建築確認は、市区町村の建築主事だけでなく、民間の指定確認検査機関に依頼して進めることが今では珍しくありません
その場合でも、建築物の工事施工地を管轄する消防長や消防署長の同意という手続きは、変わらず必要になります
同意までの期限は建築物の種類によって2つに分かれており、その境目を知らないまま計画を進めると工期に影響します
本記事では、指定確認検査機関を通した確認でも消防同意が必要な理由と、同意までの期限が分かれる仕組みを整理します。
確認申請は民間の検査機関に頼んでいますが、それでも消防の同意はいるんでしょうか。
はい、指定確認検査機関の確認でも消防同意は必要です。
役所の建築主事に頼む場合と、何か違うんですか。
同意までの期限の日数が変わってきます。
順に見ていきましょう。
- 消防法第7条第1項により、建築主事等だけでなく建築基準法第6条の2第1項の確認を行う指定確認検査機関も消防長又は消防署長の同意を得なければ確認をすることができない
- 指定確認検査機関の確認は建築基準法第6条の2第1項により建築主事の確認と同じ確認とみなされるため、対象になる建築物の範囲も同一である
- 消防長等は、建築基準法第6条第1項第3号に係る確認は3日以内、その他は7日以内に同意を与えて通知しなければならない(消防法第7条第2項)
- 同意できない事由があるときも、消防長等は同じ期限内にその事由を通知しなければならない
- これらの規定は消防法第7条と建築基準法第6条・第6条の2に定められている
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目次
建築確認を民間に頼んでも消防の同意はなぜ必要になるのか

民間の指定確認検査機関に確認を依頼する建築主も多くいます。
つまり確認を役所に頼んでも、民間の検査機関に頼んでも、消防長又は消防署長の同意が要るという結論は変わりません。
同意を得られなければ、指定確認検査機関も確認済証を交付することができないという扱いです。
「民間に頼めば消防のチェックを飛ばせる」という理解は誤りです。
では、どこまでが建築主事の確認と同じ扱いになるのか、次に見ていきます。
民間に頼めば手続きが早くなると聞いたことがあります。
早さは変わっても、消防の同意そのものは省けません。
指定確認検査機関の確認はどこまで建築主事の確認と同じ扱いになるのか

ここがあいまいだと、対象になる建築物の範囲を見誤ります。
対象になる建築物の号(用途や規模で決まる区分)も、建築主事に申請する場合とまったく同じです。
つまり指定確認検査機関を選んだからといって、対象の広さや狭さが変わることはありません。
違いが出るのは対象の範囲ではなく、この先で見る同意までの期限の数え方です。
どちらの窓口を選ぶかは、あくまで確認業務の担い手が違うだけと理解しておくとよいでしょう。
建物の種類によって対象が変わったりはしないんですか。
対象は同じです。
変わるのは同意までの日数です。
同意までの期限は何日と決まっているのか

条文の日数をそのまま確認します。
この第3号は、都市計画区域内などにある比較的小規模な建築物を指す区分で、いわゆる一般的な戸建て住宅の多くもここに含まれます。
この区分にあたる確認は3日以内、それ以外の大規模な建築物や用途変更等の確認は7日以内という期限です。
どちらの期限も、指定確認検査機関から同意を求められた場合とまったく同じ日数が適用されます。
自分の計画がどちらの区分に入るかは、確認申請を担当する窓口に事前に確認しておくと見通しが立てやすくなります。
うちの住宅は3日と7日、どちらになるんでしょうか。
多くの一般住宅は3日以内の区分に入ります。
期限内に返事がないときはどう扱われるのか

同意できないときの扱いも、あわせて定められています。
つまり3日または7日という期限は、同意する側の返事にも一律にかかる期限です。
期限を過ぎても何も届かない、という状態は条文の想定する運用ではありません。
実務で見落としやすいのは、期限内に連絡が来ないから確認が進んでいると思い込んでしまうことです。
音沙汰がない場合は、指定確認検査機関や建築主事へ状況を確かめるのが確実です。
連絡がないのは、同意されたということじゃないんですか。
いいえ、必ず通知が届く建て付けになっています。
明日からなにを確認すればよいのか

どの窓口を選ぶ場合でも、確認する内容は同じです。
- 確認を建築主事と指定確認検査機関のどちらに依頼しても、消防同意の手続きは省けないと理解しておく
- 自分の計画が建築基準法第6条第1項第3号にあたる区分か、窓口に事前に確認しておく
- 区分に応じて同意までの期限が3日以内か7日以内かを把握しておく
- 期限を過ぎても連絡がない場合は、進捗を指定確認検査機関や建築主事に確かめる
- 工期に余裕を持たせ、消防同意の期間をあらかじめスケジュールに組み込んでおく
違うのは期限の日数だけなので、そこを押さえておけば計画が立てやすくなります。
建築主事や指定確認検査機関との打ち合わせの際に、区分と期限をあわせて確認しておくと安心です。
確認申請のスケジュールを組むときは、消防同意にかかる日数も忘れずに織り込みましょう。
窓口ごとの違いより、区分と期限を見ればいいんですね。
はい、区分と期限の2つを押さえておけば大丈夫です。
よくある質問
まとめ
設計士さんと相談するときに、区分と期限を聞いてみます。
確認申請のスケジュール調整も、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第7条
- 建築基準法第6条
- 建築基準法第6条の2
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署または特定行政庁にご確認ください。





