危険物取扱者試験や消防設備士試験の受験料は、どの都道府県で受けても金額が同じです。
免状の交付や再交付の手数料も同様に、全国でそろっています。
消防予第22号・消防危第7号は、この仕組みの出どころになった政令を各都道府県に知らせた通知です。
手数料そのものは今も条例で決まりますが、金額は政令が示す基準に従う仕組みになっています。
危険物取扱者試験の受験料は、市町村ごとに違うと思っていました。
実は2000年の政令が先にありました。
順番に見ていきましょう。
条例なのに、なぜ全国で同じ金額になるんですか。
そこに地方自治法の仕組みがあります。
条文から説明します。
- 消防予第22号・消防危第7号(2000年)は「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」の制定を各都道府県に知らせた通知です。
- 根拠は地方自治法第228条第1項で、全国的に統一が必要な「標準事務」について政令が示す金額を標準に条例を定めることを義務づけています。
- 危険物取扱者と消防設備士の免状交付・試験・講習に関する手数料は、この標準事務に含まれます。
- 現在の金額は、例えば甲種危険物取扱者試験が7,200円、甲種消防設備士試験が6,600円と政令の別表で定められています。
- 手数料そのものは条例が定めるものであり、政令がすべてを直接決めているわけではない点を見落とさないようにします。
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目次
危険物取扱者と消防設備士の手数料はなぜ全国で統一する政令ができたのか

この改正で、手数料の決め方に新しい仕組みが加わりました。
ところが平成11年の法改正で、全国的に統一する必要が特に大きい事務については、政令が示す金額を標準にして条例を定める仕組みが加わりました。
この仕組みに基づいて制定されたのが「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」であり、危険物規制事務と消防設備士に関する事務も対象に含まれました。
条例が主役である点を変えずに、金額だけ全国でそろえる仕組みがこの政令の出発点です。
条例を無くしたわけじゃなくて、金額だけそろえたんですね。
はい。
そのとおりで条例の仕組み自体は残っています。
危険物取扱者と消防設備士のどの手続きが標準事務になるのか

危険物取扱者と消防設備士は、それぞれ別の項番号で載っています。
消防設備士のほうは免状の交付・書換え・再交付、試験の実施、工事整備の講習が対象です。
どちらも都道府県知事や消防試験研究センターが行う事務であり、市町村の窓口業務とは別枠で扱われます。
免状と試験と講習の3つがセットで標準事務に入っている、と覚えておくと見通しやすくなります。
施設の許可申請の手数料は、この2つとは別枠ですか。
施設の許可は別の項番号です。
この記事では免状と試験と講習に絞って説明します。
危険物取扱者試験や消防設備士試験の受験料はいくらと決まっているのか

現在の金額表を危険物取扱者と消防設備士の順に見てみます。
- 甲種危険物取扱者試験 7,200円/乙種 5,300円/丙種 4,200円
- 甲種消防設備士試験 6,600円/乙種 4,400円
- 危険物取扱者免状・消防設備士免状とも、交付は2,900円、再交付は1,900円
免状の交付・再交付の金額は、危険物取扱者と消防設備士で同じ金額にそろっています。
消防設備士だけにある「書換え」は、交付や再交付より安い700円という金額です。
同じ免状の手続きでも、交付・書換え・再交付で金額が違う点に注意が必要です。
危険物取扱者のほうが、少し受験料が高いんですね。
はい。
ただ免状の交付・再交付は同じ金額です。
政令で金額が決まっていると思い込むとどこで見誤るのか

ただし、この数字を「政令がすべて決めている」と誤解すると見落としが出ます。
手数料そのものを徴収する根拠は、あくまで各都道府県・市町村の条例のままになります。
通知も「手数料条例について所要の作業を進められるよう」と、条例側の改正作業を都道府県に依頼する形で出されています。
政令が全部を直接決めているのではなく、条例が政令の基準に従う形だという順序を取り違えないようにします。
てっきり政令だけで金額が決まるものだと思っていました。
いえ、条例が定めるという形は変わっていません。
受験や免状の手続き前に手数料はどこで確認すればよいのか

確認先は、政令の現在の内容と、申込先の案内の両方です。
受験料や免状の手数料を確認するときは、e-Gov法令検索で現在の別表の金額を直接見るのが確実です。
あわせて、危険物取扱者試験は消防試験研究センター、消防設備士試験も同センターの最新の受験案内で申込時の金額を確認します。
申込みの直前に、政令の別表と申込先の案内を両方見て金額を確かめるのが実務の手順です。
申込みの前に、金額だけ念のため確認しておきます。
それが確実です。
改正のたびに数字が動くことがあります。
よくある質問
まとめ
申込み前の金額確認がいちばん大事なんですね!
条例と政令の関係も一緒に押さえておきましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防予第22号・消防危第7号「地方公共団体の手数料の標準に関する政令(消防法部分)について」(平成12年1月21日、消防庁予防課長・消防庁危険物規制課長)
- 地方公共団体の手数料の標準に関する政令(平成12年政令第16号)別表
- 地方自治法第228条第1項
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





