危険物取扱者免状は、法令違反を繰り返すと交付を受けた都道府県知事から返納を命じられることがあります。
この返納命令は消防法第13条の2第5項に基づくもので、平成3年に全国統一の運用基準が定められました。
基準では違反行為ごとに点数が決められており、過去3年以内の累積点数によって返納命令の可否が判断されます。
この記事ではどの違反が何点になり何点に達すると返納命令になるのかを解説します。
危険物取扱者の免状を持つ従業員が、何度か注意を受けたことがあるんですが大丈夫でしょうか。
違反が積み重なると免状の返納命令につながります。
点数の数え方が決まっているので確認しましょう。
点数って、どれくらいで危なくなるものなんですか。
過去3年以内の累積で20点に達すると返納命令です。
どんな違反が何点になるか、具体的に見ていきましょう。
- 危険物取扱者免状の返納命令は消防法第13条の2第5項に基づき免状を交付した都道府県知事が行う
- 違反点数は基礎点数に事故加点を加えて算出される
- 過去3年以内の違反行為に係る点数を累積した措置点数が20点に達すると返納命令になる
- 複数の都道府県知事から免状交付を受けている場合は免状の種類ごとに知事の権限が及ぶ範囲が分かれる
- 返納命令を行う前には行政手続法に基づく聴聞が必ず行われる
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目次
危険物取扱者免状の返納命令はなぜ全国統一の基準が作られたのか

ただし運用の基準がなく、都道府県ごとに判断が分かれることが課題でした。
この通知は消防庁危険物規制課長から各都道府県消防主管部長へ発出され、平成4年4月1日から全国一律の運用が始まりました。
以降、危険物取扱者免状の返納命令は、この運用基準にもとづいて判断されることになっています。
まずは、どんな違反行為が対象になるのかを見ていきます。
うちの免状も、この基準で判断されるということですね。
はい。免状を交付した都道府県知事が判断します。
次にどんな行為が対象になるか確認しましょう。
どの違反行為が返納命令の対象になるのか

危険物の無許可貯蔵や資格外の危険物の取扱いなど、37項目に分かれています。
この運用基準は、危険物取扱者の消防法令違反に対して違反点数を算定することとしたものであり、製造所等の位置、構造及び設備の技術上の基準維持義務違反等、義務の主体が危険物施設の所有者、管理者、占有者とされているものに係る基礎点数については、所有者等のうち危険物取扱者免状を有している者に係る違反行為のみが対象となるものであること。
たとえば無許可貯蔵は指定数量の10倍以上で10点、2倍以上10倍未満で6点、2倍未満で4点と、規模に応じて点数が変わります。
資格外の危険物取扱いは8点、危険物取扱者保安講習未受講は4点と定められています。
現場で免状を持たずに作業する危険物取扱者免状不携帯も4点の対象で、決して軽い扱いではありません。
自分の免状に何点が付くのかは、日々の作業の中でも意識しておく必要があります。
うちは講習をうっかり忘れたことがあります。それも点数が付くんですか。
はい、保安講習未受講は4点です。
次は、その点数がどう積み上がるかを見ましょう。
違反点数は何点まで積み上がると返納命令になるのか

この点数が一定のラインを超えると、免状返納命令の対象になります。
基礎点数は違反行為の種別ごとに決まっており、同一人が同時に2以上の違反をした場合はそれぞれの基礎点数を合計します。
これに火災や爆発、流出などの事故の程度に応じた事故加点が加わります。
20点は決して簡単に届かない数字ではなく、小さな違反の積み重ねでも到達しうる点数です。
20点というのは、意外と近い数字に感じますね。
そうなんです。過去3年間の合計で数えるので油断できません。
次は見落としやすい注意点を確認しましょう。
複数の都道府県で免状を持つ場合はどう扱われるのか

この場合、返納命令の効力が及ぶ範囲には注意が必要です。
また、正当防衛や無過失などやむを得ない事情があるときは違反点数を計上しないという例外も定められています。
免状返納命令を行うにあたっては、行政手続法に基づく聴聞を必ず行わなければならないこととされています。
複数の都道府県で免状を持つ場合は、関係都道府県間で十分に調整のうえ手続きが進められます。
免状ごとに管轄が分かれているんですね。
はい。聴聞の手続きも必ず挟まれます。
最後に、日々の実務でどう備えるかを見ましょう。
日々の実務でどう点数の積み上がりに備えればよいか

まずは自分の免状にどんな違反行為が何点になるのかを知ることが第一歩です。
危険物取扱者保安講習を期限どおり受けているか、無許可貯蔵にあたる保管をしていないかは、日常点検の中でも確認できる項目です。
違反があったときは市町村長等から違反事項通知書が送達されるので、その時点で内容を必ず確認してください。
小さな違反でも記録が残り点数として累積することを、社内で共有しておくことが大切です。
日頃のチェックが、結局いちばんの備えになるんですね。
そのとおりです。記録を残す習慣が、点数の見落としを防ぎます。
よくある質問
まとめ
免状は取ったら終わりじゃなくて、ずっと気を付けておくものなんですね。
よく分かりました。
そのとおりです。
日々の点検と記録が、結局いちばんの備えになります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 危険物取扱者免状の返納命令に関する運用基準の策定について(平成3年12月19日 消防危第119号 消防庁危険物規制課長、最終改正 平成12年3月24日 消防危第35号)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第13条の2第5項・第6項
- 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第31条〜第34条
- 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第50条〜第52条
- 行政手続法(平成5年法律第88号)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





