マンションで40号省令の代替設備を使うときは、設備の前に建物そのものの造りが問われます。
壁や天井の仕上げ、住戸の窓や扉の位置、機械室の扉の大きさまでが位置・構造告示で決められています。
どこまでが対象で、どこからが対象外なのかは、条文だけを読んでも線引きがはっきりしません。
質疑応答が示したのは共用部分と開口部をどこまで見るかの線引きです。
うちのマンションの廊下は吹きさらしです。
外なのに壁や天井の仕上げまで決まりがあるのでしょうか。
あります。
外気に開放された廊下や階段室も共用部分に含まれます。
バルコニーの避難ハッチや、受水槽室の大きな扉も引っかかりますか。
どちらも質疑応答で認められる形が示されています。
5つの回答で、見るところと見なくてよいところが整理できます。
- 共用部分の仕上げを準不燃材料にする対象には外気に開放された廊下及び階段室等も含まれます
- 開口部の側方や前面の50センチメートル以内に設ける避難ハッチは細目告示に適合すれば認められます
- 隣接する住戸等と上下に位置する住戸等はひさしやそで壁を挟んだ合計の寸法で見てよいとされました
- 常時閉鎖式の特定防火設備を設けた電気室や受水槽室等の機械室は4平方メートル以下で差し支えありません
- 特定光庭に面する開口部に階段室に設けられた開口部は含まれません
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目次
外気に開放された廊下や階段室も準不燃材料にするか

その共用部分に吹きさらしの廊下まで入るのかが問われました。
外気に開放された廊下や階段室は、屋外に近い感覚で扱われがちですが、回答は共用部分に含まれるとしました。
つまり、開放廊下の天井や、住戸の玄関が並ぶ側の壁も、室内に面する部分であれば準不燃材料で仕上げることが求められます。
改修や大規模修繕で開放廊下の天井を張り替えるときは、この点を先に設計者と共有しておくと手戻りがありません。
仕上材の仕様書が手元に無ければ、竣工図の仕上表を開いて共用廊下と階段室の行を確認してみてください。
屋外扱いで外れると思っていました。
開放廊下も階段室も同じ土俵に乗ります。
仕上表で材料の種別を先に押さえてください。
開口部の近くに避難ハッチを設けてもよいか

そこに避難ハッチが入り込む場合をどう見るかが問われました。
回答は無条件に認めたのではなく、避難器具の細目告示の第8第5号に適合するものに限る、という形で答えています。
避難ハッチは避難のための設備ですから、開口部のまわり50センチメートル以内にあること自体で直ちに支障があるとはされませんでした。
ただし、拠りどころになるのは避難器具側の基準です。細目告示への適合が確かめられていない製品や施工では、この扱いは使えません。
バルコニーの図面で避難ハッチの位置を確認したら、あわせて機器の適合を示す資料が保管されているかも見ておいてください。
ハッチなら何でもよいわけではないのですね。
そのとおりです。
細目告示に適合していることが前提です。
隣り合う開口部はひさしやそで壁で代えられるか

その遮り方を寸法の組み合わせで満たしてよいかが問われました。
質疑には図が添えられており、(1)の隣接する住戸等では、開口部どうしの水平距離が0.9メートル未満であっても、突出したそで壁を挟んで測る二つの寸法の合計が0.9メートル以上になる形が示されています。
図の中では、そで壁の突き出しは0.5メートル以上とされています。
(2)の上下に位置する住戸等では、上下の距離が3.6メートル未満であっても、ひさしを挟んだ二つの寸法の合計が3.6メートル以上になる形が示されています。
自分の建物の窓割りが基準に届いていないように見えても、断面図で突出部を挟んだ寸法を拾い直すと結論が変わることがあります。
まっすぐな距離だけで判断していました。
突出部を挟んだ寸法の合計という見方があります。
平面図と断面図の両方で拾い直してみてください。
電気室や受水槽室の開口部は大きくしてよいか

機械室の扉を大きくしてよいかが問われました。
原則の上限は一の開口部あたり2平方メートル以下ですが、回答は機械室について4平方メートル以下でも差し支えないとしました。
ただし、緩められる前提として問いに書かれているのは、その開口部に常時閉鎖式の特定防火設備を設けていることです。
扉が閉まっていることが前提の扱いですから、搬入や点検のあとに扉が開けっ放しになっていないかは日常の巡回で見るべき項目になります。
電気室や受水槽室の扉が自動で閉まるか、次の巡回のときに一度確かめてみてください。
扉が閉まっていることが条件なのですね。
問いにそう書かれています。
扉止めで開けたままにしないことが大切です。
特定光庭に面する開口部に階段室の窓は含まれるか

その階段室の窓まで数えるのかが問われました。
回答は一言で、含まないとだけ示されました。
特定光庭に面する開口部として扱う範囲から階段室の開口部が外れるため、光庭まわりの検討では住戸等の開口部に目を向けることになります。
光庭を囲む壁の窓を数えるときは、その窓がどの部屋のものかを先に仕分けておくと、あとで数え直さずに済みます。
平面図の光庭の周囲をなぞって、住戸の窓と階段室の窓を色分けしておくのが手早い方法です。
つまり住戸側の窓を見ればよいということですね。
階段室の分は外れます。
光庭に面する窓を部屋の種別で仕分けてください。
よくある質問
まとめ
どこを見ればよいか整理できました。
仕上表と平面図を並べて確かめてみます。
共用部分の仕上げ、開口部の寸法、機械室の扉。
この3つを図面で押さえれば話が早く進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防用設備等に係る執務資料の送付について(平成18年11月30日 消防予第500号 消防庁予防課長から各都道府県消防防災主管部長・東京消防庁・各指定都市消防長あて)
- 特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件(平成17年消防庁告示第2号)
- 避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目(平成8年4月16日消防庁告示第2号)
- 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成17年総務省令第40号)
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成18年当時のもので、告示番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





