台所に付けた火災警報器が、調理のたびに鳴ってしまう。
そんな理由で電池を抜かれた住宅用火災警報器を、見たことはないでしょうか。
消防法施行令が設置を義務づけているのは寝室と階段だけで、台所はもともと義務の対象外です。
義務がないからこそ、どこにどんな警報器を付けるかを消防庁が丁寧に示したガイドラインが、今回のテーマです。
台所の火災警報器が誤作動ばかりして、結局外してしまった住戸があります。
煙を感知するタイプを台所に付けると、調理の煙や蒸気に反応してしまいます。
台所には熱を感知する定温式を使うよう、消防庁が指導要領を示しています。
うちの台所やガレージに、そもそも設置義務があるのかも分かっていません。
そこから確認しましょう。
義務のある部分とない部分の分け方、そして定温式の正しい取り付け方まで順に見ていきます。
- 消防法施行令第5条の7が設置を義務づけるのは、寝室と避難階を除く階段など「住宅の義務あり部分」だけで、台所は含まれません
- 台所(食堂と併設する場合を含む)は、通常の調理時に煙や蒸気がかかる場所を避けて定温式住宅用防災警報器を設置することが指導要領で示されています
- じんあいや煙が滞留するおそれがある居室・ガレージ等も、同じく定温式が適しています
- 定温式住宅用防災警報器は、天井なら壁やはりから0.4メートル以上、壁なら天井から0.15メートル以上0.5メートル以内に設置します
- 条例で付加設置を定めている市町村もあるため、設置前に所轄消防署への確認が欠かせません
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目次
台所の火災警報器はなぜ煙式でなく定温式が勧められるのか

台所にそのまま煙式を付けると、調理のたびに警報が鳴ってしまうのです。
消防法施行令第5条の7が義務づけているのは寝室と階段など一部の部分だけで、台所はもともと設置義務の対象外です。
それでも設置率を上げようと自主設置を呼びかけてきましたが、煙を感知するタイプをそのまま台所に付けると調理の煙や蒸気で頻繁に鳴ってしまいます。
結果として電池を抜かれたり本体を外されたりすれば、肝心なときに作動しません。
そこで消防庁は、平成17年の通知を更新するかたちで、台所に適した警報器の種類を具体的に示しました。
うちも台所の警報器がよく鳴るので、いつも電池を抜いています。
それでは肝心なときに作動しません。
台所には定温式を使うのが正解です。
台所やガレージなど住宅のどの部分に定温式が向いているのか

指導要領は住宅の部分ごとに、3つに分けて示しています。
台所は通常の調理時に煙や蒸気がかかる場所を避けたうえで、定温式住宅用防災警報器を設置するのが指導要領の考え方です。
じんあいや煙が滞留しやすい居室やガレージも同じく定温式が向いています。
それ以外の居室は、通常どおり煙を感知するタイプで足ります。
自分の家のどの部屋がどちらに当たるか、まずは間取り図で確認してみましょう。
うちのガレージにも警報器を付けているのですが、あれで合っていたんですね。
はい、ほこりが溜まりやすい場所は定温式が適しています。
次は正しい取り付け方を見ていきましょう。
定温式住宅用防災警報器はどこにどう取り付ければよいのか

取り付ける位置にも、ガイドラインが定める基準があります。
天井に付けるなら、壁やはりから0.4メートル以上離すのが基準です。
壁に付けるなら、天井から下方0.15メートル以上0.5メートル以内という狭い範囲に収める必要があります。
はりのすぐ下や部屋の隅に適当に取り付けると、この基準から外れてしまいます。
取り替える際は、メジャーで実際の距離を測ってから位置を決めてください。
今の位置、壁からの距離なんて測ったことがありませんでした。
多くのお宅がそうです。
取り替えのタイミングで一度測ってみてください。
台所の警報器を選ぶときに見落としやすいのはどこか

見落としやすい点が、指導要領の後半に書かれています。
市町村の条例で、義務なし部分にも設置を上乗せしている地域があります。指導要領どおりに定温式を選んでも、条例の基準まで満たしているとは限りません。
また、自動試験機能を持つ機種は、機能の異常や交換時期が表示や音で知らされたら速やかに交換する決まりです。表示に気づかず放置しているお宅も見受けられます。
電池切れの警告音を面倒に感じて放置するのも同じ落とし穴で、結局は火災発生時に鳴らないという結果につながります。
定温式に替えて満足するのではなく、条例の有無と機能の表示の両方を確認してください。
うちの市に条例があるかどうかなんて、考えたこともなかったです。
消防署に電話一本で確認できます。
定温式を選んだついでに、条例の有無も聞いてみてください。
明日から何を確認すればよいのか

今日から確認できることは、大きく分けて4つです。
台所やガレージに今付いている警報器が煙式か定温式かを確認します。
次に、市町村の条例で付加設置の定めがないか、所轄の消防署に確認します。
定温式に交換するなら、天井やはりからの距離を測ってから位置を決めます。
最後に、電池切れや機能異常の表示が出ていないかを確認し、出ていれば放置せず交換してください。
まずは台所の警報器が煙式か定温式か、帰ったら確認します。
それが一番の近道です。
条例の確認も忘れずに、消防署へ問い合わせてみてください。
よくある質問
まとめ
台所は定温式、ここが一番の学びでした。
さっそく確認します!
種類の選び方、取り付け位置、そして条例の確認。
この3つを押さえれば大きく外しません。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 台所等における住警器等の設置及び維持の指導要領並びに定温式住宅用防災警報器の設置及び維持に係るガイドラインについて(平成25年6月26日 消防予第257号 消防庁予防課長)
- 消防法施行令第5条の7第1項第1号
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





