消防用設備の新設や改修工事を業者に依頼したとき
その工事がいつ消防署に届け出られているのか、意識したことはあるでしょうか。
甲種消防設備士には、工事に着手する前の届出義務が消防法で定められています。
この記事では第17条の14が定める届出の期限と対象、怠った場合の罰則を解説します。
今度、館内のスプリンクラー設備を増設する工事を頼むことになったんです。
特に何も手続きはいらないですよね。
実はその工事、着手する前に消防署への届出が必要なんです。
届出ってそこまで厳格に決まっているんですか。
はい、第17条の14という条文で期限まではっきり定められています。
- 甲種消防設備士は、工事に着手する日の10日前までに消防長又は消防署長へ届け出なければなりません
- 届出の対象になるのは屋内消火栓設備やスプリンクラー設備、自動火災報知設備など施行令第36条の2が列挙する設備の設置工事です
- 届出書には工事整備対象設備等の種類や工事の場所など必要な事項を記載します
- 届出を怠ると消防法第44条第8号により30万円以下の罰金又は拘留に処されます
- 工事を依頼する側も業者が甲種消防設備士であるか、届出の予定があるかを確認しておくと安心です
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目次
消防用設備の工事はいつ消防署へ届け出るのか

まずはその根拠となる条文を確認しましょう。
この届出義務を負うのは甲種消防設備士本人であり、乙種消防設備士や発注者本人ではありません。
届け出る相手は、工事現場を管轄する消防長又は消防署長です。
届け出るのは業者側の義務ですが、発注する建物の管理者にとっても無関係ではありません。
次に、どの設備の工事がこの届出の対象になるのかを確認しましょう。
届け出るのは業者さんの義務なんですね。
うちは何もしなくていいということですか。
届出自体は業者の義務ですが、発注者として確認しておくと安心です。
次は対象になる設備を見ていきましょう。
どの設備の工事なら10日前の届出が必要になるのか

届出の対象は設置工事に限られ、整備は含まれません。
屋内消火栓設備や自動火災報知設備など、主要な消防用設備等の多くが含まれています。
金属製避難はしごや救助袋、緩降機といった避難器具の一部も対象ですが、はしごは固定式のものに限られます。
一方で消火器や誘導灯はこの一覧に含まれておらず、この届出の対象にはなりません。
次は、届出書に何を書いて何を添えるのかを見ていきましょう。
うちのスプリンクラー設備は対象に入っていますね。
はい、スプリンクラー設備は対象です。
次は届出の中身を確認しましょう。
届出には何を書いて何を添えるのか

思いつきで自由な書式を使えるわけではありません。
提出する書類の名称は工事整備対象設備等着工届出書で、様式番号まで指定されています。
添付書類として、工事の平面図、配管及び配線の系統図、計算書の写しが必要です。
これらの図書は工事を請け負う甲種消防設備士が用意するもので、発注者側が自分で作成するものではありません。
次は、この届出を怠った場合にどうなるかを確認します。
図面まで用意しないといけないんですね。
結構本格的な書類なんですね。
はい、平面図や系統図まで添付する本格的な届出です。
次は罰則を見てみましょう。
届出を怠るとどうなるのか

消防法は違反に対して、直接の刑事罰を用意しています。
科されるのは30万円以下の罰金又は拘留で、届出という手続を怠っただけで処罰され得る規定です。
ただし軽微な工事については、消防庁の通知に基づき届出そのものを省略できる場合があります。
省略が認められる工事の範囲を超えて届出を怠った場合に、この罰則の対象になり得ます。
次は、工事を依頼する建物側が確認すべきことを整理します。
届出を忘れたら、うちも何か責任を問われるんでしょうか。
届出義務があるのは甲種消防設備士本人です。
とはいえ発注者としても知っておくべき制度です。
工事を依頼する側は何を確認すればよいのか

確認は契約前と着工前の2段階で行うのが確実です。 契約前と着工前の2段階で確認しておきましょう。
まず契約前に、依頼する業者が甲種消防設備士免状を持っているかを確認します。乙種消防設備士は設置工事を行えません。
着工が近づいたら、着工10日前までに届出が済む見込みかを業者に確認しておきます。
軽微な工事に当たり届出が省略される場合は、その根拠となる通知の範囲内かどうかも業者に確認しておくと安心です。
不明な点があれば、依頼前に所轄消防署へ確認するのが確実です。
契約前と着工前、両方でチェックしてみます。
その2段階の確認が確実です。
最後によくある質問を見ていきましょう。
よくある質問
まとめ
届出の確認、今度からきちんとします!
業者さんにも先に伝えておきます。
ぜひ取り入れてみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の14、第44条 e-Gov法令検索
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第36条の2 e-Gov法令検索
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第33条の18 e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





