台風のニュースで、屋根の看板が飛ばされる映像を見たことはありませんか。
実は屋根ふき材や外壁の仕上げ材、屋上の看板は、風圧や地震で脱落しないように建築基準法施行令で構造の基準が定められています。
この基準は建物を建てるときだけでなく、所有者や管理者が日頃どう向き合うかにも関わってきます。
この記事では、屋根や外壁の脱落防止基準と実務での確認ポイントを解説します。
うちのビルの屋上にも看板が付いているんですが、台風のたびに大丈夫かと心配になります。
屋根ふき材や外壁材、看板は建築基準法施行令第39条で、風圧や地震で脱落しない構造にすることが定められていますよ。
設計のときだけの話かと思っていました。
所有者や管理者には常時適法な状態に保つ努力義務もありますので、日頃の点検も大事です。
- 屋根ふき材、外装材、帳壁、広告塔等は建築基準法施行令第39条で風圧や地震による脱落防止が義務付けられています。
- 脱落を防ぐ構造方法は、国土交通大臣が定める基準に従わなければなりません。
- 大規模なつり天井は「特定天井」として第39条第3項・第4項の別の基準が適用されます。
- 建物の所有者や管理者には、常時適法な状態を保つ維持保全の努力義務があります。
- 台風や地震のあとは、専門業者による点検を検討することが実務上のポイントです。
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目次
屋根や外壁の看板はなぜ脱落を防ぐ基準があるのか

建築基準法施行令には、そうした事故を防ぐための構造基準が明記されています。
この規定は建築基準法施行令第39条第1項に定められており、屋根ふき材だけでなく外装材や帳壁、広告塔や装飾塔まで幅広く対象にしています。
台風で看板が飛ばされたり、地震で外壁材が落下したりする事故は、通行人や隣接する建物にも被害が及ぶおそれがあります。
だからこそ設計の段階から、脱落を防ぐ構造にしておくことが法律で義務づけられているのです。
まずは自分の建物のどの部分がこの規定の対象になるのか、次の章で確認していきましょう。
看板が落ちたら大事故になりますもんね。
そのとおりです。
だからこそ設計段階から脱落防止の基準が細かく定められているんですよ。
屋根ふき材や外装材にはどんな部分が含まれるのか

自分の建物のどこが当てはまるのか、順番に見ていきましょう。
屋根ふき材は瓦やスレート、金属板など屋根を覆う仕上げ材のことです。
外装材や帳壁は外壁のタイルやパネル、カーテンウォールなどを指し、内装材も条文上は対象に含まれます。
広告塔や装飾塔は屋上や壁面に設ける看板や塔屋の装飾物で、屋外に取り付けるもの全般が想定されています。
テナントが後から取り付けた看板であっても、建物に固定されている以上はこの考え方の対象になります。
テナントが勝手に付けた看板も関係あるんですね。
はい。
建物に固定される以上、脱落防止の観点では同じ扱いになりますので確認しておきたいところです。
安全な構造と認められるにはなにが必要なのか

条文は具体的な工法を国土交通大臣の定める基準に委ねています。
条文自体は釘の本数や金具の種類までは定めておらず、告示で示された構造方法に適合させる仕組みになっています。
壁に立てかけてあるだけの外装材や、経年で金具が緩んだ看板は、この構造方法を満たさなくなっているおそれがあります。
なお、体育館やホールなどの大規模なつり天井は「特定天井」として第39条第3項・第4項の別の基準が適用されます。
自分の建物の外装材がどの構造方法で固定されているかは、建築時の設計図書や確認申請書類で確かめられます。
うちの看板がちゃんと固定されているか、図面で確認できるんですね。
はい。
設計図書に金具の仕様が書かれていることが多いので、まずはそこを見てみましょう。
実務で見落としやすいのはどこか

順番に整理しておきましょう。
建築基準法第8条第1項は、所有者や管理者に建物を常時適法な状態に維持する努力義務を課しています。
建築当時は適合していた看板や外装材でも、経年で金具が錆びたりゆるんだりすれば、脱落のおそれが生まれます。
また、体育館や大規模な物販店舗のつり天井は「特定天井」という別枠の基準(第39条第3項・第4項)が適用されるため、屋根や外壁の基準とは区別して確認する必要があります。
違反した状態を放置すると、特定行政庁から使用制限などの是正措置を命じられることもあります。
古い看板は金具が緩んでいないか、ちゃんと見ないといけませんね。
そうですね。
放置すると是正措置の対象になることもありますので、早めの点検をおすすめします。
台風や地震のあとになにを確認すればよいのか

特別な資格がなくても、まず目視でできることがあります。
屋根瓦のずれや浮き、外壁材の目地の隙間、看板の固定金具のゆるみやさびがないかを地上から見て回ります。
高所に上って直接触れる点検は、専門業者に依頼するのが安全です。
気になる箇所が見つかったら、建築時の設計図書と照らし合わせ、必要であれば特定行政庁や専門家に相談します。
定期報告(法第12条点検)の対象になっている建物では、その報告の機会に合わせて確認するのも実務的な方法です。
台風の翌日は、まず外から見て回るところから始めればいいんですね。
はい。
気になる箇所があれば、無理せず専門業者に相談してください。
よくある質問
まとめ
うちの看板や外壁も、まずは目で見て確認してみます!
台風や地震のあとの点検や補修でお困りでしたら、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第39条第1項・第2項
- 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第8条第1項・第9条第1項
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または専門家にご確認ください。





