住宅用火災警報器(住警器)は、もう新しい設備ではありません。
消防庁は令和2年11月18日、消防予第365号で住宅用火災警報器設置対策基本方針の改正を通知しました。
普及が進んだいまも、未設置の世帯や電池切れの住警器が数多く残っているためです。
この記事では、基本方針が何を変え、いつ本体交換が必要になるのかを解説します。
うちの住宅にも住警器は設置してありますが、もう10年近く経っています。
まだそのまま使っていいのでしょうか。
設置してあるだけでは足りません。
設置から10年が交換の目安になります。
普及が進んだいまも、消防庁はまだ呼びかけを続けているんですね。
はい、いまは維持管理のほうが新しい課題です。
順番に確認していきましょう。
- 令和2年11月18日、消防予第365号により住宅用火災警報器設置対策基本方針が改正されました
- 会議の名称は「住宅用火災警報器設置・維持管理対策会議」に改められました
- 令和2年7月時点で住警器の未設置世帯は約2割、条例に適合していない世帯は約3割にのぼるとされています
- 作動確認を行った世帯の約2%で電池切れや故障が確認されています
- 設置から10年以上が経過した住警器は本体交換が望ましいとされました
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目次
住宅用火災警報器の基本方針はなぜ令和2年に改正されたのか

なぜいま、基本方針という古い枠組みがあらためて見直されたのでしょうか。
平成23年の基本方針は、住警器が未設置の世帯への呼びかけが中心でした。
ところが令和2年7月時点で、作動確認を行った世帯の約2%ですでに電池切れや故障が確認されています。
普及率が上がるほど、今度は経年劣化した機器が一斉に交換時期を迎えるという新しい局面に入ったということです。
この危機感から、会議の名称も「設置・維持管理対策会議」へと改められました。
次は、この基本方針がどの住宅を対象にしているのかを見ていきます。
普及したから安心、というわけではなかったんですね。
はい、これからは維持管理が中心になります。
次はどの住宅が対象なのか見ていきましょう。
既存住宅も新築と同じように設置義務があるのか

基本方針もこの前提を踏まえて書かれています。
平成16年の消防法改正は、新築だけでなく既存住宅も対象に含めました。
設置の基準そのものは市町村の条例ごとに定められており、平成23年6月までに全国すべての市町村で施行が完了しています。
それでも令和2年7月時点で、未設置世帯は約2割、条例に適合していない世帯は約3割が残っているとされました。
自分の住宅がいつ建てられたかにかかわらず、設置義務は現在も続いているということです。
次は、改正された基本方針が具体的に何を求めているのかを見ていきます。
うちは築30年以上ですが、それでも対象になるんですね。
はい、建てられた時期は関係ありません。
次は基本方針の中身を見ていきましょう。
改正後の基本方針は何を求めているのか

具体的に誰が何をするかまで踏み込んでいます。
まず、消防団や女性防火クラブ、自治会など地域コミュニティと一体になって未設置世帯への働きかけを続けるとしています。
次に、住警器が実際に火災被害を防いだ奏功事例を集めて広く周知するとしました。
そして、電池切れや誤発報を理由に住警器を取り外してしまう事例を防ぐため、維持管理の広報や、共同購入・取付支援といった支援体制の構築にも踏み込んでいます。
どれも消防機関だけでなく、福祉関係団体や住宅産業・家電小売店等の民間事業者との連携が前提になっています。
次は、実務でとくに見落としやすい落とし穴を見ていきます。
消防団や自治会とも連携するほど、本気の取組みなんですね。
はい、周知と広報にかなり力を入れています。
次は見落としやすい注意点を確認しましょう。
電池切れの住警器を取り外すとなぜ危険なのか

基本方針は、この行動そのものを問題視しています。
電池切れの警報や誤発報がうるさいからと住警器そのものを取り外してしまうと、火災が起きても警報は一切鳴りません。
正しい対処は、電池だけを交換するか、機器そのものを交換することです。
自動試験機能が無い機種は交換期限が近づいたら本体ごと交換し、設置から10年以上が経過している場合は電子部品の劣化が考えられるため、電池切れでなくても本体交換が望ましいとされました。
本体には設置年月を記入するシールが付いていることが多く、まずそこで年数を確認できます。
次は、明日から実際に何を確認すればよいかをまとめます。
実は電池切れの音がうるさくて外したことがあります。
それが一番危険な対処です。
最後に確認の手順をまとめます。
明日から住警器の何を確認すればよいのか

自宅や管理する物件を思い浮かべながら順番に見ていきましょう。
本体裏面や側面に設置年月のシールが貼られていることが多いので、10年を超えていないか確かめてください。
次に、本体のボタンを押すか紐を引いて作動確認を行い、警報音が鳴るかを確認します。
電池切れや誤発報の警告音が鳴っていても、取り外さずに電池または本体を交換してください。
交換の際は、複数台が連動して鳴る連動型や、聴覚に配慮した音・光の補助警報装置など、世帯構成に合った機器を選ぶ余地もあります。
迷ったときや設置自体がまだの場合は、所轄の消防署に相談するのが確実です。
帰ったらまず設置年月のシールを確認してみます。
それが一番確実な一歩です。
迷ったときは所轄の消防署にも相談してください。
よくある質問
まとめ
まず設置年月のシールを確認するところから始めればいいと分かりました。
今日中に見てみます。
10年を超えていたら本体交換も検討してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「住宅用火災警報器設置対策基本方針の改正について」(令和2年11月18日付け消防予第365号 消防庁長官)
- 「住宅用火災警報器設置・維持管理対策基本方針」(令和2年10月30日 住宅用火災警報器設置・維持管理対策会議決定)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第9条の2
- 消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





