3点セットを1組だけ備える場合、防災要員は自衛防災組織なら8名、共同防災組織なら9名です。
同じ車両を同じ数だけ持つのに、1名だけ多い。
その1名は指揮者です。
理由は事業形態の異なる事業所が一緒に動くからです。
事業を休止しても、防災要員は置いておかなければならないのでしょうか。
原則として法令で規定する防災要員の数が必要であるとされています。
危険物施設として許可を受けたまま休止した場合も同じです。
夜間は1名が常駐し、もう1名は呼び出して駆け付ける形でもよいでしょうか。
原則として常駐すべきとしたうえで、油槽所等夜間操業しない第1種事業所については条件付きでやむを得ないとされました。
- 共同防災組織が自衛防災組織より1名多いのは、組織活動を強化するため指揮者の増強がはかられているためです
- 事業を休止した場合でも、原則として法令で規定する防災要員の数が必要です
- 共同防災組織を構成する事業所の防災要員は原則として常駐すべきものです
- 油槽所等夜間操業しない第1種事業所は、副防災管理者と防災要員1名を常駐させ他の1名を駆け付け要員とすることがやむを得ないとされました
- 3点セットを1台ずつ分散配置するようなケースは認められません
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目次
共同防災組織が1名多いのはなぜか

大型化学消防車、大型高所放水車、泡原液搬送車。この3点セットを1組だけ備える場合の防災要員の数について、疑義が出されました。
自衛防災組織なら政令第7条第2項により8名。共同防災組織なら政令第19条第1項第2号により9名。この違いは何によるのか。
問2 3点セット1組のみを備える共同防災組織の防災要員の数は、政令第19条第1項第2号の規定によらず政令第7条第2項の規定に準じ指揮者を要しないものとして運用することの適否について。
答2 上記により了知されたい。
理由が2つ示されています。
1つは人の出どころです。共同防災組織は、それぞれの構成事業所からの防災要員により構成される場合もあります。ふだん一緒に働いていない人が集まります。
もう1つが現場の条件です。火災等の事故に際しては、事業形態の異なる構成事業所において防災活動を行います。自分の工場とは配置も設備も違う場所へ行くことになります。
だから組織活動を強化するため指揮者を増やすという組み立てです。
問2で示された、指揮者を要しないものとして運用したいという相談は、上記により了知されたいと退けられています。人数を減らす方向の運用は認められませんでした。
組織の種類で、人数が変わるのですね。
根拠の条文が違います。
自分の組織の区分を、確かめておいてください。
事業を休止しても防災要員は要るか

それでも防災要員を配置しておかなければならないのか。配置するとして、2人か4人か。
あわせて、レイアウト事業所や第1種事業所が休止された場合も問われました。
問2 レイアウト事業所或いは第1種事業所が休止された場合についても教示願いたい。
答2 1によられたい。
原則として法令で規定する数が必要、という答えです。
考え方は分かりやすいところにあります。休止していても、危険物施設として許可を受けたままなら危険物はそこにあり得ます。設備も残っています。操業していないことと、危険がないことは違います。
2人か4人かという問いには直接答えず、法令で規定する数と返しています。休止を理由に少ないほうを選ぶ余地はない、ということです。
レイアウト事業所や第1種事業所についても同じ扱いです。
実務では、長期休止に入るときこそ人の配置が緩みがちです。許可を返上しない限り義務は続く、と押さえておく必要があります。
休止しても、人数は減らないのですね。
許可を受けたままだからです。
休止の計画は、体制とあわせて考えてください。
夜間に駆け付け要員でよいのはどんな場合か

油槽所で、休日と夜間は1名常駐、1名を駆け付け要員としている形は認められるのか。
その事業所は共同防災組織の防災要員が常駐して随時巡回している状況でした。
問2 上記防災要員に駆け付け要員が含まれる場合、政令第7条第4項の規定から駆け付け要員の要件(駆け付けに要する時間又は距離、雇用関係等)は如何にあるべきか。
まず原則が立てられ、そのあとに例外が置かれています。
例外が使えるのは、油槽所等夜間操業しない第1種事業所に限られます。夜間も動いている事業所では使えません。
そのうえで3つの条件が付いています。副防災管理者と防災要員1名を常駐させること。他の1名について呼び出しのための連絡体制が確保されていること。そしてその者が防災要員の要件を満たすこと。
やむを得ないものと考えられる、という結び方にも注意してください。推奨ではなく容認です。
駆け付け要員の要件について問2で尋ねられた時間や距離は、次の項目で示される防災要員の要件のほうに答えがあります。
原則は常駐で、例外が置かれているのですね。
条件つきの扱いです。
夜間の体制を、名簿で確かめてください。
防災要員に求められる5つの要件

この抽象的な表現の中身を示されたい、という照会です。
1 災害の応急措置に関して必要な知識・技能及び体力を有すること。
2 設備等の緊急措置に掛る要員でないこと。
3 事業所内の設備の位置、消防設備等の配置、使用方法及び通路の状況に精通していること。
4 おおむね10分以内に災害現場に到着できる体勢にあること。
5 指揮者及び機関員は常時専従であること。
5つの要件のうち、実務でいちばん効くのが4です。おおむね10分以内に災害現場に到着できる体勢にあること。前の項目の駆け付け要員も、この基準で測ることになります。
2も見落とせません。設備等の緊急措置に掛る要員でないこと。プラントを止める役の人は、同時に消火に回れません。1人に2つの役目は持たせられません。
3は知識ではなく土地勘です。どこに何があり、通路がどうなっているか。外部から来た人がすぐには満たせない要件です。
5は指揮者と機関員を名指ししています。この2つの役は常時専従。ほかの仕事と兼ねられません。
最少限必要である、という書き方も重要です。これを満たせば十分ではなく、ここからが出発点だということです。
10分以内という数字が基準なのですね。
到着できることが要件です。
要員の居住や勤務の場所を、確認してください。
3点セットを1台ずつ分けて置けるか

甲種普通化学消防車と普通高所放水車を各1台、A社とB社に分けて置き、機関員等は相互の事業所で確保する。そういう相互応援的な組織にできないか。
特に、3点セットを1台ずつ分散配置するようなケースは認められないものであること。設問の事例については、分散配置による防災活動上の効果があるとは考えられない。
原則と例外と、さらに例外の外側が示されています。
原則は一括配置です。共同防災組織に必要な防災資機材は、まとめて備え付けておくもの。
例外は、3点セットが2セット以上あり、1セットずつ分散配置したほうが防災活動上効果がある場合です。セット単位でなら分けられます。
そして3点セットを1台ずつばらばらに置くケースは認められないと、はっきり否定されました。
理由は現場を思い浮かべれば分かります。3点セットは、化学消防車と高所放水車と泡原液搬送車が揃って初めて機能します。1台ずつ別の敷地にあると、どこで火が出ても揃いません。
設問の事例についても、分散配置による防災活動上の効果があるとは考えられないと明言されています。
分けて置くことは、認められないのですね。
一括の配置が原則です。
共同化の計画は、配置から相談してください。
よくある質問
まとめ
- 共同防災組織の1名増は組織活動を強化するための指揮者の増強です
- 指揮者を要しないものとする運用は認められませんでした
- 事業を休止しても原則として法令で規定する数が必要です
- 防災要員は原則として常駐すべきもので、夜間操業しない第1種事業所のみ条件付きで駆け付け要員が容認されます
- 防災要員の要件はおおむね10分以内に災害現場へ到着できる体勢を含む5つです
- 設備等の緊急措置に掛る要員は防災要員に充てられません
- 3点セットを1台ずつ分散配置することは認められません
止める役と消す役は、同じ人には持たせられないのですね。
すっきりしました。
名簿を作るときは、緊急措置の担当と重なっていないかを先に見てください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和59年12月21日 消防地第288号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第7条第2項・第7条第4項・第10条・第19条第1項第2号・第20条第1項第4号
- 石油コンビナート等災害防止法第16条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和50年代のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




