の期限が動き出す

同じ質疑応答では、講習を受けたあとに別の類の免状を取得した場合の扱いも設例で示されています。
たとえば第4類の消防設備士が第3種講習を受講したのち、同じ第3種講習に該当する第7類の免状を取得したという設例です。
順序を入れ替えて、先に第7類の免状を取得してからあとで第3種講習を受講したという設例についても、同じくお見込みのとおりとされています。
ここで押さえておきたいのは、あとから取得した免状にはその取得を起点とする期限が別に動き出すという点です。
既に受けた講習の期限だけを見ていると、新しく取った免状の期限を見落とすことになります。
あとから取った免状には、別の期限が動き出すのですね。
取得の順序で変わります。
新しい類を取ったら、その場で期限を計算しておきましょう。
未受講を続けると一定の期間ごとに点数が重ねて計上される

受講期限を過ぎたあと、そのまま受けずに放置した場合はどうなるのかも設例で問われています。
第1類の消防設備士が第1種講習を受講したものの、その後の受講期限が経過したにもかかわらず未受講を継続し、さらに同じ第1種講習に該当する第2類の免状を取得したという設例です。
さらにこれとは別に新たな免状取得後2年を超えた時点で当該違反行為を行った場合は第2類に対し違反点数が計上されるとされています。
つまり違反点数は一度きりではありません。
放置した期間の分だけ積み上がります。
あとから取得した免状の分は別枠で計上されるため、免状を増やしたことが結果的に点数を増やす方向に働くことにもなります。
受講期限が来ている状態で新しい類を取りにいく場合は、この点を踏まえておく必要があります。
放置していると、点数が重ねて計上されるのですね。
一定の期間ごとに積み上がります。
期限を過ぎたら、次の講習を最優先で押さえてください。
わずかに超過して受講した場合は違反点数を計上しない扱いになる

執務参考資料にはわずかに超過して受講したなどの例外的な場合には受講期限内に受講したものとみなし違反点数を計上しないこととして取り扱うのが妥当であるという記述があります。
そこでこのわずかに超過してとは具体的にはどの程度の日数の超過を想定しているのかが問われました。
日数ではなく事情で判断されます。
何日までなら許されるという線が引かれているわけではありません。
想定されているのは講習の開催時期が年度によってずれたために期限内に受けられなかったという事情であり、単に忘れていた場合を救うものではないと読めます。
わずかな超過なら、計上されない扱いもあるのですね。
例外的な場合の取扱いです。
日程が合わないときは、早めに事情を相談してください。
受講する機会があるかは原則としてその都道府県内の講習で判断される

運用基準の注記にはその後1年以内に受講する機会があるにもかかわらずという表現があります。
この受講する機会をどう捉えるのかについて、当該消防設備士が従事する都道府県内で実施される講習の開催等をもって判断するのか、あるいは近隣都道府県で開催される講習をも考慮して受講する機会として捉えるのかが問われました。
基本は自分の都道府県内です。
他県で開催されていたのだから受ける機会はあったはずだ、という判断が当然にされるわけではありません。
一方で隣接する都道府県との距離等は勘案されるとされているため、近接している場合には考慮に入る余地があるということになります。
受講の機会は、都道府県内で見るのですね。
原則としてその範囲で判断されます。
年度初めに開催予定を確認して、予定表に入れておきましょう。
よくある質問
まとめ
- 消防法施行規則第33条の17第3項に定める講習区分が同じ免状はまとめて違反点数の対象になる
- 第1種講習について受講義務違反があれば第1類および第2類に違反点数を計上する
- 第3種講習について受講義務違反があれば第4類および第7類に違反点数を計上する
- あとから取得した免状については新たな免状取得後2年を超えた時点で別に違反点数が計上される
- 未受講を継続している場合は一定の期間ごとに違反点数が重ねて計上される
- わずかに超過して受講した例外的な場合は受講期限内に受講したものとみなし違反点数を計上しない
- 受講する機会があるかは原則として当該都道府県内で開催される講習をもって捉える
- 隣接都道府県との距離等を勘案のうえ個別に判断することとされている
類を増やすほど、期限も増えるのですね。
すっきりしました。
そのとおりです。
免状の裏面には講習の受講記録が残ります。
新しい類を取ったときにあわせて期限を確認しておくのが確実です。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の10 e-Gov法令検索
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第33条の17 e-Gov法令検索
- 消防設備士免状の返納命令に関する運用基準に係る執務参考資料の送付について(平成5年4月28日付け消防予第135号 予防課長から各都道府県消防主管部長あて)
- 消防設備士免状の返納命令に関する運用基準 執務参考資料(平成4年7月 消防庁予防課)
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)の消防設備士に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年8月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の運用については所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




