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危険物取扱者免状はなぜ旧姓を書き足せるのか|消防設備士免状も対象になる手続きを解説

危険物取扱者免状はなぜ旧姓を書き足せるのか

免状に旧姓を書き足したいという相談を受けたことはありませんか。
結婚などで名字が変わっても、仕事では旧姓のまま通したい人は珍しくありません。
危険物取扱者免状と消防設備士免状には、この旧姓を併記できる制度があります。
この記事では旧姓記載の申請方法と必要書類を条文から解説します。

旧姓のまま免状を使いたいという危険物取扱者がいるんですが、そんなことができるんでしょうか。

できます。
免状の交付や書換えのタイミングで申し出れば、旧姓を併記してもらえます。

消防設備士免状でも同じ扱いなんですか。

はい、どちらの免状も対象です。
順番に条文を見ていきましょう。

この記事の結論
  • 危険物取扱者免状と消防設備士免状は、どちらも旧姓(旧氏)の記載を申し出ることができます(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号)。
  • 旧姓の記載は自動では付かず、免状の交付・写真の書換え・再交付のいずれかにあわせて本人が申し出る必要があります。
  • 写真の書換えを伴う場合は免状表面の氏名欄に旧姓を併記し、写真以外の書換えの場合は裏面の備考欄に記載します。
  • 旧姓の記載や変更には戸籍抄本など公的機関発行の書類による確認が必要です。
  • 免状の交付・書換え・再交付にかかる手数料は、旧姓を記載しても従前のまま変わりません。

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免状の旧姓記載は書換えにあわせて申し出ることを示す図解

危険物取扱者免状の旧姓記載はなぜ新しく認められたのか

住民票の旧姓記載と免状を並べるイラスト
免状に旧姓を書けるようになったのは、実はそれほど昔の話ではありません。
きっかけは、免状とは別の制度の見直しでした。
危険物取扱者免状及び消防設備士免状における旧姓記載等の運用について(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号 消防庁予防課長・消防庁危険物保安室長) 住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令(平成31年政令第152号)が平成31年4月17日に公布され、同年11月5日から住民票及び個人番号カードに旧姓(住民基本台帳法施行令にいう「旧氏」を指す。)を記載することが可能となったこと等を踏まえ、危険物取扱者免状及び消防設備士免状(以下「免状」という。)における旧姓の記載等の運用について取りまとめましたので通知します。
住民票に旧姓を書けるようになったことが、免状にも波及しました。
きっかけは平成31年の住民基本台帳法施行令の改正です。
これにより、令和元年11月5日から住民票やマイナンバーカードに旧氏(旧姓)を記載できるようになりました。
消防庁はこの流れを受け、危険物取扱者免状と消防設備士免状でも同じ扱いができるよう運用を整理しました。
まずはどちらの免状が対象になるのかを見ていきます。

免状にも旧姓が書けるようになったのは最近の話なんですね。

はい、令和2年に運用が整理されました。
次はどちらの免状が対象かを確認しましょう。

危険物取扱者免状と消防設備士免状のどちらが対象になるのか

危険物取扱者免状と消防設備士免状を並べるイラスト
対象になる免状は1種類だけではありません。
2つの国家資格の免状がどちらも含まれます。
危険物取扱者免状及び消防設備士免状における旧姓記載等の運用について(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号) 免状の交付、写真に係る書換え又は再交付を伴う場合 免状の交付、写真に係る書換え又は再交付を受けようとする者が、併せて当該免状への旧姓の記載を希望する場合には、当該者による申出を受け、免状表面の氏名欄に旧姓を併記するとともに、裏面備考欄に「氏名欄の括弧内は旧姓」と記載し、交付、書換え又は再交付を行う知事の証印を押すこと。
対象は危険物取扱者免状と消防設備士免状の両方です。
通知の名宛人にはどちらの免状も並んで書かれています。
ただし、旧姓は自動的には付きません。
免状を持つ本人からの申出があって初めて記載される仕組みです。
次は実際にどう記載されるのかを見ていきます。

危険物取扱者だけじゃなくて消防設備士も対象なんですね。

そのとおりです。
ただし本人が申し出ないと記載されません。

旧姓はどこにどうやって記載されるのか

免状表面の氏名欄と裏面の備考欄を示すイラスト
記載のしかたは、手続きの種類によって変わります。
条文を順番に見ていきましょう。
危険物取扱者免状及び消防設備士免状における旧姓記載等の運用について(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号) 免状の写真以外に係る書換えを伴う場合 免状の写真以外に係る書換えを受けようとする者が、併せて当該免状への旧姓の記載を希望する場合には、当該者による申出を受け、免状裏面の備考欄に書換え事項として「氏名 ○○○○(旧姓:□□)」と記載すること。免状に旧姓の記載を受けた者が当該免状から旧姓の削除を希望する場合には、免状の写真に係る書換え又は再交付の際に、当該者による申出を受け、免状から旧姓の記載を削除すること。
記載場所は手続きの種類で使い分けられます。
写真の書換えや再交付を伴うときは、免状表面の氏名欄に旧姓が併記されます。
写真以外の書換え(本籍地の変更など)のときは、裏面の備考欄に旧姓が書き添えられます。
旧姓の記載をやめたくなったときも、書換えや再交付のタイミングで申し出れば削除できます。
どちらの場合も、申請書の氏名欄に旧姓を括弧書きで添える必要があります。

本籍地が変わっただけでも表面に書いてもらえるんですか。

その場合は裏面の備考欄になります。
表と裏で扱いが違うので気をつけてください。

実務で見落としやすいのはどこか

戸籍抄本の書類と変わらない手数料を示すイラスト
申し出さえすればすぐ記載してもらえる、というわけではありません。
いくつか準備しておくことがあります。
危険物取扱者免状及び消防設備士免状における旧姓記載等の運用について(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号) 3 旧姓確認のための書類 旧姓の記載又は変更を希望する者による申出があった場合、戸籍抄本、旧姓が記載された住民票等、公的機関が発行した文書により旧姓の確認を行うこと。 4 手数料 免状の交付、書換え及び再交付に係る手数料は、従前のとおりすること。
見落としやすいのは単独では申請できない点です。
旧姓の記載は、免状の交付・写真の書換え・再交付のいずれかとセットでしか受け付けられません。
「旧姓だけ書き足してほしい」という単独の申請窓口は用意されていません。
また、戸籍抄本など公的機関発行の書類で旧姓を確認するため、手元に準備しておく必要があります。
手数料は旧姓を記載しても加算されず、従前のとおりです。

旧姓だけを書き足すお願いはできないんですね。

はい、書換えなどのタイミングに合わせる必要があります。
戸籍抄本も忘れずに準備してください。

明日からなにを確認すればよいのか

チェックリストと申請書を示すイラスト
最後に、実際に申し出るときの流れを整理します。
順番に確認していきましょう。
危険物取扱者免状及び消防設備士免状における旧姓記載等の運用について(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号) 2 申請書の記載 免状への旧姓の記載を希望する者は、危険物の規制に関する規則別記様式21若しくは23又は消防法施行規則別記様式第1号の2の4若しくは第1号の4に規定する申請書の氏名欄において、旧姓を括弧書きで記載すること。
まず自分の免状で書換えの予定があるかを確認します。
氏名や本籍地の変更、写真の期限切れなど、書換えが必要になる場面は意外と多くあります。
そのタイミングにあわせて、旧姓の記載を希望するかどうかを決めておきます。
希望する場合は、申請書の氏名欄に旧姓を括弧書きし、戸籍抄本などの確認書類をそろえて申請します。
記載後に旧姓が不要になったときも、同じ流れで削除を申し出られます。

次に書換えをするときに、あわせて相談してみます。

それが確実です。
戸籍抄本の準備だけ忘れないようにしてください。

よくある質問

Q旧姓だけを書き足すために単独で申請できますか?
Aできません。免状の交付、写真の書換え、再交付のいずれかにあわせて申し出る必要があります。単独の旧姓記載申請という手続きはありません。
Q旧姓の記載に手数料は追加でかかりますか?
Aかかりません。免状の交付・書換え・再交付にかかる手数料は、旧姓を記載しても従前のとおりです。
Q旧姓を証明する書類は何が必要ですか?
A戸籍抄本や旧姓が記載された住民票など、公的機関が発行した文書で確認します。所轄の担当窓口へ事前に確認しておくと安心です。
Q一度記載した旧姓をあとから削除できますか?
Aできます。免状の写真の書換えや再交付の際に、本人が申し出れば旧姓の記載を削除してもらえます。

まとめ

✔危険物取扱者免状と消防設備士免状は、どちらも旧姓(旧氏)の記載を申し出ることができます。
✔きっかけは平成31年の住民基本台帳法施行令の改正で、住民票に旧姓が書けるようになったことです。
✔旧姓の記載は自動では付かず、免状の交付・写真の書換え・再交付にあわせて本人が申し出ます。
✔写真の書換えを伴う場合は免状表面の氏名欄に併記されます。
✔写真以外の書換えの場合は免状裏面の備考欄に記載されます。
✔旧姓の確認には戸籍抄本など公的機関発行の書類が必要です。
✔手数料は旧姓を記載しても従前のとおりで、追加の費用はかかりません。

次の書換えのときに、旧姓の記載もあわせて相談してみます!

ぜひご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物取扱者免状及び消防設備士免状における旧姓記載等の運用について(令和2年2月18日 消防予第40号・消防危第36号 消防庁予防課長・消防庁危険物保安室長)
  • 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第34条
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第33条の6
  • 住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号)第30条の13

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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