BLOG

防災センターの広さは何㎡要るのか|津市の25㎡と鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市の40㎡を比べる

防災センターの広さは津市が25㎡からで40㎡の市と何が違うかという見出しと監視盤の並ぶ高層ビルの防災センターの写真

防災センターは、総合操作盤を置いて建物の消防用設備等を監視し、火災のときは消防隊の活動拠点にもなる部屋です。
ところが国の規則には、この部屋を何㎡にするかという数字が書かれていません。
数字を決めているのは各消防本部の審査基準で、津市は高層建築物の指導基準で25㎡、鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市は総合操作盤の節で40㎡としています。
この記事では津市の基準を入口に、広さ・位置・仮眠室の扱いを6つの消防本部で比べます。

津市で地上16階建てのオフィスビルを計画していて、1階に防災センターを置く予定です。
部屋の広さはどれくらいを見込めばよいのでしょうか。

津市なら高層建築物の指導基準に25㎡という数字があり、15階以上は上乗せがあります。
まず数字の出どころを確かめましょう。

隣の鈴鹿市や四日市市でも、同じ25㎡なのでしょうか。

鈴鹿市はおおむね40㎡で、四日市市の審査基準には数字が見当たりません。
市ごとに順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 国の規則第12条第1項第8号は防災センターを「防災のための設備を管理する場所」と定めるだけで、広さの数字はありません
  • 津市は高さ45mを超える建物の指導基準で、防災センターを25㎡以上とし、地上15階以上は階数5以内ごとに5㎡を加えるとしています
  • 鈴鹿市と埼玉県央広域は総合操作盤の節でおおむね40㎡以上(▲=行政指導)、堺市は40㎡以上(★)としています
  • 仮眠や休憩の部分は、津市は同じ区画に置かず、鈴鹿市・県央広域・堺市は近くに置く書き方です
  • 四日市市と大阪市の総合操作盤の節には広さの数字が見当たらず、事前協議で決めることになります

▼

防災センターの広さは津市が25㎡以上で15階以上は加算し鈴鹿市と埼玉県央広域はおおむね40㎡以上で堺市は40㎡以上と消防本部ごとに違うことを示した図解

防災センターの広さは国の基準で決まっているのか

1階の小さな防災センターに監視盤の机が並び隣に高層のオフィスビルが建つイラスト
防災センターという言葉は、消防法施行規則第12条第1項第8号の総合操作盤の規定に出てきます。
e-Govの現行条文で、何が書かれていて何が書かれていないかを確かめます。
消防法施行規則 第12条第1項第8号
 高層の建築物、大規模な建築物その他の防火対象物のうち、次のイからハまでに掲げるものに設置される屋内消火栓設備には、(略)総合操作盤(略)を、消防庁長官が定めるところにより、当該設備を設置している防火対象物の防災センター(総合操作盤その他これに類する設備により、防火対象物の消防用設備等又は特殊消防用設備等その他これらに類する防災のための設備を管理する場所をいう。以下同じ。)、中央管理室(略)、守衛室その他これらに類する場所(常時人がいる場所に限る。以下「防災センター等」という。)に設けること。
規則が決めているのは部屋の役割までです。
定義は「防災のための設備を管理する場所」で、広さや置く階の数字はこの号に書かれていません。
総合操作盤が要る建物は、同じ号のイからハで延べ面積5万㎡以上などと決められ、ハは消防長の指定で範囲が変わります。
そのため部屋の広さや位置は、各消防本部が審査基準の中で決めています。
今回は三重県の3市と埼玉県央広域、大阪府の2市の公開基準を読みました(行田市と羽生市は審査基準を公開していません)。

うちの計画では中央管理室を兼ねる部屋にするつもりですが、国の広さの決まりは無いのですね。

規則の号には数字がありませんが、管轄の審査基準に数字があることが多いです。
まず管轄の基準の該当する節を開きましょう。

津市は高層建築物の防災センターに何を求めているのか

高層ビルの1階で防災センターの出入口から屋外の出入口まで通路が続くイラスト
津市の予防事務審査検査基準は、2-3 高層建築物における指導基準の6で防災センターを取り上げています。
適用されるのは、高さ45mを超える建築物です。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」2-3 高層建築物における指導基準
第1 適用範囲 本指導基準は、高さ45mを超える高層の建築物に対し適用するものとする。ただし、指導基準によるものは関係者と協議を行ったうえで指導すること。
(略)
6 防災センター ⑴ オ 広さは、防災設備機器等を監視、制御、操作及び保守を容易にできる広さとするほか、消防活動の拠点として運用するための床面積25㎡(地階を除く階数が15以上のものにあっては、階数5以内ごとに5㎡を増した床面積を加えた広さ)以上とすること。
津市の基本は25㎡で、15階以上は上乗せがあります。
25㎡は、監視や保守に必要な広さとは別に「消防活動の拠点」として使うための床面積です。
15階以上の加算を何階から数え始めるかは本文に書かれていないので、実際の面積は津市消防本部との協議で確かめる必要があります。
津市の基準には義務と指導を分ける記号がありませんが、第1で「関係者と協議を行ったうえで指導する」としています。
また20 その他⑵は、同等以上の安全性が確保されるときは他の方法によることができるとしています。
6⑴には、広さのほかに次の項目が並んでいます。
  • ア 火災時に適切な対応ができる人員が常時いること
  • イ 避難階かその直上階・直下階で、屋外へ通じる出入口まで区画された通路で歩行距離30m以下の位置
  • ウ 非常用エレベーターの直近
  • エ 中央監視室と統一的に運用できる位置
  • カ 他の部分と耐火構造の床・壁か防火戸で区画し、内装は下地を含めて不燃材料
  • キ 同じ区画の中に仮眠や休憩の部分を設けない
  • ク 漏水や浸水に対する防水措置

地上16階建てなので、25㎡では足りないかもしれないのですね。

15階以上なので加算の対象になります。
何㎡になるかは計画の早い段階で津市消防本部に確かめてください。

鈴鹿市や埼玉県央広域や堺市の40㎡はどの節から来ているのか

監視盤が並ぶ壁の前に図面とヘルメットを置いた大きな机がある広い防災センターのイラスト
鈴鹿市・埼玉県央広域・堺市は、総合操作盤の節の中で防災センターの位置と構造を決めています。
堺市は高層建築物の指針から総合操作盤の節へ渡る形になっています。
鈴鹿市消防本部「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第4章 第24 総合操作盤 3 設置場所
⑴ 総合操作盤の設置場所 原則として防災センターとする。●
⑵ 防災監視場所のうち、防災センターの位置及び構造は、次による。(略)
イ 構造 (ア) 設置された防災システムの監視、操作等及び維持管理が容易にでき、かつ、消防活動の拠点としての使用を考慮した有効な広さ(おおむね40㎡以上)を有すること。▲
40㎡は総合操作盤を置く防災センターの数字です。
鈴鹿市の▲は行政指導、●は法令の基準に行政指導を加えた項目を示す記号で、PDFのページ画像で記号を確かめました。
3本部の数字は、次の順にたどると出てきます。
  1. 鈴鹿市:第4章 第24 総合操作盤 3⑴で総合操作盤は原則として防災センターに置く(●)→ 3⑵イ(ア)でおおむね40㎡以上(▲)
  2. 埼玉県央広域:第4章 第24 総合操作盤 4⑴で原則として防災センター(●)→ 4⑵イ(ア)で同じくおおむね40㎡以上(▲)
  3. 堺市:高層建築物に係る指導指針(高さ31m超か地上11階以上)の8 防災センター★が「第26 総合操作盤 Ⅱ2によること」と委ねる
  4. 堺市:第26 総合操作盤 Ⅱ2は総合操作盤を設置する建物に適用され、(2)イで消防活動の拠点として40㎡以上(★)
堺市の★は、堺市消防局として独自に指導する項目を示す記号です。
下の表は、6つの消防本部の公開基準で広さの数字がどこにあるかをまとめたものです。
消防本部数字がある節広さ記号
津市2-3 高層建築物(高さ45m超)6⑴オ25㎡以上(地上15階以上は階数5以内ごとに5㎡加算)なし(第1で協議のうえ指導)
鈴鹿市第4章 第24 総合操作盤 3⑵イ(ア)おおむね40㎡以上▲
埼玉県央広域第4章 第24 総合操作盤 4⑵イ(ア)おおむね40㎡以上▲
堺市高層建築物に係る指導指針8→第26 総合操作盤 Ⅱ2(2)イ40㎡以上★
四日市市第26 総合操作盤数字なし(高さ60m超などはガイドラインを参考に協議)―
大阪市総合操作盤の節数字なし―

鈴鹿市は「おおむね」なので、少し小さくても相談の余地がありそうですね。

「おおむね」で行政指導なので協議にはなりますが、消防活動の拠点という目的は外せません。
机と人が入る広さかを図面で示しましょう。

防災センターの位置や仮眠室の扱いは市によってどう違うのか

監視盤のある防災センターと寝台のある休憩室が厚い壁と鉄の扉で仕切られて並ぶイラスト
広さのほかに、置く階と仮眠や休憩の部分の扱いにも違いがあります。
特に仮眠室は、同じ区画に置けるかどうかで市の書き方が分かれます。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」2-3 6⑴
キ 防災センターの同一区画内には、防災センター要員が仮眠、休憩等をする部分を設けないこと。
堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第26 総合操作盤 Ⅱ2(2)
ク 監視等の要員が、仮眠、休憩に使用する部分は、防災センターに近接した場所に設けるものとし、防災センター内に設ける場合は、当該部分と防火区画すること。
仮眠室を同じ区画に置けるかは市で分かれます。
津市は同じ区画に置かない書き方で、堺市はセンター内に置くなら防火区画するとしています。
鈴鹿市と県央広域は、仮眠所などを設ける場合は近接した場所で情報連絡がとれる措置を講じるとしています(▲)。
県央広域の第24-6図には、仮眠所や休憩所を含めて一の防火区画として差し支えないという注記があります。
位置と内装も並べると次のとおりです。
項目津市鈴鹿市・埼玉県央広域堺市
置く階避難階かその直上階・直下階避難階かその直上階・直下階で外部から出入りが容易(▲)避難階かその直上階・直下階で消防隊が進入でき2方向に避難できる(★)
屋外への距離歩行距離30m以下(区画された通路)数字なし(消防隊の進入口から近い位置▲)数字なし(浸水しない位置★)
非常用エレベーター直近乗降ロビーや特別避難階段の付近(▲)乗降ロビーと特別避難階段に安全な通路で連絡(★)
内装下地を含めて不燃材料仕上げを準不燃材料・建築基準法施行令第112条の防火区画(▲)仕上げを不燃材料・窓と出入口は特定防火設備(★)
仮眠・休憩同じ区画に設けない近接した場所で連絡できる措置(▲)近接した場所・センター内なら防火区画(★)

夜間に監視員が仮眠する部屋を、防災センターの奥に付けるつもりでした。

津市では同じ区画に置かない書き方なので、区画の分け方を先に決めましょう。
扉一枚で行き来できる配置なら連絡もとりやすいです。

防災センターの広さは計画の段階でどう確かめるのか

1階の平面図と定規と電卓とチェックリストと高層ビルの白い模型を置いた製図台のイラスト
防災センターの広さは、平面計画が固まってからだと動かしにくい数字です。
基本設計の段階で、次の順に確かめておくと手戻りが減ります。
津市消防本部「津市予防事務審査検査基準」2-3 20 その他
⑵ この指導基準に規定する安全基準は、当該建築物の敷地、配置、構造、用途等の状況から判断して、他の方法等により同等以上の安全性が確保されるときは、当該方法等によることができるものとする。
建物の条件と管轄の数字を先に押さえます。
津市の基準は、同等以上の安全性を示せば別の方法も認める作りです。
ただしそれも協議の場で示すことが前提なので、数字の根拠を図面にそろえておきます。
手順は次のとおりです。
  1. 規則第12条第1項第8号イからハと消防長の指定で、総合操作盤が要る建物かを確かめる
  2. 津市なら高さが45mを超えるか、地上の階数が15以上かを確かめる
  3. 管轄の審査基準で広さの数字を確かめ、監視盤・総合操作盤・打合せの机を置いた平面で面積を出す
  4. 置く階、屋外の出入口までの歩行距離、非常用エレベーターとの位置関係を図面に書き込む
  5. 仮眠や休憩の部分の区画の分け方を決め、事前協議で示す

面積だけでなく、屋外の出入口までの距離も図面に書いておくのですね。

津市は30mという数字があるので、平面図に歩行経路を引いておくと話が早いです。
数字の無い市でも同じ図面が協議の材料になります。

よくある質問

Q津市の25㎡は高さ45m以下の建物にも掛かりますか?
A2-3 高層建築物における指導基準の適用範囲は高さ45mを超える建築物です。今回見た津市の基準では、45m以下の建物に防災センターの広さを示す記述は見当たりませんでした。
Q鴻巣市では防災センターの広さはどう決まっていますか?
A鴻巣市・桶川市・北本市を受け持つ埼玉県央広域消防本部は、総合操作盤の節でおおむね40㎡以上としています。▲の付いた行政指導の項目です。
Q四日市市には防災センターの広さの決まりはないのですか?
A四日市市の審査基準の総合操作盤の節には広さの数字が見当たりません。高さ60mを超える建物などは、平成9年の消防予第148号のガイドラインを参考に関係者と協議するとしています。
Q中央管理室を防災センターとして使ってもよいですか?
A規則第12条第1項第8号は、防災センター・中央管理室・守衛室などで常時人がいる場所をまとめて防災センター等と呼んでいます。津市は中央監視室と統一的に運用できる位置を求めているので、兼ね方は管轄に確かめてください。

まとめ

✔国の規則第12条第1項第8号は防災センターの役割を定めるだけで、広さの数字はありません
✔津市は高さ45mを超える建物で、防災センターを25㎡以上とし地上15階以上は加算するとしています
✔津市の加算を何階から数えるかは本文に書かれていないので、協議で確かめます
✔鈴鹿市と埼玉県央広域はおおむね40㎡以上、堺市は40㎡以上で、いずれも総合操作盤の節にあります
✔堺市は高層建築物の指針から第26 総合操作盤へ委ねる形で40㎡を求めています
✔仮眠や休憩の部分は、津市は同じ区画に置かず、ほかは近接した場所に置く書き方です
✔津市は屋外の出入口まで歩行距離30m以下という位置の数字も持っています

階数と高さを確かめて、防災センターの広さを図面に書いてから相談します!

仮眠室の区画の分け方も一緒に決めておくと協議が進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は各消防本部が公開している審査基準と国の法令に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防本部で確認してください。各本部の資料は2026年10月時点の公開版で確認しています。津市の15階以上の加算の数え方や実際の面積は、所轄の消防本部が判断します。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
防災センターの広さは津市が25㎡からで40㎡の市と何が違うかという見出しと監視盤の並ぶ高層ビルの防災センターの写真
防災センターは、総合操作盤を置いて建物の消防用設備等を監視し、火災のときは消防隊の活動拠点にもなる部屋です。 ところが国の規則には、この部屋を何㎡にするかという数字が書かれていません。 数字を決めているのは各消防本部の審...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →