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パッケージ型消火設備は屋内消火栓の代わりになるか|令第29条の4で認められる要件と設置できない場所

パッケージ型消火設備を屋内消火栓設備の代わりに置ける要件を解説する記事のアイキャッチ画像

パッケージ型消火設備は、屋内消火栓設備の代わりに置くことができる消火設備です。
消火薬剤を放射して消すしくみで、屋内消火栓設備と比べて放射時間が短いという性質があります。
そのためどの建物にも置けるわけではなく、置ける建物と置けない場所が決められています。
質疑応答が示したのは代わりに置くための入口と置けない場所の線引きです。

うちのビルは水源が取れないので、屋内消火栓の代わりにパッケージ型を提案されました。
そんなことができるのですか。

できる場合があります。
通常用いられる消防用設備等に代えて用いることができる設備と位置づけられています。

消防署がよいと言えば置ける、という理解でいいのでしょうか。

署の心証だけで決まる話ではありません。
告示の技術上の基準に合っているかが要件です。
5つの回答で順に見ていきます。

この記事の結論
  • 消防長や消防署長が認める要件は、総務省令や告示に定める設置及び維持の技術上の基準等に適合していることです
  • パッケージ型消火設備とパッケージ型自動消火設備は、令第29条の4によるルートBに当たるとされました
  • 従前の通知の基準に適合していたものも、新しい技術上の基準に基づき設置を認めることとされたいとされています
  • 令別表第一(14)項が要件から外れたのは、放射時間や消火能力では足りないおそれがあるためです
  • 煙が著しく充満するおそれのある場所とは、外気に直接開放された開口部などを有しない場所を指します

消防長や消防署長が認めるとはどういうことか

消防長や消防署長が認める要件として技術上の基準への適合を確かめることを示したイメージ
令第29条の4には、消防長や消防署長が認めるときは通常用いられる消防用設備等に代えて使える、という書き方があります。
この「認める」が何を見て判断されるのかが問われました。
問8 令第29条の4第1項に、「消防長、消防署長が〜認める」とあるが、認める場合の要件は何か
答 令第29条の4に基づき、「消防長、消防署長が〜認める」ための要件とは、その防火安全性能が、通常用いられる消防用設備等と同等以上と認められるものとして、同条の規定に基づく総務省令(これに基づく告示を含む。)に定める設置及び維持の技術上の基準等に適合していることである。
基準に合っているかで決まります
消防長や消防署長が裁量で自由に決めてよい、という意味ではありません。
回答は、その防火安全性能が通常用いられる消防用設備等と同等以上と認められるものとして、令第29条の4に基づく総務省令とその告示に定める設置及び維持の技術上の基準等に適合していることを要件に挙げています。
つまり代替を持ちかけられたときにまず確かめるのは、署の心証ではなく告示の技術上の基準に合った製品と設計になっているかです。
見積書や設計図に、どの告示のどの基準によるものかが書かれているかを一度確かめてください。

認めるかどうかは、担当の方によって変わるのかと思っていました。

物差しは決まっています。
基準に適合しているかどうかを見ています。
提案を受けたら、根拠にしている告示の名前を聞いてみてください。

パッケージ型消火設備はルートBとルートCのどちらか

パッケージ型消火設備が令第29条の4によるルートBに位置づけられることを示したイメージ
通常用いられる消防用設備等に代えて設備を置く道筋には、性格の違う2本があります。
パッケージ型消火設備がどちらに当たるのかが問われました。
問9 屋内消火栓設備の代替となるパッケージ型消火設備及びスプリンクラー設備の代替となるパッケージ型自動消火設備は、技術基準が出てルートBとなるのか。それともルートCとなるのか
答 従来、令第32条を適用し運用していたこれらの設備は、知見の蓄積により、通常用いられる消防用設備等に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備としたものであり、ルートBである
注)ルートB:令第29条の4第1項により「通常用いられる消防用設備等」に代えて用いることができるとされている「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備」
ルートC:法第17条第3項により「消防用設備等」に代えて用いることができるとされている「特殊消防用設備等」
ルートBに位置づけられました
ルートBは令第29条の4第1項によるもので、通常用いられる消防用設備等に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備を指します。
これに対してルートCは法第17条第3項による特殊消防用設備等で、別の道筋です。
パッケージ型は、以前は令第32条を適用して運用していたものが知見の蓄積によって整理され、ルートB側に置かれたと説明されています。
どちらの道筋かが分かれば、拠りどころにする条文と基準が決まります。提案を受けたときは、まずこの位置づけから確かめてください。

代わりに置く道が1本ではなかったのですね。

2本あります。
そしてパッケージ型はルートBのほうです。
見積書の根拠が令第29条の4になっているかを見てみてください。

パッケージ型消火設備は令第32条で設置できるか

従前の通知の基準ではなく新しい技術上の基準に基づいてパッケージ型消火設備を設置することを示したイメージ
技術上の基準ができる前は、パッケージ型は令第32条を適用して個別に認めてもらう形でした。
基準ができた後も同じやり方が使えるのかが問われました。
問10 6月1日以降に、従前の通知の基準に適合していたパッケージ型消火設備又はパッケージ型自動消火設備を令第32条の規定を適用して設置することは可能か
答 令第29条の4に基づき、「パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準」及び「パッケージ型自動消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準」が定められたことから、この基準に基づき設置を認めることとされたい
新しい基準のほうで見ます
回答は令第32条を使ってよいとは言っておらず、令第29条の4に基づいて定められた技術上の基準に基づき設置を認めることとされたい、としています。
拠りどころが個別の判断から技術上の基準へ移ったということです。
古い実績を根拠に前はこれで通ったと言われても、いまは基準のほうを見ることになります。
提案書に添えられた根拠が従前の通知のままなら、現行の基準に読み替えられているかを確かめてください。

以前の書類がそのまま使えると思っていました。
根拠を差し替えないといけないのですね。

そのとおりです。
基準ができたので、そちらで見ることになりました
書類の根拠欄がいつの通知になっているかを確かめてください。

なぜ倉庫はパッケージ型消火設備の対象から外れたのか

可燃物の量が多くなる倉庫ではパッケージ型消火設備の放射時間や消火能力が足りないおそれがあることを示したイメージ
パッケージ型消火設備を置ける防火対象物は、告示の第3で用途と規模が決められています。
その要件から令別表第一(14)項が外れている理由が問われました。
問11 「パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件」(平成16年消防庁告示第12号)第3の、防火対象物の要件について、令別表第一(14)項を外した理由をご教示いただきたい
答 令別表第一(14)項に関しては、用途上、可燃物の量が多くなる可能性が高いことから、パッケージ型消火設備の放射時間、消火能力では足りないおそれがあるためである
燃えるものが多すぎるからです
令別表第一(14)項は倉庫です。
回答は、用途上、可燃物の量が多くなる可能性が高いことを理由に挙げ、パッケージ型消火設備の放射時間と消火能力では足りないおそれがあるとしています。
パッケージ型は薬剤を放射して消すもので、放射できる時間には限りがあります。積み上がった荷物の火災はその範囲を超えうる、という見方です。
倉庫を含む建物で代替を検討するときは、用途がこの要件に入っているかを先に確かめてください。

つまり設備の力が届く範囲で用途を区切っているのですね。

そういう考え方です。
だから用途の確認が先になります。
建物の中に倉庫の部分があるなら、その扱いを先に整理しておきましょう。

煙が著しく充満するおそれのある場所以外の場所とはどこか

外気に直接開放された開口部がある場所とない場所でパッケージ型消火設備の設置可否が分かれることを示したイメージ
告示の第3は、置ける場所を火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所以外の場所としています。
この裏返しの書き方が具体的にどこを指すのかが問われました。
問12 「パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件」(平成16年消防庁告示第12号)第3に規定する「火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所以外の場所」とは具体的にどのような場所を示すのか
答 パッケージ型消火設備は、屋内消火栓設備と比較して消火薬剤放射時間が短いため、的確に火点に消火薬剤を放射することができ、かつ、消火に失敗した際のための退路の確保ができる防火対象物に設置する必要がある。
したがって、「火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所」とは、初期消火及び避難を行う上で有効な、外気に直接開放された開口部又は随時容易に開放できる開口部を有しない場所を指すものである
なお、火災の際煙が有効に排除でき安全に初期消火を行うことができるとともに、避難時には主要な避難口を容易に見通すことができ、又は当該開口部から避難できる場所は、「火災のとき煙が著しく充満するおそれのある場所」には該当しない。
開口部があるかどうかで分かれます
回答は、煙が著しく充満するおそれのある場所を、初期消火と避難に有効な外気に直接開放された開口部又は随時容易に開放できる開口部を有しない場所と説明しています。
理由は、パッケージ型が屋内消火栓設備より消火薬剤の放射時間が短く、火点に的確に放射できて、消火に失敗したときの退路が確保できる防火対象物に置く必要があるからです。
逆に、煙が有効に排除でき、避難時に主要な避難口を容易に見通せる、または当該開口部から避難できる場所は該当しないとされました。
候補になっている部屋に外気に面した開口部があるか、それがすぐ開くかを図面で見ておくと、話が早く進みます。

窓のあるなしが、そのまま可否につながっているのですね。

ええ、消したあとに逃げられるかまで見ています。
候補の部屋の開口部を図面で押さえてから相談に行くと早いです。

よくある質問

Q消防署が認めればパッケージ型消火設備を置けますか?
A回答は、認めるための要件を、その防火安全性能が通常用いられる消防用設備等と同等以上と認められるものとして、令第29条の4に基づく総務省令(これに基づく告示を含む。)に定める設置及び維持の技術上の基準等に適合していることとしています。
Qパッケージ型消火設備は特殊消防用設備等にあたりますか?
A回答は、これらの設備を通常用いられる消防用設備等に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備としたものであり、ルートBであるとしています。特殊消防用設備等はルートCとして区別されています。
Qいまでも令第32条でパッケージ型消火設備を設置できますか?
A回答は、令第29条の4に基づきパッケージ型消火設備およびパッケージ型自動消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準が定められたことから、この基準に基づき設置を認めることとされたいとしています。
Q倉庫がパッケージ型消火設備の要件から外れているのはなぜですか?
A回答は、令別表第一(14)項について、用途上、可燃物の量が多くなる可能性が高いことから、パッケージ型消火設備の放射時間や消火能力では足りないおそれがあるためとしています。

まとめ

認める要件は技術上の基準等に適合していることです
判断の物差しは署の裁量ではなく告示の基準です
パッケージ型消火設備は令第29条の4によるルートBに位置づけられました
法第17条第3項による特殊消防用設備等はルートCとして区別されています
従前の基準に適合していたものも新しい技術上の基準に基づき設置を認めることとされたいとされました
令別表第一(14)項が外れたのは放射時間や消火能力では足りないおそれがあるためです
煙が著しく充満するおそれのある場所とは開口部を有しない場所を指します

用途と開口部を先に見ればいいと分かりました。
話す順番が決まって助かります。

根拠の条文、建物の用途、部屋の開口部。
この3つを先に押さえれば大きく外しません
㈱防災屋でもご相談を承っています。

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参考・出典

  • 消防法施行規則の一部改正等に係る執務資料の送付について(平成16年12月24日 消防予第258号 予防課長から各都道府県消防主管部長・東京消防庁・各指定都市消防長あて)
  • 消防法施行令第29条の4
  • 消防法施行令第32条
  • 消防法第17条第3項
  • 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成16年総務省令第92号)
  • パッケージ型消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成16年消防庁告示第12号)
  • 消防実務六法 質疑応答編

※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成16年当時のもので、告示番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。

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