第2種事業所の指定には、経過措置が用意されています。
ただし救われるのは、区域指定の際に現にその事業所を設置していた者だけです。
区域が指定されたあとに工事へ着手した者には適用されません。
基準になるのは指定の日という一本の線です。
これから建設工事に入る事業所の指定は、いつ行われるのでしょうか。
政令第3条第1項前段に定める要件が満たされることが明らかであるならば、建設工事着工前に指定を行うことが適当であるとされました。
いま休止している事業所も、指定の対象になるのでしょうか。
指定できるとされています。
消防法による許可を受けていて用途廃止の届出をしていない場合の照会です。
- 第2種事業所の経過措置は指定の日を基準としており、指定の際現に設置している者には適用されます
- 新設のための工事をしている者も含まれますが、指定後に工事へ着手した者には適用されません
- 政令第3条第1項前段の要件が満たされることが明らかなら、建設工事着工前に指定を行うことが適当です
- 名称等の変更があった場合は指定変更をすべきで、届出も行う必要があります
- 休止状態にある事業所も第2種事業所として指定できます
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目次
経過措置はどこまで及ぶか

法第20条第2項の経過措置について、適用の範囲が問われました。
区域指定の際に現に存した事業所が第2種事業所となった場合に適用されるものであって、区域指定後に工事に着手した者には適用されないと解してよいか。
質問の見立てが認められました。ただし括弧書きに重要な補足があります。
指定の際に現に設置している者には、新設のための工事をしている者も含まれます。建物が建ち上がっていなくても、指定の日に工事が始まっていれば経過措置の対象になります。
逆に、指定後に工事へ着手した者は含まれません。
基準は指定の日の一点です。前の記事で見た第1種事業所となる日が完成検査の終了日だったのとは、測る対象が違います。あちらは完成の日でこちらは着手の有無です。
区域指定の動きがあるときは、着工日を記録に残しておくことがそのまま権利の証明になります。
経過措置の範囲も、示されているのですね。
着手の時期で分かれます。
工事の記録を、日付まで残しておいてください。
指定はいつ行うのが適当か

完成してからか、着工前か。
完成を待ちません。要件が満たされることが明らかであるなら、建設工事に着手する前に指定します。
理由は前の項目と合わせると見えてきます。指定の日を境に経過措置の適用が分かれるのですから、事業者にとっても行政にとっても、早く線が引かれているほうが判断しやすくなります。
着工後に指定されると、着工の時点では対象外だった規制が途中から当たることになります。設計をやり直す事態にもなりかねません。
条件は、要件が満たされることが明らかであることです。見込みが立たない段階で指定はできません。
事業者の側から見ると、計画の早い段階で県に相談しておくほど手戻りが減るということになります。
完成を待たずに指定するのですね。
要件が明らかなら着工前です。
計画の段階から、窓口に相談してください。
名称が変わったら指定もやり直すか

法第2条第5号の指定をあらためて行う必要があるのか。届出はどうか。
後段 届出を行う必要がある。
名前が変わっただけでも、指定変更と届出の両方が要ります。
前の記事で見た譲渡の話と同じ扱いです。あちらは事業所をB社に譲渡した場合で、指定も届出もいずれも改めて必要とされました。
名称変更は所有者が変わるわけではありませんが、書類上の名宛人は変わります。指定も届出も特定の名前に対して行われているからです。
実務では合併や社名変更のときに見落としやすいところです。消防法の許可や届出だけを直して、石油コンビナート等災害防止法側を忘れることがあります。
名前が変わっただけでも、手続きが要るのですね。
指定変更と届出の両方です。
社名の変更は、関係する手続きを洗い出してください。
休止している事業所も指定できるか

その施設は消防法による許可を受けており、用途廃止の届出はしていません。
一言で認められました。
判断の手がかりは問いの中にあります。消防法による許可を受けていて、用途廃止の届出をしていない。つまり法律上はまだ危険物施設として生きています。
前の記事で見た防災要員の話と同じ考え方です。事業を休止しても、原則として法令で規定する防災要員の数が必要とされました。操業していないことと危険がないことは違います。
長期休止に入る事業所は、許可をそのままにしておくか用途廃止まで進めるかで、負う義務が大きく変わります。休止を決める時点で整理しておく必要があります。
休止していても、指定できるのですね。
許可が生きているためです。
休止中の施設も、台帳で管理してください。
氏名の変更をどう把握するか

しかし他の特定事業者については明確に定められていません。変更をどう把握すればよいのか。
また、法第39条の規定に基づき、報告を求めることもできる。
法律に届出義務がない部分を、2つの方法で補っています。
1つは石油コンビナート等防災計画です。計画の中で、氏名等の変更があった場合の届出を定めることができます。
もう1つは法第39条による報告の徴収です。個別に必要が生じたときに報告を求められます。
前の記事で見た異常現象の通報先の話と同じ構造です。法律の隙間は防災計画で埋めます。
事業者の側から見ると、法第13条の届出義務がなくても、地域の防災計画に定めがあれば届け出ることになります。自社が対象かどうかは、計画を確かめないと分かりません。
届出の義務がない部分も、手当てされているのですね。
計画に書いて補います。
変更があったときの連絡先を、決めておきましょう。
よくある質問
まとめ
- 第2種事業所の経過措置は指定の日を基準にしています
- 指定の際に新設のための工事をしている者も含まれます
- 指定後に工事へ着手した者には適用されません
- 要件が明らかなら建設工事着工前に指定を行うことが適当です
- 名称変更では指定変更と届出の両方が必要です
- 休止状態にある事業所も第2種事業所として指定できます
- 氏名等の変更は防災計画で届出を定めるか法第39条により報告を求められます
着工日が記録に残っているかどうかで、扱いが変わるのですね。
すっきりしました。
社名変更のときは消防法側だけでなく石災法側の手続も確かめてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和60年10月8日 消防地第210号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 石油コンビナート等災害防止法第2条第5号・第13条・第16条第5項・第17条第5項・第18条第1項・第20条第2項・第39条
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第3条第1項
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




