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特定共同住宅等の二方向避難型と開放型はどう判定するか|メゾネット型住戸と階段室型の混在も解説

マンションの開放廊下から二方向避難型と開放型の判定を考える記事のアイキャッチ画像

マンションで40号省令の代替設備を使えるかどうかは、建物の構造類型の判定から始まります。
判定に使う型が二方向避難型開放型で、どちらに当たるかで置ける設備が変わります。
どの部屋まで二つの避難経路が要るのか、どの階まで開放性を見るのかは、図面を眺めるだけでは決めきれません。
質疑応答が示したのは判定の対象になる部屋と階の線引きです。

うちのマンションは二方向避難型だと聞いています。
集会室や管理人室まで二つの出口が要るのでしょうか。

原則としては要ります。
ただし除いてよい部屋が決められています

機械室しかない階も、いちいち調べないといけませんか。

その階は検証の対象から外れます。
どこを見てどこを見ないかが、5つの回答で整理されています。

この記事の結論
  • 二方向避難型は、原則として全ての住戸と共用室と管理人室に二以上の異なった避難経路が必要です
  • 避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室管理人室は除かれます
  • メゾネット型の住戸等は各階毎に二方向避難を確保する必要があるとされました
  • 開放型は、住戸等が存する階とその上階の廊下及び階段室に開放性が求められます
  • 住戸と共用室と管理人室が存しない階は、開放性を検証する必要はないとされました

全ての住戸に二つの避難経路が必要か

住戸と共用室と管理人室のそれぞれに二つの避難経路を確保することを示したイメージ
二方向避難型として扱えるかどうかは、住戸だけを見て決まるものではありません。
どの部屋まで二方向の経路が要るのかが問われました。
問31 特定共同住宅等に存する全ての住戸、共用室及び管理人室について、二以上の異なった避難経路を確保しないと二方向避難型特定共同住宅等として取り扱うことはできないか
答 避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室又は管理人室を除き、お見込みのとおり
原則は全ての部屋が対象です
判定の単位になるのは住戸だけでなく、共用室管理人室も含みます。
回答は、そのすべてに二以上の異なった避難経路を確保することを求めたうえで、除いてよいものを一つだけ示しました。
除かれるのは、避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室又は管理人室です。
集会室や管理人室が避難階にあって、そこで寝ることも入浴することもないのであれば、判定の対象から外れることになります。
まずは竣工図で住戸以外の部屋を拾い出し、その階と使われ方を一覧にしてみてください。

住戸だけの話だと思い込んでいました。

集会室や管理人室も同じ土俵に乗ります。
階と就寝の有無と浴室の有無を先に確かめてください。

メゾネット型の住戸は各階ごとに確保するか

メゾネット型の住戸で各階ごとに二方向の避難経路を確保することを示したイメージ
メゾネット型は、一つの住戸が上下の階にまたがる造りです。
玄関のない側の階をどう扱うのかが問われました。
問32 メゾネット型の住戸、共用室及び管理人室の場合、二方向避難型特定共同住宅等として取り扱うためには、各階毎に二方向避難を確保する必要があるか
答 お見込みのとおり。ただし、主たる出入口が共用部分に面して設けられた階以外の階にあっては、室内に設けられた階段等を避難経路の一部とすることができる
階ごとに二つずつ確保します
住戸が二層にまたがっていても、二方向避難は住戸単位ではなく各階毎に見ることになります。
ただし回答は、主たる出入口が共用部分に面して設けられた階以外の階について、逃げ道の数え方をゆるめています。
その階では、室内に設けられた階段等を避難経路の一部とすることができるとされました。
玄関が無い側の階は、住戸の中の階段をたどって玄関のある階へ出る道筋も一本として数えてよい、という整理になります。
メゾネット型がある建物では、上下それぞれの階から外へ出る道筋を図面に二本ずつ引いて確かめてください。

つまり部屋の中の階段も経路に数えられるのですね。

玄関が面していない階に限った話です。
主たる出入口がどの階にあるかを先に押さえてください。

開放型は上の階の廊下や階段室まで開放性が要るか

火災が発生した階とその上の階の廊下と階段室に開放性を求めることを示したイメージ
開放型は、廊下や階段室が外気に開かれていることを評価する型です。
その開放性をどの階まで求めるのかが問われました。
問33 開放型特定共同住宅等と取り扱うためには、火災が発生した場合に当該住戸等が存する階及びその上階の廊下及び階段室が開放性を有することが必要か
答 避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室又は管理人室が面する共用部分を除き、お見込みのとおり
上の階まで見ます
回答は、当該住戸等が存する階その上階の廊下及び階段室が開放性を有することを必要としました。
火が出た階の廊下だけを見て済ませられる話ではなく、煙が上がっていく先まで含めて判断されます。
ここでも除外はあり、避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室又は管理人室が面する共用部分は対象から外れます。
一部の階だけ内廊下になっているような建物は、その階と下の階の組合せで結論が変わりますので、階ごとに見てください。
断面図に開放されている廊下と閉じている廊下を色分けして書き込んでおくと、消防との打合せがそのまま進みます。

火が出た階だけの話ではないのですね。

煙が上がる先まで含めて見ます。
断面図で上下の階をひと組にして確かめるのが早道です。

階段室型と廊下型が混在する建物はどう見るか

一つの建物に階段室型と廊下型が混在する場合の判定を示したイメージ
一つの建物の中で、階段室型の部分と廊下型の部分が混じることがあります。
その場合にどちらの物差しを当てるのかが問われました。
問34 一の特定共同住宅等に、階段室型及び廊下型が混在する場合は、それぞれの判断基準に従い開放性を有すると認められたものを開放型特定共同住宅等として取り扱う必要があるか
答 お見込みのとおり
型ごとに分けて見ます
回答は、それぞれの判断基準に従って開放性を有すると認められたものを、開放型特定共同住宅等として取り扱う必要があるとしました。
建物全体をどちらか一方の型に寄せて、まとめて判定してよいという扱いにはなっていません。
階段室型の部分は階段室型の基準で、廊下型の部分は廊下型の基準で開放性を見ることになります。
増築や改修を重ねたマンションでは、棟の途中から造りが変わっていることが珍しくありません。
平面図に型の境目を書き込んでおくと、どちらの基準で見るのかが図面のうえではっきりします。

うちも途中から廊下の造りが変わっています。
どちらか一方に決めるものだと思っていました。

混在したまま判定します。
造りが変わる位置を平面図に落としておくと話が早いです。

住戸のない階も開放性を検証するか

住戸と共用室と管理人室が存しない階は開放性の検証がいらないことを示したイメージ
建物の中には、機械室や設備だけで住戸のない階があります。
そうした階まで検証するのかが問われました。
問35 開放型特定共同住宅等に該当することの判定に当たって、住戸、共用室及び管理人室が存しない階については、開放性を検証する必要はないか
答 お見込みのとおり
住戸等のない階は対象外です
回答は、住戸と共用室と管理人室が存しない階について、開放性を検証する必要はないとしました。
受水槽やポンプだけが置かれた階に、開放性の検証の手間をかけなくてよいということになります。
逆にいえば、小さな管理人室が一室あるだけでも、その階は検証の対象に入ります。
検証の範囲を決めるのは階数ではなく、その階に住戸等があるかどうかです。
各階平面図に住戸等の有無で印を付けてから、検証する階を絞り込むと手戻りが出ません。

階数ではなく中身で決まるのですね。

その階に住戸等があるかどうかで分かれます。
管理人室が一室でもあれば対象になるので見落とさないでください。

よくある質問

Qマンションの全ての部屋に二つの避難経路が必要ですか?
A回答は、避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室又は管理人室を除き、全ての住戸、共用室及び管理人室に二以上の異なった避難経路が必要としています。
Qメゾネット型の住戸は住戸の中の階段も避難経路になりますか?
A回答は、各階毎に二方向避難を確保する必要があるとしたうえで、主たる出入口が共用部分に面して設けられた階以外の階では、室内に設けられた階段等を避難経路の一部とすることができるとしています。
Q火災が起きた階だけ開放されていれば開放型になりますか?
A回答は、当該住戸等が存する階及びその上階の廊下及び階段室が開放性を有することが必要としています。避難階に存し、就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室又は管理人室が面する共用部分は除かれます。
Q機械室しかない階も開放性を調べる必要がありますか?
A回答は、住戸、共用室及び管理人室が存しない階については、開放性を検証する必要はないとしています。

まとめ

二方向避難型は原則として全ての住戸と共用室と管理人室に二以上の異なった避難経路が要ります
避難階にあり就寝を伴わず浴室が組み込まれていない共用室と管理人室は除かれます
メゾネット型の住戸等は各階毎に二方向避難を確保します
主たる出入口が面する階以外では室内の階段等を避難経路の一部にできます
開放型は住戸等が存する階とその上階の廊下及び階段室に開放性が要ります
階段室型と廊下型が混在するときはそれぞれの判断基準に従って見ます
住戸と共用室と管理人室が存しない階は開放性を検証しなくてよいとされました

どの部屋とどの階を見ればよいか分かりました。
図面に印を付けるところから始めます。

住戸等の位置、主たる出入口の階、廊下の造り。
この3つを図面で押さえれば話が早く進みます
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参考・出典

  • 消防用設備等に係る執務資料の送付について(平成18年11月30日 消防予第500号 消防庁予防課長から各都道府県消防防災主管部長・東京消防庁・各指定都市消防長あて)
  • 特定共同住宅等の構造類型を定める件(平成17年消防庁告示第3号)
  • 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成17年総務省令第40号)
  • 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令等の運用について(平成17年8月12日 消防予第188号)
  • 消防実務六法 質疑応答編

※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成18年当時のもので、告示番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。

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